これまでも、ダルバートを始め、チベット料理、ネワール族の料理、祭りのための料理など、様々な料理を紹介してきたが
路地裏の食べ物、これがまたなかなか旨いのだ
私はマチンドラからホテル迄の帰り道を、人通りの多いメインの道から、ところどころ細い路地に入ってショートコースを辿る
カトマンズには人ひとりが通れるくらいの路地が家と家の間にあって
それは至るところに張り巡らされた迷路のようなものだ
ネパールの人はどちらかというと背が低め
ちょっと背が高い私は屈まないと至るところでおでこをぶつける
セクワ
迷路の途中の小さな空き地や路地で簡易飯屋に出会うことがある
どっぷりと日も暮れ、ホテルへの道を急ぐ途中の暗い路地裏
早足にそこを2メートルほど通過し・・ 私は止まってしまった
いい匂いが追いかけて来るじゃないか・・
これでは足が前に進まないじゃないか・・
私は匂いに引き戻されるように、後ろに向きの体勢のまま今来た路地を戻っていた
それはまるで映像を逆回しにしたようだったのだろう
そこにたむろしていた人々が一斉に笑い出した
立ち飲みの客が、 「いい匂いだろ!」 とか、 「ここの串焼きは最高だよ」 とか 「安いから買ってきな!」 と声を掛けてくる
そんな中で、肝心なここのおっちゃんは、ただ黙々と炭で肉を焼いている
マチンドラからの帰り、いつも通っているこの道
昼間はただの寂れた路地だが、夜ともなると地元の人々がやって来て賑やかになる
おっちゃんが路地端で焼くセクワという串焼きの奥には、何人もの男がセクワをつまみにロキシ(ネパールの酒)を飲んでいる
陽気に声をかけてくるのはこの客たちだ
しまった、シクった・・
ママの家でダルバートを食べてきちゃったよ
でも・・ 別腹よね
ということで串焼き注文
おっちゃんは焼くのに忙しいから、客のあんちゃんが手際良く焼けた肉をチョイス&野菜をトッピング
こういう風景はそこかしこで見られる
馴染みの客が、忙しくて手の廻らない店を手伝ったりするのがここでは常識なのだ
通常ネパールでは牛肉は口にしないので、牛系は須らくバフ肉になる
日本人は霜降りの柔らかい肉を好むが、私は弾力があって固めのバフ肉の方が好きだ
いやあ~ シンプルな塩味の加減が最高!
これで10ルピー(¥11)
小腹が空いた人は、別に焼いてあるロティーにこの串焼きを挟むとメチャクチャ美味しいスナックになる
以前書いた屋台のパニプリもサモサもイケるが、このセクワは格段に旨い
外人がやたら敬遠する パニプリ
さて、作っているところを見ただけで外人は口にしないパニプリ
大抵路上の屋台で売られている
プーリの一種で直径3~4cm位の皮の薄いボール型、中が空洞に揚げられたものの先部分を割り
そこにマサラ味のじゃが芋と、コリアンダー味の酸っぱいスープを入れたもの
なんじゃそりゃ~! 想像つかん! と言われそうな・・
だけどホントにそんなもの・・ なんだもん
路上で、おじさんが自転車の荷台に大きな筒鍋みたいのを乗せて、その中でスープを作る
スープの味の素になるコリアンダーやら何やらを筒鍋にぶっこんで
そこに、沸かしてあるんだかどうだかわからない水を・・
どんだけ使い続けてるんだか・・ すっかり不透明になってしまっているペットボトルからジャバジャバ注ぎ入れ
きれいなんだか汚いんだか分かんない手を突っ込んでバシャバシャと散々かき混ぜ・・
そうやって作ったスープをマサラ味のじゃが芋を入れたプーリに注ぎ込んで・・ 出来上がり
それをちゃんと洗ってあるんだかないんだか分かんない皿に乗っけてもらって食べる
皿にこぼれた酸っぱい汁は、最期に皿を持ち上げて口へと注ぐ
それがパニプリ
そして私は病みつき・・
みんなで 「美味しいね!美味しいね!」 と言いながらどんどん食べちゃう訳なんだけどね・・
【2008年11月の記事から】
パニプリはレストランにもたま~にありますが
絶対路上屋台のものの方が美味しいです
マサラ パパド
もうひとつ好きなものにマサラパパドがある
これはラクスマン&デイブの店で酒のつまみに出されるもので・・
※ 魔女はお酒は飲めません
飲むのは日本酒がお好きなこの店のおバカ経営者たちです
パパド(豆のせんべい)はそのまま焼くか揚げるかしたものが、食事やつまみに良く出されるが
これはその上に辛い具を乗せたマサラパパド
乗っているのは生の人参、大根、玉葱、グリーンチリをみじん切りにし、レモン汁、塩、マスタードで合えたもの
結構辛いです
この他にも、暑い日は日本のキウリの3~4倍はある大きなキウリ(ネパール語でカンクロー)を縦半分に切り、切り口にチャットマサラや辛みそ風のものを乗せたのも公園とかで5円位で売っているが、それも旨い
高級レストランで豪奢な器で食べるのも良いのでしょうが
見栄えを気にしなければ、モモもチョーミンも路地裏の方が美味いと私は思います
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何が自慢って、魔女は道端で売っているもの、何でも食べます
しかしこれまでにお腹を壊したことが一度もありません
行ったことのある人は分かるでしょうが
ネパールで絶対お腹を壊さない女・・ 凄くないですか
それはともかく・・
私がお酒を飲めないことへの苦情がネパールでも日本でもハンパないです
何がいけないんだ!
こうしてつまみを旨そうに食べているんだからいいじゃないか!