のらねこ物語  ~住宅部東 駐車場の《たんぽぽ》~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

 

 

住宅部東の駐車場はすっかり淋しくなってしまいました

 

壊された家から出された猫たちはある日を境に一斉にいなくなりました

その夜、建替えられた新築の家には灯りが灯っていましたから、みなそこに戻ったようです

家が壊されたのはどうやら建替えだったようで

飼い主が仮住まいの間、飼っていたねこたちを駐車場に放していたということだったのです

 

わけもわからずいきなり外生活を強いられた飼い猫たち

外生活の中で《はるこ》は妊娠し、子供を産み、子供を亡くし、行方不明になってしまいました

さらにもうひとりも行方不明

世間知らずで人懐こい《なつお》は、のらの雄猫に襲われた傷が完治せず、痛々しい姿になってしまいました

 

 

 

《とらたん》がいなくなって以来、《らぶちゃん》はほんのたま~にしか姿を見せなくなりました

 

 

 

 

 

 

《ぶす》はここ半年は放浪していまして、たまに姿を見るくらいです

 

 

 

 

 

 

 

今、駐車場には《たんぽぽ》がひとりで暮らしています

 

 

 

 

 

 

5年前

この駐車場は賑やかでした

 

母親の《こだくさん》に率いられて、《ふぁふぁ》、《たんぽぽ》たち5にんのきょうだいと、引越しでここに置いていかれて《こだくさんファミリー》に加わった《つんでれ君》たちが活き活きと駆け回っていました

 

しかし年月が流れ、きょうだいはひとりずついなくなり

《こだくさん》はその後の何回もの妊娠、出産で居を移動し

《つんでれ君》はここをうろつき始めた雄猫を嫌って公園へと引越し

 

駐車場には《ふぁふぁ》と《たんぽぽ》だけが残りました

 

そこに流れ着いた《とらたん》が加わり、3にんでの生活が始まりました

 

そうして・・ 

これまで書いた事情により、《ふぁふぁ》と《とらたん》は魔女家に引き取られました

 

 

ひとりになってしまった《たんぽぽ》は、毎晩魔女が来るのを楽しみに待ちます

最近は道路の近くまで出向いて待っていてくれるようになりました

 

 

昨夜は金星が大きく美しく輝やいていて、月も綺麗でした

 

魔女は広い駐車場の片隅で夜空見上げながら

《たんぽぽ》のお手紙を聴きました

 

 


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はいけい ふぁふぁさま 

 

 

おげんきですか

 

たんぽぽ、なんども ふぁふぁに はいけいの おてがみを したのに どうして おへんじ くれないの?

 

まじょに きいたら ふぁふぁは いま とらたんが きて ちょっと こころが ぐちゃぐちゃだから ごめんね、って

 

どうしたの? 

とらたんと なかよしでしょ

 

ふぁふぁが げんきにしないと たんぽぽは かなしいです

 

とらたんのこと おねがいします

 

たんぽぽは げんきだから だいじょうぶです

さむくても ぜんぜん へいき

 

だから ふぁふぁも げんきに してください

 

もいちど とらたんのこと おねがいします

 

ふぁふぁの おへんじ ずっと まってます

 

たんぽぽ 

 

 

 

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はいけい とらたんさま

 

 

びょうきは どうですか?

 

まじょが とらたんは とっても げんきになったよ、って いいました

 

よかったね!

 

でも まだ ちゃんとなおってないから まじょのとこで くらす、って

 

そうしたほうがいいです

 

ここは さむいし ちゃんとねるとこないから とらたん きたら きっと また びょうきになるよ

とらたんは からだが よわいから まじょの ところに いたら いいです

そのほうが とっても いいです

 

 

とらたん たくさん ごはんたべて びょうきを おわってください

 

そして しあわせに くらしてください

 

 

たんぽぽ