ジンジン
下の部屋からガラガラと雨戸を開ける音がする
それで僕らは魔女が起きたことを知り、
朝食のためにキチンに集まる
魔女はリャビングに入るなり
窓を全開にし、天窓も開く
寒いっ・・
窓は夕方まで全開のままだ
お日さまがなくなって、やっとダンボーが入る
僕らは一斉にストーブの前に集まる
だのに魔女は、つぶやく
「ストーブを入れたら入れたで暑いな・・」
魔女はどんどん強くなる
猫より寒さに強い女ってどうなの・・
あれならきっと野良猫にだってなれるな
バブー 「お部屋、寒いね・・」
ジョン ブリアン 「ストーブ入ってるのに暖かくないよね・・」
僕 「セッテーオンドが小さいんだよ」
アゾ 「あぁ、しゃっぶい! しゃっぶい!!」
水玉 「ならみんなでトミニャガさんちにでも行ったらどうよ」
ジョン ブリアン 「あそこはいくらなんでも暑過ぎだよ!」
※ トミニャガさんちの冬の暖房の設定温度は26度
魔女ん家は15度 (魔女の寝室は暖房なし)
トミニャガさんちの夏の冷房の設定温度は16度
魔女んちは冷房なし ウォッホッホ~♪
前に一度、寒さに耐えかねた《水玉》と《ジョン ブリアン》がトミニャガさんに上がり込んで、事件を起こした事がある
まだ《水玉》が自分のことを『僕』、と呼んでた頃のお話
ユリぼうず 「とにかくこのままじゃ僕、たまらないのよね」
アゾ 「こっ、こったつに はいれりゃ ええんじゃ! こったつにぃ~!」
ジョン ブリアン 「だけどこたつの中では冬季限定暴力猫の《ボンネット》が・・」
僕 「そこだよね・・」
ユリぼうず 「僕、あんな子に育てたつもりはないのに・・」
僕 「魔女がストーブ消して寝た後は本当に辛いよね・・」
ジョン ブリアン 「あのさぁ、僕思ったんだけど、猫って・・ 眠ってるところを襲ったりしないよね」
水玉 「なんたって、俺ら猫だぜ、そんな卑怯なでぃーえっちえーなんかねえよ」 (ディーエヌエーだから・・)
ジョン ブリアン 「なら、ボンネットが何かしている隙にみんなでコタツに入って眠ったふりをしてたらいいんじゃない?」
アゾ 「そ、そうか! そではええ!!」
僕 「なるほど! やってみようか!」
水玉 「ま、俺はコタツに入るほどヤワじゃねえから見守っとくわ」
それで、ユリぼうずが《ボンネット》にわざとネズミのおもちゃを与えた
《ボンネット》がそれで遊び始めた
その間に僕たちはみんなしてコタツに潜り込み
寝たふりをした
暫くすると・・
遊び飽きた《ボンネット》がものすごく悪い目つきになってコタツに入って来た
(《ユリぼうず》が薄目を開けて《ボンネット》の様子を見てたらしい)
僕らは本気で寝たふりをした
魔女 (げっ、《ユリぼうず》、薄目開けてる・・)
魔女 (い、いや・・魔女を見ても知らないから)
ボンネット (えっと・・ これはどういう・・)
ボンネット (みんなぐっすり眠っちゃってるからイチャモンつけ辛いよなぁ・・)
僕らの作戦大成功~!! しぃ~!
今まで《ボンネット》の局地的暴力のせいでコタツに入れなくて毎夜寒い思いをしていたみんなだけど
いざとなると自分たちで上手いこと知恵を絞るものだな
いや、お見それ致しました!
魔女