とらたんの猫生 Ⅵ ~ 駐車場 から魔女家へ ~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

 

季節は冬に向かい

広い駐車場に北風が吹きすさぶようになった頃

《とらたん》の体調が悪化します

 

 

この日

いっとうしょうどころか、みんなからだいぶ遅れてよろよろとやって来る《とらたん》の姿を見る事になります

何も食べてはくれず、ただ魔女にだかさって辛そう

具合の悪さはその表情からも一目瞭然でした

 

用意していた薬を飲ませようとしたことを嫌がり

《とらたん》は魔女の膝を降り、近くの車のエンジンルームに入りこんでしまいました

 

 

折しも明日は雪の予報

ここには置いておけない

 

魔女は家族②に家からキャリーバッグを運んでくれるよう頼み

車の下に潜り込んで、エンジンルームの中の《とらたん》に呼びかけます

 

私の両隣には不安顔の《たんぽぽ》と《らぶ》がおりました

 

 

必死で呼びかけ続けていると

《とらたん》が出て来てくれました

 

それから《とらたん》は魔女に抱かれ

キャリーバッグに入れられ

ずっと待っていてくれた家族②の車へと運ばれます

 

《とらたん》が入れられたバッグを不安そうに見上げながら

《たんぽぽ》と《らぶ》がついて来ます

 

そんな《たんぽぽ》と《らぶ》に私は

《とらたん》が元気になったらまたここに戻ってくるからね

そう告げましたが

 

後に・・ それは叶わない約束となってしまいます

 

 

 

 

 

 

重態の《とらたん》はアトリエでひとり、闘病生活を送ることになります

 

病院での治療を続け

家での薬、食事

魔女は必死でした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一旦良くなったと思うと、また不調に

そんなことを繰り返しながらも

《とらたん》は次第に回復を見せてくれます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アトリエでひとり暮らす《とらたん》を、《インドラ》が毎日見舞います

まだ本調子ではないので、《インドラ》には窓越しでね、と言ってありました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初はちょっと驚いていた《とらたん》ですが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして1日に何回もお見舞いに通う《インドラ》を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《とらたん》は楽しみに待つようになります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして《とらたん》は元気になりました

 

 

 

 

 

 

 

けれども

《とらたん》を外に戻すには嫌な予感しか付きまとわなかったのです

 

《とらたん》の口の中の様子がおかしい

外に帰せば、また同じような状態になってしまうという・・ 

そんな確信めいたものを私は感じておりました

 

 

《とらたん》にはここで暮らしてもらうしかない

そんな思いで

 

《とらたん》の体調が戻ったところを見計らって

血液検査と去勢手術を病院にお願いし

麻酔が効いている間に口の中を診て欲しいと頼み

これまでの診察から、当然先生もそのつもりであったのです

 

 

血液検査の結果、エイズ、白血病は陰性

 

しかし・・

 

口内には腫瘍が点在し

舌もまたその付け根から癌に冒されていることがわかったのです

 

 

《とらたん》はもう長くない

覚悟を・・

私はそう告げられてしまった

 

 

 

それは2016年が終わろうとしている時で

年開けに《とらたん》は軍団のいるリビングに移ります

 

 

 

 

 

 

《とらたん》はそこで懐かしい《ふぁふぁ》と久しぶりの嬉しい対面を果たし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ユリぼうず》に抱かれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラス越しでない《インドラ》とくっつき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相変わらず魔女にも甘え

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍団のみんなとも仲良く暮らしました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、昨年の暮れに《ユリぼうず》が失明してしまってからは

片時も《ユリぼうず》の側を離れず、見守り続けてくれたのです

 

 

 

 

 

 

あの時、残り少ない命といわれた《とらたん》は

 

ここで1年5ヶ月と15日を生きました

 

ご飯をちゃんと食べ

ここで日記も言い

《らぶ》にお手紙も言いながら

楽しく暮らしている《とらたん》を

 

私はほんとうに病気なのだろうかと疑ったものです