拝啓《たんぽぽ様》 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

はいけい 《たんぽぽ》さま

 

 

 

 

 

 

 

お元気ですか

あたたかかったり さむかったり

《たんぽぽ》たちは きついだろう

 

 

 

ずっと前から

このいえの外に花があります

うめっていう なまえだって

花に 名前あったんだね

 

うめは いいにおいです

うめの においで おれ、思い出したんだよ

 

 

 

おれたち かじゅえんで うまれて 大きくなった

 

かじゅえんは このくらいの時になると

うめの いい においがしたな~

 

たくさんの 花がさいて

きれいだったな~

 

花の中で おれら あそんだ

きょうだい みんなで たのしかったな

 

かあさんは いつも きちんと おれらを みはっててさ

大きくなるまで ちゃ~んと そだてたね

 

 

まじょが まいにち ごはんを持って来て

おれらは きゃあきゃあ言って 出むえてさ

まじょが かえる時も み~んなで送ったもんだ

 

《たんぽぽ》、おぼえてるか? あのころのこと

 

 

 

ずっと かじゅえんに すんでて

それから どうして ちゅうしゃじょうに うつったのか

おれ、おぼえてない

だけど それには なにか わけがあったんだ

 

 

 

まじょから おれらが 生まれて そだった かじゅえんが なくなったこと 聞きました

 

おれらの 思い出は 花のにおいと

風で花がおちる時 み~んなで はしゃいだことや、 木の下でひるねしたこと

さむい時はさ、 木の下のとこ ほって むし食べたり 

まだまだいっぱいあるけど 

それはもう 心にあるだけになってしまったんだな

 

おれらのように かじゅえんで いっぱいのねこが 生まれて

・・いっぱいのねこが そこで うごかなくなったのを 見てきたよね

 

 

たのしいこと

かなしいこと

いろんなことあるけど

 

《たんぽぽ》、毎日元気にしてください

 

それから 《ぶす》に ありがとう、って 言ってくれ

 

《ぱんぽぽ》が ひとりじゃなければ おれは あん心

 

 

 

 

《とらたん》は元気です

 

今、ここのねこたちを かんさつ中だ

 

ひるまは からすが いるから おりから 出ないと言ってる

 

ここは ちゅうしゃじょうじゃないのにな

 

 

あそこで 人間にどなられたり おっぱらわれたり からすに つつかれたりしたことが

《とらたん》には わすれられないんだろう

 

でも、いつか わかるよな

ここにいたら あんぜんだってこと

 

 

 

 

おれ、さいきん 気づいたんだけど

いつの間にか 毛を むしらなくなってたよ

 

まじょが 毎日 ぶらしん してくれたら

体が かゆく なくなったんだ

 

だから また 毛が いっぱいに なってきたぞ

 

 

 

 

《たんぽぽ》、もうすぐ あたたかの日が 毎日になるの わかるよね

 

そしたら らくになるから

ちゃんと《ぶす》といっしょにいるんだぞ

 

 

ふぁふぁ

 

 

 

 

 

《ふぁふぁ》からのお手紙を聴く《たんぽぽ》

           

 

 

 

 

 

                真剣な顔で《たんぽぽ》と一緒にお手紙を聴く《ぶす》