世にも奇妙な結婚記念日 Ⅱ ~ 公園編 ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

そう言えば

数年前給太郎さんから頼まれたことがあって

 

 

魔女さん、私の遺影を描いてください

 

はい?!

 

遺影を・・

 

い、遺影?

 

 

給太郎さんはお父上もご存命であり、まだまだお若い

 

なのになんで遺影とか思いつくかな・・

なんで?

 

 

肖像画の注文が来ることもあるけれど

私はその人となりを知らなければ描けないし、描かない

給太郎さんなら描ける自信があったので

引き受けましたけど・・

 

しつこいようだけど、遺影・・って

 

 

それで給太郎さんの写真を送っていただいたのだけど

それは給太郎さんが初めて家族にした黒猫の《ちびちゃん》を抱いているもので

確認したら、《ちび》も一緒に、ということで描かせていただいた

 

私は絵を描く時は時間を忘れて集中したく

よしんば1時間でも何かの用事が入っているとその日は絵を描けない

 

そんなだからすっかり仕上がりが遅れてしまい

だけど給太郎さんは いつまでも待ちますと仰ってくださって

 

 

そうしてようやく出来上がった絵をお渡し前にアトリエに置いていたら

生徒がそれを目ざとく見つけ、「まじょ、あの絵はなに?」 と聞いてきた

「遺影です」 と答えると、その意味がわからない子に大きな子が説明していて

 

すると生徒が言ったんだ

 

「そっか! 猫ちゃんの 遺影なんだね!」

 

他の子どもたちも同じことを口走っているよ

 

・・

ヤバくね?

 

 

会ったことのない《ちびちゃん》、写真を何枚か送ってもらってメッチャ真剣に書いたからか

給太郎さんより《ちびちゃん》の方に力が入っちゃったのか・・

 

それで給太郎さんにその旨を伝え、ごめんなさい、どうしよう・・ と言ったら

 

それでいいです、じゃなく

それがいいんです、と仰ってくれた

 

マジでか・・

 

ほんとうにそうなのか、気を使って仰ったのか・・

いまだにわからない

 

でも絵をお渡しした時

給太郎さんはその絵を見詰め、涙を浮かべてくださったんだ

 

 

 

 

さて、昨日の話の続きです

 

約束の日の前々日、魔女が忙しい、忙しいとブログに書いていたものだから

給太郎さんからラインが入り

 

『魔女さん、お忙しいのだから公園は自分たちだけで行こうと思います。 私たちのことは気になさらないでください。 20回目の結婚記念日に大好きな公園に行ける、私たちはそれだけで十分満足です。 だから魔女さんは私たちと会う時間を休養に充ててください』

 

とか戯けたことを言って来たよ

 

だから魔女は 『私の楽しみを奪わないでください!!』  と言ってやったわ

 

 

 

当日は夕方公園で待ち合わせ

だけど生憎の悪天候によりこの日は非常に寒くて

 

こんな記念日でいいのか・・?

 

魔女が公園に着いたらご夫妻は既にいらしていて

 

一番に速足で来てくれた《つんでれ》に給太郎さんは取り急ぎご飯を買いに行くところで

頭の中はそればかりだったんでしょうね

魔女が手を振るも、給太郎さん私の横を素通り

 

無視かい!!

 

 

直ぐに気付いて戻ってらしたけど

 

非常に冷たい夜だったので全員は集まらなかった

夜の公園は暗く、私はハンディーなLEDの灯りで照らしながらそれぞれが好きなものを分けながら取り分ける

 

給太郎さんご夫妻は公園組の食事の邪魔をしないよう気遣われて

少し離れたところでじっと彼らの食事の様子を見ていらした

 

しつこいようだけど

結婚記念日・・ ほんとうにこれでいいのか?

 

 

夜とはいえ、天気の良い暖かな日なら、公園組は食後もずっとそこらにいて、ふざけたり寛いだりする

 

しかしこの日はようやく雨は止んだものの、地面は濡れて、とにかく寒く、冷たく

水溜りの水を飲む猫さんたち

 

《もりだくさん》は寒さに耐えられず、満腹になるや急ぎ足で避難場所に潜り込んだ

他の猫たちも暖を求めて散って行った

ただ、律儀な《つんでれ》だけは濡れ落ち葉の上に座ったままその場を去ろうとはしない

 

それで私は《つんでれ》を促して避難小屋に入るよう、下に降ろした

 

悪天候のせいで猫さんたちはとてもじゃないがまったりできず、去ってしまった

 

残された私たちは暗がりの公園で河津桜を眺めた

それから給太郎さんたちはいつものように《おだぎりくん》や《ちずのすけ》の掌を合わされ

私たちは公園を後にした

 

 

天候さえよければもっと公園のみんなと一緒にいられたのに・・

非常に残念だ

 

 

以下はあの頃の写真ですが

今の公園組のこんな姿が見られる筈だったんだけどな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

給太郎さんが公園近くのホームセンターに車を停めていらっしゃるとのことで

一旦魔女を家まで送って私は荷物を置き、着替えをし(公園に向かう途中《ぼっさ》の涎すりすりの洗礼を受けたので)

そのまま給太郎さんの車で駅近の中華屋さんに向かうことにしてくださって

 

先ずは ホームセンターまで一緒に行くなら そこで猫砂を買いたい! と魔女が言い出し

売り場に向かったら・・ 安売り中の猫砂の売り場は空っぽ

 

ショックを隠せない魔女

 

魔女が買う気満々なものだから、給太郎さんは大きなカートを引いてきて下さり・・

 

空っぽのカートを押す給太郎さんに向かって

もういい・・ 行こう・・ と、ホームセンターに対してご機嫌な斜めの私

 

そうして出口に向かっている時

奥様が 「あれじゃないですか!」 と見つけたそれは特設売り場に山積みされた猫砂

 

それを見て手のひらを返したようにご機嫌になる魔女

 

奥様、ありがとう!!

給太郎さんが砂をカートに積み込んでくれる

 

「魔女さん、いくつ積みます? いくつでも構いませんよ」 と言って下さり

10リットルを6体カートに入れてもらった

 

レジに向かう時・・ 魔女、自分は財布を持っていないことに気づく

のらさんご飯の時は財布を持って行かないんだった

 

「魔女さん、大丈夫ですよ」 と奥様が支払って下さり、私は後でお返しをすることに

 

いやはや 面目ない

 

 

給太郎さんたち

結婚記念日をアホな魔女に振り回されてる感が・・ 伺われる

ほんとうにこれでいいのか?

 

 

中華屋編につづく

 

 

 

・・・・・・・

 

 

昨日までのコメント、返信いたしました

いつも遅れてばかりでごめんなさい

みなさまいつも暖かいコメントをありがとうございます