ジョン ブリアン
今朝、お庭に僕のお父ちゃんとは別の猫がやって来た
それはでっかい男の猫で、毛がツヤツヤしてて
絶対ノラ猫じゃない感を体中に漂わせ・・
階段の上にいた僕に向かって 「どけよ・・」 と言った
僕は怖かったから、ちょっとだけどいた
何でちょっとだけかというと、ここは僕たちのお庭だから
いっぱいどくのは納得できなかったんだ
そしたら大猫は3歩くらい歩いて来て
僕に 「じゃまだぞ」 って言ったんだ
僕はそんなの納得できなくて
うんと怖い顔をしていっしょけんめ唸ってみた
ドキドキしながらそうやった
そしたら大猫が僕のことを下目使いで見たんだ
僕は悔しくなって抗議のために、わおわお言った
すると僕の声を聞きつけた《水玉》がやって来て
僕の横に来て、その大猫に向かって怒った
「誰だおめぇ~は、何しにきたんだあ~!!」 って
大猫は《水玉》に向かって顎を突き上げた
『やんのかあ~ あぁ~?!』
『やぁ~って やんよお~ おぉ~!!』
これは いっしょっくしょっくはつ状態だ
《水玉》が首を振りながら大猫に向かって1歩前進し
僕は3歩くらい後ずさりをした
こうやって並べて見ると、大猫は《水玉》よりもずぅっと大きかった
だから僕は急に心配なって
「《水玉》、やめなよ、怪我しちゃうよ」 って言った
だけど《水玉》はわおわおと唸っていて、僕の言うことなんて聞こえていない
おでことおでこがくっつくくらいの接近喚き合戦になっていて
このままだともうすぐに取っ組み合いになっちゃうってところで、魔女が出て来た!
けど、その時
誰かが《水玉》の横腹を突き飛ばして・・
そのまま大猫に飛び掛った!
一瞬のことで最初は誰だかわかんなかった
良く見たら飛んで来たのは《ユリぼうず》で
《ユリぼうず》はそのままの勢いで侵入猫の頭に飛び掛り、相手はもんどりおって(もんどりうって)倒れてしまった
《ユリぼうず》は侵入猫の頭にくっついたまま、後ろ足で顔を蹴ってる
その猫が余りに大きいから、《ユリぼうず》が子猫みたいに見えた
それでも《ユリぼうず》はその頭にしがみつき、容赦なくガンガン蹴っている
大騒ぎのうちにようやく《ユリぼうず》を頭から引き剥がした大猫は
じたばたしながら尻尾を巻いて逃げて行った
《ユ、ユリぼうず》・・ 強ぉっ・・
途中まで追いかけていった《ユリぼうず》が
目ヤニを垂らし、何回もくしゃみをしながら戻って来た
水玉 「《ユリぼうず》、おまえ・・ どうした・・?」
ユリぼうず 「僕、とってもご機嫌が悪いのね」
水玉 「どうして・・」
ユリぼうず 「背中が ぞわぞわするから」
水玉 「ぞわぞわ?」
ユリぼうず 「そう、ぞわぞわね、すっごく気分が悪いの」
僕 「・・どうしてぞわぞわするの?」
ユリぼうず 「誰かが歩き回ってる・・」
僕 「えぇ~! 誰かが背中を歩き回ってるの?!」
ユリぼうず 「それで僕、今すっごく誰かに当り散らしたい気分なのよね」
その言葉を聞いて僕らは思わず後ずさりした・・
魔女が思いついたように
「ま、まさか!」 と叫んで、《ユリぼうず》の背中を検査した
そして・・
1匹の蚤を発見した
タイミング悪くやって来た大猫は
《ユリぼうず》によって、単に当り散らされただけだった