魔女
今年から絞りすぎさんのレストランをお借りして絵画教室を始めることになって
今日はその初日
朝起きた時は雨だったが、出かける時にはそれが雪に変わっていた
道具もあったので車で出かけたはいいが、停めておいた車はあった言う間にすっぽりと雪に覆われ・・
初日がこんな天気で・・ さすが魔女さんだわ と皆さんに褒められた
褒められてる場合じゃないよ
ここは大通りから入った住宅地だけど、そこでもちょっとした坂道を登れない車が立ち往生
生徒の方の携帯には、娘さんから大通りの様子が伝えられる
その情報から、車での帰宅をとっとと諦めた魔女は絞り過ぎさんの計らいで近くの駐車場に車を置いて帰ることにした
仕事を終えてから駐車場の雪かきをし、人の手まで借りてどうにかそこに車を移した
途中地下鉄もあるが、面白そうだから家まで歩いてみた
そんな帰り道2車線の通りの左側には乗り捨てられた車
残った1車線には身動きが取れなくなった車
だから遥か向こうまで連なっている進めない後続車たち
側道に入ろうとして雪に乗り上げ動けなくなった車が行く手を阻み
道の真ん中でトラックがハザード点灯し、停車中
後続車はしどろもどろ
大変だぁ~
そして何より驚いたのが歩行者
みなさん歩くの下手過ぎ!
滑るのが怖いのか、歩き慣れてないのか
ヒトの構造上有り得ない歩き方をしている
私はこんな雪道でもスキップできるぜぃ♪
スキップでみんなを追い越しちゃうもんね~♪
そしたら目の前で転んでたおばちゃんに
「あなた、危ないからおよしなさい!!」 と叱られた
向こうから女子高生の一軍がやって来た・・
彼女たちは黙って歩くことが不可能なのか、口々にどーでもいい言葉を発している
「冷た~い!」 当たり前だろ 温かい雪があるか!
「怖~い!」 超ミニ足丸出しのあなたの出で立ちの方が余程怖い!
「痛~い!」 いったい何が痛いんだ!
「止んで~!」 おのれ・・ 主語がないぞっ!
女子高生、キャーキャーうるさい!!
家までもう少しの丘の上では轟々と風が吹き荒れ始めた
レストランを出てから1時間
家に着いた
ふつうの日に歩いて掛かる時間とほぼ同じ
そうして部屋のドアを開けると
ドアの前で待っていた軍団がしがみついてきた
非日常が不安だったのかなぁ
子猫軍団にとっては初めての雪、然も大雪
みんなを交代に抱っこして安心させ、彼らが落ち着いたところでテラスのドアを開けて外を見せた
するといきなり《インドラ》が外に飛び出した
そうして雪の上を疾走・・ 感覚鈍い?
これ、全部《インドラ》の足跡 本猫が疾走しているので写真撮影失敗
その後を追った《ひな》、暫し呆然としたこの後、いきなり大声を張り上げて泣き出す
大声で泣く《ひな》を抱きかかえ、部屋に入れる
《ひな》は魔女にしがみついて泣き続ける
そこへテラスから戻った《凛》が歩み寄り
「《ひな》はまだまだですね!」 と大威張りしたものだから
《ひな》、更に大声で泣き出す
一方《インドラ》は・・
雪の上を駆け回る
その素早さは・・ まるでオコジョのよう
そんな魔女家の部屋の中では・・
外の様子がよほどショックだったのか、水系合戦で《凛》に負けた悔しさからか・・
《ひな》は尻尾を巻き込んで涙目状態
もう外はすっかり暗くなり・・
やだ! 《インドラ》をテラスに出しっ放しだった!!
・・暗い中、まだふざけて走ってた
強い子だな
ジンジン 「鈍い子なんじゃない?」