ジョン ブリアン
トミニャガさんちでサシミをいっぱい貰って
僕らの缶詰も貰って
それからもっと先の猫だらけのお姉さんちに行った
そこのお姉さんは自分ちの猫たちにコシュプリェをさせようとして毎年失敗してる
僕らが 「かんじゅめをくれないと ひっかくぞお~!!」
と叫んで
「わあ~い! 缶詰あげるから引っかかないでぇ~」
って、お姉さんは嬉しそうにドアを開けて僕らに向かって言うんだけど
お姉さんを見た僕らは、ズズッと後ずさる
だって・・
その顔も、手も、足も、血だらけなんだもん
その向こうに毛を逆立てた猫が何匹かいて
それは僕らを見て毛を逆立ててるんだか
ハロウィンっていう日の、それまでの経緯が嫌でそうなってるんだかわかんないけど
とにかく廊下にはハロウィンのための洋服が散乱していて、飼い主は血だらけなんだ・・
魔女が
「お姉さんはそのままでトリック オア トリートができるね!」
とか褒め言葉にならないことを言って、このお姉さんを喜ばせるつもりが・・ 悲しませた
こんな優しいお姉さんを悲しませるなんて
魔女って本当に嫌な女だ
僕らははしゃぎながら家に向かった
この頃はもうみんなのコシュプリェは雨でどろどろ
《ユリぼうず》なんか、大きな蝶のネクタイが邪魔で、何度もころんだ
《水玉》も自分のスカーフにつまづきっ放しで
《ジンジン》は途中で角を落とし、魔女は戻って探さなきゃならなかった
《バブー》と《凛》はバスケットの中で
《パパ・ジョン ブリアン》が、いつの間にか僕らの中に混ざって嬉しそうに歩いてる
家に付いても僕らははしゃぎまわっていた
魔女がマタタビをまき散らし、僕らと一緒に猫踊りを始めた
調子に乗った《ユリぼうず》はそこらのものを片っ端から蹴散らして走り回った
部屋は見る間に散らかってゆき・・
僕 「魔女・・ どうするのさ、この部屋・・」
魔女 「心配するな」
僕 「だって明日の夜リャクスミャンさんたちが帰って来るんでしょ」
魔女 「だから心配ないって言ってるんじゃん」
僕は言葉を失った
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夜遅くなって、やっとみんなが疲れ果てて眠り始めた
僕は思い出してた
何回か前のハロウィンの日のこと・・
あの時僕は、病院からハロウィンをしに戻って来た
それが終わって2回寝たらまた病院に戻らなくちゃならなかった
僕の病気は長い間入院してても治らなくて・・
※ 肺に膿胞が出来て、それが大きくなって殆ど呼吸が出来なくなり、最初の手術後、数ヶ月で再発、その後3回の手術をし、入院1ヶ月を経過しても完治しなかった
それで僕は大きなことをすることになって(危険が伴う開胸手術)
その前に家族と過ごすために一回だけ家に帰ることになった
あの時僕はカラーを首に巻いてコシュプリェをした
みんなはなかなかすてきだってほめてくれたっけ
僕はハロウィンに特別な思い出がある
両方とも長い記事なのですが、お時間のある方はこの時の《ジョン ブリアン》の日記を読んであげて下さいませ