ジョン ブリアン
このところ魔女は大いに忙しく
仔猫も放りっぱなしで仕事に勤しんでいる
チューカテイストの時期なんだって (中華テイスト・・?)
それでカテーキョンシーで忙しいんだ
(あぁ・・ 中間テストね・・)
僕 「魔女、仔猫をほとんど僕らに任せっ放しだよね」
ジンジン 「仕方ないよ、仕事なんだから」
アゾ 「そ、そでは きゅう料のためなんです! 知っとった?」
ジンジン 「誰から給料を貰ってるのさ」
アゾ 「せっ、せっ、生とたち なんだが・・」
ジンジン 「魔女は子供から給料を貰っているのか!」
アゾ 「せっ、生活ひも おっこずかいも もらっておる そでは どーでしょーかね?」
水玉 「貰ってんのか、貰ってないのかはっきりしろよ!」
アゾ 「も、もらっておる・・」
水玉 「じゃあ、最後をおかしな疑問形にするな! 苛々する」
僕 「なんで《アゾ》が知ってるの?」
アゾ 「ア、アットリエのうらで 聞いておった」
僕 「いつもあんな所で人の話を聞いてるの?!」
アゾ 「し、し、しゅみ なんだ!」
水玉 「いやらしいヤツだな・・」
ジンジン 「それにしても月謝じゃなくて給料とか、生活費とかって・・」
アゾ 「あ、あでだ・・ 生とたちも まじょの生活を 心ぱいしておるんだ」
水玉 「そういえば・・ 確かに子供たちは魔女に月謝を渡す時、『魔女先生、今月の生活費です』 とか言ってる・・」
アゾ 「ほ、ほだね!」
水玉 「しかし、魔女のカテーキョンシーはひどいぞ」
僕 「どんな風に?」
水玉 「この前も勉強しにやって来た生徒がいてさ、で、帰り際に魔女がその子に向って言ってたんだ」
(魔女の家にやって来て個人授業を受ける生徒もいる)
僕 「なんて?」
水玉 「 『もし、テイストの結果が悪くて魔女がカテーキョンシーをやめさせられたら軍団もろとも飢えるし、私たちの仲もお終いだ!』 って」
僕 「脅しじゃん!」
水玉 「そうなんだよ! そうなったらみんなおまえのせいだぞ、みたいに言うんだぜ」
・・・・・・・・・・・・・・
魔女 「今日の日記、書きたくない・・」
僕 「自分の都合が悪くなるとそう言い出すのはよくないよ!」
魔女 「だって・・」
僕 「僕は前に自分のウンチの事だってちゃんと日記に言ったよ!」
魔女 「・・」
僕 「恥ずかしかったけど言ったよ!」
魔女 「わかったよ・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
水玉 「その上さ、『私がこれだけサービス残業までしたんだから、相当成績を上げてもらわないと困るのよね』 とか 『軍団が一日一食になるかどうかはあなたの成績にかかってるんだからね!』 とか・・」
ジンジン 「完全に恐喝じゃん!」
僕 「むしろ、いじめじゃない?」
そうそう、魔女が忙しい話から脱線しちゃったけど
・・・・・・・・・・・・・・・
魔女 「脱線なら、この前の部分の日記は消してもいいよね」
僕 「ダメ・・」
魔女 「・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・
仔猫のことなんだけど、名前が決まりました!
《りん》 (凛) といいます
男か女かわかりません
よろしくお願いします
僕らみんなで世話しているんだよ
《りん》が行く所には必ずみんなでぞろぞろついて行く
危ない事をしていたら、みんなでハラハラする
遊ぶ時もみんなで見張る
僕らが遊んであげてもいいんだけど、あまりにも小さくて、ちょっと触っても倒れちゃうからこわいんだ
だからぞろぞろとついて歩いて見張ってるか、おもちゃを置いてあげるかしか出来ない
魔女が朝から出かけていて、夕方帰って来ると言うんだ
魔女 「朝よりも一段と我儘になってる・・」
僕ら 「・・」
魔女 「日に日に我儘になってゆく・・」
僕 「魔女がいないからだよ」
魔女 「みんなで甘やかしているんでしょう!」
水玉 「だって悪さをしても、小さ過ぎてぶったりできないじゃないか」
魔女 「口で言ったらどうなの?」
ジンジン 「言葉もまだ 『オカーチャン』 しかわからないんだよ」
魔女 「・・《アゾ》が言ってみたら?」
アゾ 「そ、そでは、どーゆー いみ ですか・・」
僕 「ちょっと待ってよ! 僕、この子にはちゃんとした教育をしてあげたいんだ!」
アゾ 「う、う、うわっ! そ、そでは どーゆー いみ ですか!!」
それで今日も・・
がさごそ・・ がさごそ・・
《りん》が何かをやっている
ジンジン 「そこに入っちゃいけないんだよ」
凛 「・・」
振り向いた《りん》は《ジンジン》を 『じぃ~っ』 と見詰めた
そして次に立ち上がって両手を広げ
《りん》に言い聞かせようと頭を低くし注意した《ジンジン》の両方のほっぺを 『ぐうわっし』 っとつかんだ
《りん》はその体勢のまま突っ立っていて
《ジンジン》は目をつぶって我慢していた
もっとも、《りん》の手の大きさは僕の指の一個分くらいのものだから痛くはなかったと思う
しかし《ジンジン》の顔の前につま先だっていた《りん》が・・
目の前のあった《ジンジン》の鼻を、いきなり 『ガブッ』 っと噛んだんだ
「フィンギャ~!!」
《ジンジン》は痛さのあまり、思わず《りん》をぽこっとぶってしまった
《りん》はその場にぱたんと倒れた
次の瞬間・・
何かが飛んで来た
それは《ジンジン》に向って飛んできた
あまりの速さに僕らは何が起こったか分からなかった
気がつくと《ジンジン》がそこに倒れていた
僕は今起こった事を、頭の中でゆっくりの動きで思い出してみた
すると・・
《ユリぼうず》が《ジンジン》に向って飛び蹴りをくらわせていた事が判明した
《りん》は立ち上がり、《ユリぼうず》にくっついて去って行った