《凜》
説教しようとした魔女は、《凜》が動けないのを見て慌ててたみたいです
《凜》は ハアハア ハアハア しか言えません
魔女が《凜》の耳を触って、 めっちゃ熱い!! と叫びました
その後のことは覚えていません
そのまま1回寝て、《凜》はバスケットに入れられ、車に乗せられました
その後のことはよく覚えていません
ただ、いっこだけ
鳴きわめいたことだけ覚えてます
※ そこは動物病院で、念のため血液検査をしまして、先生が胸の上部から血液を採ろうとしたところ、「そこは嫌だ!!」 と鳴き喚いて抵抗していました
《凜》はご飯も食べたくありません
水も飲みたくありません
もうそっとしといてください・・
魔女
それはやっとの思いで《チャンドラ》を捕獲した翌々日のこと
夜中に戻って来た《凜》は恐ろしいほどの高熱を出していた
息の荒さから、そのお腹は大きく激しく波打っている
翌朝一番に病院に連れて行って
あまりに具合が悪そうなので治療と共に血液検査もしてもらった
リンパ級数が異常に少ない
通常1.500~7.000あるがずが300しかないのだ
これはリンパ性白血病か、ウィルス性、又はアレルギー性疾患か・・
とりあえず注射を打ってもらい、薬を貰って帰宅
しかし《凜》高熱は治まらないし、当然食事も受け付けない
熱は2日で引き始めたものの
《凜》は飲まず喰わずのまま、ぐったりとした5日間を過ごした
その間はリビングの隣室で隔離生活
夜は魔女が一緒に寝る
《凜》を心配して少しの隙間から隣の部屋を覗く軍団
ひな 「《りんちゃん》苦しそう・・ 大丈夫かな・・」
そうして一週間が経ったころ、ようやく少しずつではあるが水と食べ物を口にし始め
その後は一気に回復に向かった
それにしても 次から次へと問題が生じ
まったく気の休まる暇のない日々だ
《凜》
病院ってなんですか!
知らない人がいるじゃないですか!
しかもやたら触るんです! (それが仕事だから・・)
そして針まで刺すんですよ!!
しかも胸にっ!! (それも仕事だから)
おっそろしい! どーゆーことですか!!
病院慣れしたユリぼうず 「あ、それ注射ね、または採血」
凜 「あそこに車とめるのはわかるけど、どうしてあそこで賛成とか反対とか確認するんですか!」
ユリぼうず 「あ、病院ってそういうとこよ」
ジンジン 「そうじゃないだろうよっ!」
凜 「ありえませんよ、あーゆーの!」
インドラ 「でも、病院はそうやって病気を治してくれるとこだよ」
凜 「なんで!」
インドラ 「なんで、って・・ 僕、それで病気が治ったもん」
凜 「あぁ、あの意味不明の集団病気の時ね」
※ 意味不明の集団病気(感染)=去年の秋から冬にかけて、のらねこ軍団を襲い、多くの命を奪ったウィルス感染症がネパールから帰ってきた魔女を愕然とさせた
私はまだ生き残っている感染猫たちを家に連れ帰り、彼らを魔女家に隔離して病院治療をした
当然まじょねこ軍団とは部屋を別にし、感染猫たちを看病する時は衣服を替え、手などの消毒も怠らなかった
・・それなのに まじょねこ軍団は感染したのだ
それは個々にいろんな形での不調で、吐き続けるもの、食事を摂らなくなるもの、まったく元気を失くすもの、などであった
空気感染のウィルスだったから、ある程度は覚悟していたが
のらねこ軍団とまじょねこ軍団を交互に日に、1~2回病院通いが続いた
バニャ1号 「そういえばあの時、病気にならなかったの《凜》と私の妹(バニャ2号)だけだったんじゃない?」
バニャ2号 「あら、姉さんだって病院には行ってないじゃない」
バニャ1号 「あの時私だってうんと具合悪かったのよ、《ボンネット》とふたりでずいぶんと吐いたんだから」
ユリぼうず 「その点、《凜》は強いよね、これまで病気したことなんて一度もないんだから」
ひな 「そんな《りん》が、いったいどうしたんだろうね・・」
凜 「だから言ってるじゃないですか!」
ジンジン 「なに・・?」
凜 「お化けだって!」
軍団 「・・」
ユリぼうず 「そりゃそうだろう! この《凜》が通常の手順で病気になる筈がないもんねぇ」
凜 「なんですか! 通常の手順って」
ユリぼうず 「だ~か~らぁ お化けが原因、ってこと」
凜 「そうですよ、お化けです」
ジンジン 「でもさらに強いのがいるぞ」
凜 「誰ですか!」
ジンジン 「《チャンドラ》だ! だってあいつ、何日もお化けと一緒にいたんだろ」
凜 「・・凄いです」
と、いう訳で、今 《凜》は元気で家の周りを飛び回ってます
・・でも
昨日門限破りして
今日はデキンです
だけど、もうお化け屋敷には行きません
なんたって 熱が出ますからね