私たちは丘を下って寺院に向かった
ようやく寺院が開き
先ず私たちが向かったのはチベット密教寺院ギョラムキ グンバだったが
ここでの話は明日書くとして
今日はその後に訪ねたムクティナラヤン ヒンドゥー寺院でのこと
一応ヒンドゥー教の信者であるラクちゃんは、ここにお参りし、プジャを授けてもらうつもりだった
そのために彼は村はずれでプジャのために必要なもの一式を買っていた
それは花だの紐だのティカだので、儀式に使われる
信者でない私たちは本堂に入れないため、門の外で待つ
が、寒いね ここ
私たちは正面から門の中を覗いたり、側面から覗いたりしてラクスマンの様子を眺めた
聖地ムクティナートを目指してやって来た信徒たちが
神の祝福を授かる順番を待っている
その中に混じってラクちゃんは無口だ・・
無口・・?
周りの誰にも話しかけていない
どうしたラクちゃん! 神様が怖いのか?!
確かにヒンドゥーの神様は怖いけどね
破壊したり、暴れ狂ったりと・・
でもやはりラクちゃんは落ち着き無く
何度もこちらを振り返ったり
手招きして私たちを呼び、そこにある何かを説明しようとした
だからちょっと無視した
寺院の壁に掛けられた鈴の数々
そんな中
ヒンドゥー教徒が沐浴を始めた
寒そう・・
やっぱそうしないと穢れが落ちないの?
なら穢れたままでいい、って思っちゃう私はやっぱりダメな人
この周囲は凍っているんです
・・ラクちゃんもこれをやるのよね
よし! バッチリ写真を撮ってあげよう、っと!
魔女 「ラクスマンもこれから沐浴するんでしょ」
ラクちゃん 「しないよっ!!!」
魔女 「水に入ってよ! 写真撮るんだから」
ラクちゃん 「いったい何を言い出すんだ・・ バカ! バカ!!」
ラクちゃんが沐浴しないって
非常に残念だね・・
ラクちゃんは神様からプジャしてもらったジャナイ(聖なる紐)の束を取り出し、私たちの首に掛けてくれた
私たちにも神様の祝福がありますように、って
残り紐はカトマンズに持ち帰って家族や親族に授ける
そんな私たちの様子を朝のヒマラヤが静かに見つめていた