魔女
彼らとゆっくりと過ごせるのも今日が最後だ
明日はスレスとの約束でパタンに行かなければならない
そして明後日夜に私たちはカトマンズを発つ
発つ日の午前にもう一度ママに挨拶に来るつもりだが
その日は月曜なのでサムジャナやアンビカは大学だし、子供たちも学校だ (ネパールは土曜が休み)
だから彼らとは今日でお別れとなる
料理の支度が出来るまでの間
ママの家の小窓からマチンドラの風景を眺める
見慣れた風景ともまた当分お別れだ・・
彼らは地べた(石べた?)でせっせと蒲団を作る
お日さまの匂いがいっぱい詰まった布団が出来がっていく
最後の日だからと、ルナにサリーを着せられた
いよいよママが料理の腕を振るう時がやって来た
私たちもお手伝いをする
アンビカ、ソヌ、そしてママのお母さんたちもやって来て、部屋の中が一気に賑やかになる
ヨーモリを作る
日本で言うと饅頭みたいなものだ
米粉で作った皮の中に餡を入れて蒸す
本日は豆から作る餡ではなく、魔女の好きなミルククリームを入れてくれるらしい
これは以前ミルクモモの中身にもなった
ネワール族の作る昔ながらのお菓子にはうんと甘い砂糖菓子もあるが、これは祝い事に使われることが多く
一般家庭で気さくに作られるものは実に懐かしい味のする素朴で美味しいお菓子ばかりだ
つぎはチャタマリ
同じく米粉に今度はびちゃびちゃになるくらい水を入れ、それを熱したフライパンに広げる
その上に味をつけて炒めたバフ(水牛)のひき肉、カリフラワー、グリーンチリなどを乗せ、中央に卵を落とす
・・ママ 卵が乗ってない
半熟の卵が乗ってるともっと美味しいのにぃ~!
こうしてこの日は友人たちも次々と会いに来てくれ・・
サムジャナは魔女の持っているクルタスルワルを数日前に預かり
ようこさんには自分のクルタでそのサイズを確かめ
それを基に自身で選んでくれた生地でぞれぞれに素敵なクルタスルワルを作ってくれた
ホテルに帰って着てみた
オーダーメイドなのでピッタリ
本来スルワール(パンツ)はこのような形の物が多い
正式には、クルタ(ワンピースみたいの) スルワール(パンツ) スワール(スカーフ)
腹ごなしに外に出ると
近くのアカシュ バイラヴ寺院の前ではネワール族の祭りが行われていた
マチンドラに夕闇が迫ったころ
突然ひとりの子供がやって来て可愛い花束を差し出した
ありがとうモナ
次にサビナが
そしてムナも・・
たくさんの可愛い花が・・
魔女の腕の中で芳しい香りを放った