昨夜
《とらたん》は逝ってしまった
昨日は朝からもう立てず
立って歩こうとしても倒れてしまうような状態で
魔女を呼ぶ声もかすれたように小さくなっておりました
《とらたん》が行きたそうなところへは私が支えて行きました
息を引き取る少し前
《とらたん》はゆらゆらと立ち上がり、どこかに向かおうとしてその場に倒れてしまいます
再び起き上がる《とらたん》を支えながら、思う方向に向かいますと
そこはトイレでした
《とらたん》はトイレの前で崩れるように臥せってしまいます
ここまで来るのも辛かったのでしょう
暫くすると《とらたん》は這うようにしてトイレに入ります
そうして渾身の力で揺れるその身を支え、少しばかりのおしっこをしました
垂れ流してくれて構わないのに・・
なにも最後まできちんとしなくてもいいのに・・
夕方
まじょねこ軍団が申し合わせたようにこたつに入ります
普段こたつに入らない子も全員です
いったいどいうことかと訝しく思っていたら
いつもの場所にこもっていた《とらたん》が必死に立ち上がり
一歩一歩を踏みしめて、倒れそうになりながらもこたつに向かうのです
急いで体をささえる魔女
こたつまで辿り着いて、こたつふとんをめくると
《とらたん》は軍団の待つこたつの中へ入って行きました
軍団に囲まれ、魔女の膝元に横たわる《とらたん》
それから暫くして・・
《とらたん》は最期の時を穏やかに迎えました
それを見届けると、軍団はこたつから出てゆき
めいめいがお気に入りの場所に戻って、静かにうずくまりました
痙攣もなく
ほんとうに安らかな最期でした
あの痩せ細った体で
虹の橋を渡れるのか
魔女は心配でたまりません
《インドラ》、先導を頼むね
ネバーランド軍団のみんな、お迎えを頼むね
みんなで《とらたん》を支えてあげて
どうか《とらたん》をよろしくお願いします
《とらたん》は、ほんとうに一生懸命生きたから
うんと、うんと褒めてあげてください
強い子だったね！ 偉かったね！
って褒めてください