それはこんな月の夜のことでございました
かって一家の夕食にはまだ早い時間
洗面所を覗くと何やら不穏な空気が・・
《どったん》が驚いたように何かを見つめていて
《ばったん》と《らっか》が目を見開いて魔女をみつめる
《どったん》が見つめる先・・
そこには２ヶ月半振りに現れた母親、《ちゃっか》がカリカリをガッツク姿が
実は、《ちゃっか》は２ヶ月振りに戻って来て魔女に見つかったあの日から
《かって》や《うっか》、子供たちの姿がない時間を見計らってはご飯を食べに来ていた
この日も、子供たちが食事にやって来る前に来たつもりが
図らずも、《かって》を待ちきれない子供たちが自分たちだけで早めに来てしまったのだ
※ 洗面所には何時誰が来てもいいように常にカリカリが置かれている
２ヶ月半振りの母親を見ていた《どったん》が洗面台に飛び移って、
食事する母親を間近で見つめる
どったん ・・ ・・
ちゃっか 「なによ！」
どったん （なによ！ って いわれた・・）
ばったん （わたちたち おいってた くしぇに・・）
らっか （なんで いまごろ かえってきたのさ）
らっか （おかあちゃんなんて いなくていいもん）
《ちゃっか》は食事を終えると、子供たちを突き飛ばすようにして出て行った
その後、いつもの時間に《かって》と《うっか》がやって来た
たぶんこのふたりは、最近《ちゃっか》が戻って来て付近をうろついていることを知ってる
うっか 「《ちゃっか》のにおいするわ！」
かって 「気にするな・・」
どったん 「ぼくたちは とうちゃんが いれば いいだもん」
うっか 「わたしは！」
どったん 「あ、もちろん おばちゃんもだよ」
どったん （だって かあちゃんは ぼくたち おいってたんだから！）
こどもたちはもう 《ちゃっか》には未練がないようです
それからも毎日、かって一家は５にんで仲良くご飯を食べに来ております
《ちゃっか》は相変わらずその合間にこそこそやって来ては大急ぎでご飯を食べておりますよ