のらねこ物語 ~《たてがみ》と《しゃま》~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

2016年夏の終わりに《はるこ》がふたりの子供を産んだ

それが《たてがみ》と《しゃま》だ

 

 

 

同年10月、母親の《はるこ》に連れられて初めて駐車場にやってきたのは《しゃま》だった

 

 

 

《しゃま》は母親の真似をしてご飯を貰い、食べていた

 

 

 

そのうちひとりでやってくるようになり、魔女にご飯の要求をするようになる

 

 

 

どうやらひとりだちをさせられたようで

 

 

 

《しゃま》はこうして毎晩魔女を待った

この時はまだ《たんぽぽ》たちのいるこの下の駐車場には足を踏み入れなかった

 

 

 

《たんぽぽ》や《ふぁふぁ》たちが優しかったので、《しゃま》は彼らのいる場所に降りた

と、同時にひとりだちで淋しくなった《たてがみ》も、弟を追ってここにやってきた

 

既に魔女に撫でられるようになっていた《しゃま》

しかし兄の《たてがみ》は臆病で、世間知らずであったので

《しゃま》はこの場所で甲斐甲斐しく兄の世話をやいた

 

 

ある夜、《たてがみ》が食後に 「みずを のみたい」 と言った

水溜まりの水飲み場まではちょっと遠くて・・

 

すると《しゃま》は

 

 

 

しゃま 「おにいちゃん みずなら ここにも あるんだよ」

 

 

 

たてがみ 「そんなとこに みずが あるわけないよ!」

 

しゃま 「みてて」

 

 

 

ぺちゃ べちゃ べちゃ

 

 

 

たてがみ  (ほんとだ・・)

 

 

 

この後、《しゃま》は兄に、地面に立っているスチールパイプにも水が溜まっていることも教えていた

 

 

 

初めての食器が怖いという兄に

《しゃま》は

 

「おにいちゃん ごはんはね こーゆーのに いれて じょーひんに たべるんだよ」

と懸命に教えた

 
 

 

《しゃま》おかげで食器からご飯が食べられるようになった《たてがみ》

 

 

 

 

地面に落ちていた雑誌を見つけたたてがみ 「これは なあに?」  

 

しゃま 「それはね にんげんが じーっと みるものだよ」

 

 

 

たてがみ 「こやって?」

 

しゃま 「そう」

 

 

 

《しゃま》は非常に利口な子供で

《たてがみ》は《しゃま》にいろいろなことを教わりながら、共に成長していった

 

 

 

《たてがみ》

 

 

 

 

《たてがみ》

 

 

 

 

《しゃま》

 

 

 

ふたりはいつも一緒だった

 

共に食事をし、一緒に小さな探検をし、日々を楽しく遊んだ

 

 

 

しかし・・

2017年春、突然《たてがみ》が姿を消す

 

 

 

《しゃま》は淋しくてならず、魔女がどんなに慰めても毎日悲しそうだった