世にも奇妙な結婚記念日 Ⅲ ~ 中華屋編 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ホームセンターで60㎏の砂を買い

それを久太郎さんが車に積んでくれ、魔女家に着くと家の中まで運んでくれて

その上、猫たちにお土産まで置いて行ってくれて

 

それから魔女はのらさんグッズを置いて大急ぎで着替え、外で待つ久太郎さんの車に乗り込んだ

 

久太郎さんご夫婦がチェックインしているホテルは駅前で

ホテルには専用の駐車場はなく、駅ビルの駐車場を利用されていて

私たちはそこからやはり駅近の中華屋に向かった

 

悪天候のせいか、金曜の夜はいつも混んでいる店は空いていて

私は席に着くなり先ずは立て替えていただいた猫砂代を奥様にお返しし

そして言った

 

「私、着替える前と同じ服を着ているようですが違います」

 

そんなことなど気にもしてない級太郎さんご夫妻 「え?」

 

 

だけど私は言った

 

「私、これと同じパーカーを3枚、そしてこれと同じパンツを5枚持ってるんです」

 

のらさんご飯に行く時間はだいたい同じだから、けもの道辺りに住む人、そこを通る人、また途中ですれ違う人

みんな思ってるよ

 

「あの人、 ここ数か月ずっと同じ服着てる・・」  って

 

違うもん

ちゃんと着替えてるんだもん

違う同じ服に

 

私はそれが気に入ったら一日中着てる

気に入るというのは、おしゃれ的な目的では一切なく

猫さんご飯に最適な服

冬は温かく、動きやすく、《ぼっさ》が臭い涎をつけまくっても惜しげがない安いパンツ(その涎のせいで5本も持ってるのよ)

そして色は猫さんたちの毛がいっぱい付いても目立たない灰色に決めていて

 

 

給太郎さんはそれを聞いてゲラゲラと笑っていた

そんなこと気づかないし、なんとも思わないのもわかっていたけど

魔女、一応言っとこうと思ったの

 

 

話しは逸れたが

お世話になっている給太郎さんご夫妻の結婚記念日を祝う気満々の魔女

 

給太郎さん、ホテルはすぐそこだから今宵は存分に飲んでください!

料理は何にしますか? とメニューを差し出す

 

それぞれが好きな料理を注文し、おしゃべりをしながらそれをシェアして楽しく食す

給太郎さんは大好きなお酒を飲み・・ 

 

ってか、ちっとも酔っ払ってないじゃん

酔っ払えよ!

 

 

そんなこんなで話しは尽きず(なにせ猫話だから) それは楽しい時が過ぎる

 

店の人が皿を片付け始めて、振り返って店の時計を見たら23時前だった

時の経つのがこんなに速いとは・・ ビックリだ

 

それでお会計、と席を立とうとしたら

前の席の通路側に座っていた給太郎さんが立ち上がって来て 

「ダメです!」 とか言って魔女を押さえつけた

 

 

な、なんなのよ!

何がダメなの!!

いいからどいてよっ!!

 

 

給太郎さんの力は強く、本気で魔女を押させつける

 

そして 「いまだ! 早く!」 みたいに奥さんに合図を送り

奥さんは 「あいよ!」 って感じでレジに急ぐ

 

 

冗談じゃない!

 

やめて!!

放して!!

払わせてーー!!

 

 

しかし目の前には大きなテーブル、反対側は壁

押さえつけられた魔女は行き場がない

 

 

ちょっと!

店の人が見てるじゃない!!

 

 

 

奥様の支払いが終わるまで・・ 

給太郎さんは 「ダメです!」 を繰り返しながら強い力で私を押さえつけていた

 

 

なんなの! この人たち!!

おかしいでしょう!!

 

これじゃまるで魔女が記念日じゃないか!

 

 

 

・・店の外に出る

 

そこで給太郎さんと一服して気持ちを静める

 

もう・・ 何を言ってもだめなんだろうな

諦めるしかないのか

 

こうなったらブログに書いてやる

魔女は給太郎さんにそのことを告げた

 

 

夜も更け

 

給太郎さん、ホテルはそこですよね

今夜はゆっくりなさってください

 

と、お別れしようとしたら・・

 

魔女さん、送って行きます

 

お酒飲んでるから運転してはダメです!

 

カミさんが運転するから大丈夫です

 

 

もういいからーーー !!!

 

 

いや、帰り道が心配だし、私たちそのつもりなので

 

奥さんを見ると 「私に任せて」 って感じで指を立てている

 

そうして給太郎さんは渋る私を駐車場に連れて行き・・ 車に乗せた

 

駅前の駐車場は料金が高く、24時間止めっ放しならまだしも、こうして出入りしているとどんだけの金額になるか

料金所での支払いに後部座席でお札を振り回す魔女を・・

 

 

夫婦で無視かい!!

 

 

 

そうして私を家まで送り届け

給太郎さんご夫婦は去って行かれた

 

どういう記念日だよ・・

ほんとうにこれで良かったのか?!

わけわかんない

 

 

しかし給太郎さんは仰る

 

最高の記念日になりました

今までで一番の記念日、魔女さんのおかげです!

 

マジでかーーー アセアセアセアセアセアセ

 

私のおかげとか

そりゃ何かの勘違いだろーー!

 

 

スーリヤ 「かんちゃがいだ! かんちゃがいだーー!」

 

 

 

世にも奇妙な結婚記念日・・ 

終わります