寒さに強い女の顛末 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ユリぼうず


     まじょねこ日記-Yuribouzu

魔女がトミニャガさんちに猫砂を届けに行った

トミニャガさんが勝手に高島屋の郊外版だと思い込んでいるホームセンターで買ってきたんだ


ホームセンターにはトミニャガさんも一緒に行きたがった

だけど魔女は、車には猫砂や猫ご飯をいっぱい積むから、トミニャガさんは積めない!と断った


でも本当は、トミニャガさんがまた勝手に車をいじくってオーピュンの吹きさらしにしちゃたり

高島屋の郊外版と思っているそのホームセンターで、ガイショー(外商)を呼んで!、とか言い出したり

その安さに感動してどーでもいい物を車に積みきれないほど買い占めるのが嫌なんだよね


それでトミニャガさんは渋々トイレ砂(トミニャガさんちのは紙なんだけどね)を買って来てくれるように魔女に頼んだ、ってわけ


魔女 「トミニャガさんちに砂を届けに行って来るね、すぐに帰るから」


水玉 「俺も行く!」


魔女 「なんで・・」 (運がよければ刺身が食べられるんじゃないか、って思ってるんだろ?)


水玉 「・・」


魔女 「なんで!」


水玉 「お供?」


魔女 「なに、その質問形式は」


水玉 「お供」


魔女 「《ジョン ブリアン》はどうする?」


ジョン ブリアン 「悪い思い出があるから行かない・・」


魔女 「《ジンジン》は?」


ジンジン 「《水玉》が行くから行かない・・」


魔女 「《ユリぼうず》・・」


僕 「せってー温度が高いから行かない・・」


魔女 「《アゾ》・・」


アゾ 「お、おっそとは 雨じゃろ・・」 


バブー 「私行く!」


魔女 「却下!」


バブー 「きゃっきゃ?」



水玉


     まじょねこ日記-Mizutama 09813

それで俺と《涼子》が魔女と一緒にトミニャガさんちに行くことになった


人間は俺らと違って、出かける時には着替えるという不思議な習性がある

そのために魔女は隣の部屋に入って行き、あっという間に出てきた


魔女はいくつもの(3袋)トイレ砂(紙ね・・)を肩に乗っけて

すんげっ・・ 怪力じゃん!(紙だから・・)


そしてこれも人間独特の・・

今日みたいな雨の日の外出には欠かせない傘もささず

俺と《涼子》もまた同様に傘もささず (何言ってんだ・・)  

僕らはトミニャガさんちに向かった


ピャンピョ~ン 音譜  ピャンピョ~ン 音譜音譜


トミニャガさん 「魔女さん、どうもありがとう、まあ、《水玉君》と《涼子ちゃん》もいらしたの!」


俺 「こんにちは!」


魔女 「頼まれた物、ここに置きますね」 


トミニャガさん 「どうぞお上がりになって、お金も払わなきゃならないし」


魔女 「いえ、ここで・・」


トミニャガさん 「《涼子ちゃん》たちにもおやつを差し上げるわ」


俺 「わあ~い! おやつぅ~!!」 (さしみかな・・)


魔女 「でも、今日はここで・・」


トミニャガさん 「あら、魔女さんにはケーキを用意しましたのに・・」


魔女 「さあ、さあ、二人とも、上がらせてもらいましょう!」


トミニャガさん 「まったく・・ 相変わらずゲンキンだわ」


俺と《涼子》は足を拭いてもらって部屋に入った


トミニャガさんちは・・ 暑かった

特に外暮らしの《涼子》には耐えられないほどだろう

それでも《涼子》は嬉しそうに《ベス》と遊び始めた


しかし、ここはすっかり夏だぞ

それにしても本当に暑いな・・ 苦しいくらいだ・・


魔女 「もうダメ! トミニャガさん、暖房切って!」


トミニャガさん 「何をおっしゃる!そんな事したら《ベス》が死んじゃう」


魔女 「死にゃ~しませんよ! うちの猫の5倍くらい毛が生えてるじゃありませんか」


トミニャガさん 「私も死んじゃう!」


魔女 「死にゃ~しませんって、 魔女の5倍くらい脂肪があるじゃありませんか!」


トミニャガさん 「魔女さん・・ 喧嘩売ってらっしゃる?」


魔女 「ま、まさか・・ じゃあ、あ・・ せめて設定温度を15度位に抑えて貰えません?」


トミニャガさん 「それじゃ冷房じゃない!」


魔女 「じゃあ、妥協して・・ 冷房温度20度で」


トミニャガさん 「相変わらず訳の分からん事ばかりっ!」


魔女 「もお~! 暑いよぉ~!!」


トミニャガさん 「魔女さん、ダウンを着たままだから暑いのよ!」


魔女 「え・・」


トミニャガさん 「え・・ じゃなくて、 ダ・ウ・ン!


魔女 「あ・・これ?」


トミニャガさん 「室内ではそのダウンをお脱ぎになって」


魔女 「・・い、いや」


トミニャガさん 「・・なんで」


魔女 「なんで、って・・」


トミニャガさん 「やだ! 病気? 風邪なの!」


魔女 「病気じゃない・・ けど・・ これ薄手の安物で¥580だったから・・」


トミニャガさん 「薄手だろうが、¥580だろうが上着は上着・・ ・・ ご、ごひゃくはちじゅうえーん !!はてなマーク


魔女 「だから・・」


トミニャガさん 「と、とにかく、あなた、そんな格好でケーキを食べる気じゃないんでしょうね!」


魔女 「だめ?」


トミニャガさん 「だめっ! お行儀が悪い!」 


魔女 「・・わかりましたよ」


魔女は渋々上着を脱いだ


トミニャガさん 「・・ ・・ なに 魔女さん・・ その格好」


魔女 「キャミソール・・」


トミニャガさん 「・・うぅ う、上着を着ても・・ よろしい・・」


魔女 「やだ、もう着ない  これでも暑い!」


魔女はそれでケーキを食べ、コーフィーを飲んだ

僕らはトミニャガさんのボー然とした顔をチラチラと横目で見ながら高級おやつを食べた (さしみじゃなかった・・)


魔女にとって、夏の服の上に上着を着ればそのまま冬の服になるわけで

冬の外出はキャンミショールの上にジャンパーとかを着るだけでおっけーで

寒さに強いからなのか、ただの無精者なのかは僕にはわからないけど・・


それは僕らが暑くなると毛を減らし、寒くなってくると毛を増やすのと変わりゃしない