野良猫物語  ~人間との共存~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

この一年

いや・・ もっと前から

野良猫たちにも色々なことが起こった


2年前の春のこと

その時のことはここでも書いた


《すがりつき君》と《オッドアイタ君》が計画してくれたサプライズパーティー


ひとりも欠けることなく冬を越し、春を迎えたことをみんなで魔女に伝えてくれたあのパーティーを・・ 

私は一生忘れない


全員が参加してくれたあの夜のビックリパーティー



あれから2年が経った

今、果樹園部には《オッドアイタ君》、《可愛い女の子》、《パッツンちゃん》たちの姿はない


公園部からは《虎丸》の母親《みけ母さん》の姿が消えた

《ミズニー》も住宅部から公園に来なくなった


他にも多くの子の姿がなくなった


果樹園部と公園部で姿を見せるのは、殆どが雄だ

春の騒ぎも少なくなった





       
                     《すがりつき君》



《すがりつき君》たちが言うには

人間がやって来て、猫が籠に入れられ、どこかに連れて行かれて何かをされ、公園に戻った子のいれば、中には戻らなかった子もいるとのこと


人間に懐くのは男の猫が多く

多分だけど、《ちずのすけ》が最初だったようだ


《すがりつき君》もまた、同じようにしてどこかに連れて行かれ、またここに戻って来たという

《キリット君》、《黒丸》、《キリット君》、《ツンデレ君》たちも同様だったらしい




                      《ツンデレ君》



その中には《ミズニー》のように女の子もいて

籠に入れられて連れて行かれる時の騒ぎから

用心深い女子や、気の小さい子は恐ろしさのあまり、どこかに逃げてしまって、以来二ここにはやって来ないという



動物愛護のボランティアの方々がいらしていたのだ


実はこの話を私はだいぶ以前に《すがりつき君》から聞いていた

去勢、避妊をされた猫の数は昨年は多かったように思う


本能から若くして発情し、雄猫に追い掛け回され、子を産み、子を失くし、運良く残った子苦労して育てる女の子は可哀想だった


若い子だけだはない

不遇の中で年に2回も子供を産む雌には苦労が絶えない

彼女たちは飼い猫の何倍も早く年を取り、早死にをする




                       《こだくさん》



何匹かの子供を産んでもその全てか、殆どを飢えたカラスを始めとする外敵に捕食される現実

森の中では到底全員は生き残れない

1匹生き残れば良い方だ


その残った子を母親は死にもの狂いで守りながら暮らす

子育ての間はまともに眠ることも出来ない

常に聞き耳をたて、危険を察知すれば子を咥えて新しい住処を求めて転々と移動する日々


少し大きくなったからといっても、決して気は抜けない

常に動き回る子に神経を集中し

まるで行き急ぐように、生活の術を教えながら母親は日々を送る


そうして秋になれば仔猫は早くも独り立ちして初めての冬を迎えることになる



私たちのこんなにも身近に強いものだけが生き残る世界がある


小さな森に人間社会から追われた生きものが暮らせば

こういった生活を強いられる


狭い土地に、たくさんの生きものが逃れるようにひしめいて暮らすのは悲惨だ


自然が広がった世界に生きものが点在するなら

彼らはの落とす命は少なく、悠々とした生活が送れるはずだ



そして今

春が近ずきを感じさせる日差しの中で

これまでとは違ってのんびりと日向ぼっこをする《すがりつき君》や《ちずのすけ》たち

そしてもう雄猫に追い掛け回されることもない《おかん》や《サンボ》の姿を見ていると

昨年までの慌しい季節が嘘のように思える



        
                       《サンボ》


狭いところで、人間に囲まれて暮らすならこれも致し方ないと思う



願わくば

彼ら生きものを、人間の手の届かないところで自然のままに暮らさせてやりたい


ある意味厳しい生活になるかも知れないけれど

それでも今よりはずっと活き活きと暮らせれば何よりだ


人間との共存のために

生きものの本能を奪わなければならない環境は・・ 悲し過ぎます