読者の皆様、聞いてくださいよ！
それは昨夕のこと
外出から戻って車から降りたら
何かが車の下に何かが潜り込むのが見えた
しゃがんで、車の下を覗き込んだら、《かって》らしき猫がうずくまってる
呼んでみた
《かって》は気が小さいので決して触らせないけど、言うことは聞く
それで、のそのそと出てきた《かって》を見て驚いた
毛は尻尾の先までボッサボサのパッサパサ
方耳は折れ
その顔は憔悴しきっていて
片目は開かず、もう片一方は瞬膜が眼球の半分ほどを覆っていて
両眼とも目ヤニが甚だしい
よく見ると体中に傷もある
それは薄暗がりでもわかった
ふらついているようにも見える・・
《かって》の顔はこのブログでみなさまご存知だと思うけれど
だいたい目を瞑っているでしょ
でもあれはフラッシュが眩しくて目を瞑っちゃうのであって、平素よりあんな顔をしているわけではないのよ
魔女 「《かって》、いったいどうしたの！」
かって 「・・」
魔女 「何があったの！」
かって 「・・」
魔女 「《かって》！ いったいどうしたの！！ 大丈夫なの？！」
すると《かって》は・・
うぉん
うぉん と体の奥から搾り出すような声をあげて泣き出した
魔女はもうどうしたらいいか分からず、とにかく声を掛け続けた
暫くそうしていて・・
《かって》はうっすらと開く片目で魔女を見上げ
「ご・・ ご・・ ご飯をくださいぃぃぃぃ～」 と小さな声で言った
ご飯を食べる気力はある・・
魔女は家に飛び込んで、てんこ盛りの缶詰と、やはりてんこ盛りのドライフードをそれぞれの食器に入れて洗面所に運び込んだ
そこではぼろぼろの《かって》が既に待っていて
非常に怯えながらも食器に顔を突っ込んだ
いったい《かって》の身に何が起こったんだ
最近大きな雄猫が大声で喚きながらそこらをうろついている
《かって》の子供たちもそれが恐ろしくて食後はすぐに洗面所からいなくなる
喧嘩なのか・・
それにしては体のいたるところに傷があるのは変じゃないか
それだったら主に顔や頭部が負傷するはず
瞬膜が被っているところをみると病気か
それならどうして傷だらけ？
何を訊ねても《かって》は 「わからない・・」 「わからない・・」 の一点張り
そういえばその前日は《かって》の姿を見ていなかった
夕方子供たちだけでやってきたから 「おとうちゃんはどうしたの？」 と聞いた覚えがある
子供たちは互いに顔を見合わせ、「ちらない」 「ちらない」 と言ってた
何があったんだ・・
《かって》になにが・・
《かって》はウェット、ドライ、両方とも凄い勢いで完食した
この食欲は、一応ながら魔女をほっとさせた
食事を終えた《かって》が顔を上げ
とてつもなく情けない顔で私を見詰める
え・・
え・・
えええーーー！！！
《かって》・・
そ、その耳・・
きょ、きょ、去勢されたの！！！！
どこのどなたに致されたのかは知りませんが
有り難いやら
刹那であるが可哀想やら
《かって》・・
いいから
もう忘れてしまいなさい
夜になって
《かって》は再び子供たちと一緒にやって来た
《かって》を取り囲んだ子供たちが
さも心配そうにとうちゃんに寄り添い
まるでぶち負かされた試合後のボクサーのようになってしまった《かって》の顔を見上げている
こちらはいつもの《かって》
今の《かって》はとても写真には写せない