ラクスマンとデイブのにっぽん滞在記 Ⅷ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

11月10日(水)       魔女


起きたら部屋がきれいに掃除され、朝食が出来ている


ついにそんな生活に終わりを告げる時が来た・・

ラクスマンとデイブは帰国のため、明朝6時半に魔女家を出発する


二人が荷造りをしている部屋の前で、《ユリぼうず》が背中を丸め、うなだれて座っている

それを見つけたデイブが《ユリぼうず》を中に招き入れる


《ユリぼうず》は首を落としたままトボトボと彼らの部屋に入り

デイブのベッドに乗って、そこに畳んであった彼の洗濯物の上にうずくまった

デイブは何度も《ユリぼうず》の頭を撫でながらパッキングをしていた


今日は残りの土産を買うために、彼らをドンキに連れて行く

魔女の車は二人乗りなので、よそから車を借りなければならない


果たしてドンキは・・


彼らを夢中にさせた


時計、スピーカー、髭剃り、充電器・・

他にもラクスマンは弟や妹たちにいくつかの時計を

デイブは自分のと妻への土産の時計を・・ 夢中になって見つくろう


デイブが、「魔女、僕の時計を選んでよ」 と言うので

魔女は自分好みのを見つけて「これがいい!」 と言った

デイブはその時計を一目で気に入り、目を輝かせた


魔女 「でもさデイブ、この時計高いよ、ギタのも買うんでしょ、お金足りなくない?」


デイブ 「・・」


魔女 「やっぱりこの時計は予算オーバーだよ」


セイコーのその時計は事の他高く

そして2つの同じ時計にそれぞれ違った値札が付いていた


デイブ 「でもこれを買う! 安い方のにする」


魔女 「これはまったく同じものだよ、安いのは会員価格だって」


デイブ 「ふ~ん、なら会員価格のにする」


魔女 「だから、会員じゃないとこの値段では買えないの!」


デイブ 「会員って、なに?」


魔女 「魔女も良くわかんないよ・・ だけどデイブは会員じゃないからこっちの高い値段で買わなきゃならないの」


デイブ 「すいぶん値段が違うじゃない・・」


魔女 「・・」


デイブ 「同じものなのに・・ すごく値段が違う・・汗


こうして魔女はドンキの会員にさせられた


その時計のサイズを自分の腕に合わせて貰っている間

デイブは妻の時計を選んだ


デイブ 「これに決めた」


魔女 (¥980・・ おまえ、そりゃあんまりだろ!)


その後も二人はドンキ探索に余念がなく

そこらじゅうのものを片っ端から見て回った


それは東京見学よりもはるかに密度が濃く・・

ラクスマンなぞは興奮しすぎて、途中で腹を壊してしまった


商品を抱えたデイブがレジを終え

次にラクスマンの番になったが・・ 様子がおかしい 

んでもって、お金が足りない・・


とか言い出したぞ!


取り敢えずここは魔女が出しておくから家に帰ったら返せよ!


いったい何時間いるつもるなんだ

もう魔女の仕事が始まるから帰るぞ


こうしてやっと外に連れ出したが・・

振り返るとラクスマンがいない


私たちが戻ってみると、口に指をあて、店頭でやたら難しい顔で特売商品を見詰めるラクスマンが・・


魔女 「この期に及んで何している」


ラクスマン 「・・」


魔女 「そんな真剣な顔で何を見ている」


ラクスマン 「魔女んちにあったペーパー・・」


魔女 「スコッティ ティシュ 5箱セットぉ~?」


ラクスマン 「これが・・ 欲しい」


魔女 「どうして・・」


ラクスマン 「プナム(妻)へのお土産」


魔女 「これをネパールに持って帰るのかい!!」


本気か! 

ほら見ろ、ドンキのお姉さんも笑ってるじゃないか!

しかし、ラクスマンは本当にスコッティ ティッシュ5箱パックを妻の土産に買った


いったい何なんだよ、コヤツらの買い物は・・


その後でラクスマンが、魔女んちで借りた眉毛カット用の小さな鋏が鼻毛を切るのに丁度良いとか、両眉毛が一直線になるのが嫌だから先日借りた毛抜きが欲しいなどと言い出し・・


これ以上の出費を恐れた魔女は、家に帰って自分のをあげた


ラクスマンが借りたお金の清算をしてくれ、というのでレシートを見せたら

部屋に戻ってしばらく帰って来ず


やっと戻って来たと思ったら、両手に抱えた有り金のすべてをテーブルに乗せ

約¥1000弱足りないから、魔女がカトマンズに来た時に返すという


このやろお~! 


まあいいや・・ 利子は高いぞ  クフッ・・


まじょねこ日記-Yuribouzu
 別れを知ってデイブの側を離れない《ユリぼうず》と、彼が今日買った時計


         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ラクスマンが、夕食前に、最後に二人でこの町を歩いて来るね、と告げた


魔女の仕事も終わった夕方


デイブ 「これはなに?」


魔女 「アケビ」


デイブ 「食べていい?」


魔女 「いいよ」


デイブ 「種も食べられる?」


魔女 「食べられない」


     ・・・・・・・・・


ラクスマン 「さあ、デイブ、町を歩きに行こう!」


デイブ 「・・」


ラクスマン 「・・どうしたんだ?」


デイブ 「気持ちが悪い・・ すごく悪い・・」


ラクスマン 「どうして!」


デイブ 「アケビの種を食べた・・」


ラクスマン 「聞いたか魔女! デイブってば食べちゃいけないって魔女が言ったのに、種まで食べて気持ちが悪くなったんだってさ、 ハッハッハ!!」


デイブ 「口の中がすごく苦い・・ 魔女、あの種には毒が入ってるの?」


魔女 「知らない、アケビの種なんて食べないもん」


デイブ 「きっと毒が入ってたんだ・・」


魔女 「んなわけないじゃん、人の言うこと聞かないからだよ、キャハッハ!!」


ラクスマン 「バ~カ! バ~カ!」


魔女 「バ~カ! バ~カ!」


私たちが笑っている間も、デイブは辛そうな顔をしていた

そしてこの後デイブはトイレに行って吐いてた


部屋に戻って来ても辛そうに横になって口もきけない

《ユリぼうず》だけがすごく心配顔してデイブに寄り添っている


ラクスマンは一人で散歩に出かけてしまった


顔色を悪くして横になっているデイブをみていて

魔女は自分の性格の悪さを思った


カトマンズで魔女を病院運び、手術中は心底心配し、入院している間は泊りがけで看病してくれた人が、今そこで苦しんでいるというのに・・


ラクスマンと二人で 「バ~カ! バ~カ!」 といながら指差して笑ったんだ


だからこれじゃいけないと思い

デイブに優しい言葉を掛けよう、と側に行くんだけど・・


食べちゃいけない、と言ったアケビの種を、

こそこそと食べちゃったりしてるデイブの姿を思い浮かべると


やっぱり 「プハッ~~~!」 っと吹き出しちゃって


あぁ・・ どうしてもこの性格が矯正できない ドンッ