ジョン ブリアン
魔女が釣りたての大きなお魚をもらった
お友達のご主人がお仕事の休みの度に
船とかいう海用の乗り物に乗って取って来てくれるんだよ
魔女 「魚か・・ 肉が釣れりゃいいのに」
家族① 「また訳のわかんない事を・・」
魔女 「だって・・」
家族① 「私、出かけて来るね、それで今日の夕食は魚だね!」
夕方になって、僕らのご飯の時間
魔女 「みんなご飯だよ」
僕ら 「わ~い! わ~い!」
魔女 「みんなのお茶碗に入りきらなかったから、これで食べて」
みんな 「うおおぉぉぉ~!」
魔女 「ちょうど7匹あるから、みんな1匹ずつ食べてね」
みんな 「うおおおおぉぉぉぉ~~!!」
僕 「で、でっか・・ 怖い・・」
ジンジン 「後ずさりしてるよ・・」
僕 「いい匂いするけど、怖い・・」
魔女 「食べないの!」
僕 「魔女、この子の名前は?」
水玉 「そんなこと聞いてどうするんだよ」
魔女 「『イサキ』・・」
僕 「『イサキさん』、こんばんは・・」
ジンジン 「わざわざトレイから引きずり出して挨拶してるよ・・」
水玉 「何やってんだよ! そんなことしたって、この魚の魂はもうニャバーランドに行っちゃってるんだぞ。 黙って食べて差し上げるのが礼儀とういものだ」
僕 「じゃ、じゃあ、思い切って、 すみません・・」
水玉 「まったく、《ジョン ブリアン》てば毎度これだよ・・
《アゾ》を見てみなよ、背中に噛み付いて大格闘してるじゃないか。 あれが猫の本来の姿というものだ!」
僕 「か、か、かっぷ・・ おいしい・・」
インジゴ 「私、魚いらない」
魔女 「そうか、《インジゴ》はベジタリアンだもんね」
アゾ 「ま、まひょ、もっらっちゃえ! もっらっちゃえ!」
魔女 「いらないよ!」
水玉 「自分が嫌いだからこっちによこしてるんだよ」
僕らは相当お腹が一杯になった
僕は、「恐ろしい・・」とか言いながら、結局《インジゴ》の分も食べてしまった
家族①が帰って来た
家族① 「ただいま、今日はお刺身に焼き魚かな 」
魔女 「魚なんてもうないよ」
家族① 「・・なんて言った」
魔女 「魚はないって・・」
家族① 「ま、まさか・・ また猫にあげちゃったとか言う・・」
魔女 「とか言う」
家族① 「このお~! 自分が嫌いだからって家族にも魚を食べさせない気なのか!」
魔女 「・・」
家族① 「いったい何考えてるのっ!」
魔女 「猫にあげちゃいけなかった?」
家族① 「釣れたてイサキだよ、 刺身で食べたかったさ!」
魔女 「猫たちは刺身で食べたよ」
家族① 「うわぁぁぁ~・・・ 腹立つ・・」
僕 「ゲップ」
家族① 「このおー!! もう頭に来た!! 魚を貰えば猫にあげちゃうわ、野菜が食べたいと言えば野菜の錠剤を皿に入れて出すわ、いったいどういうつもりなのよっ!」
魔女 「魔女が貰った魚を魔女がどうしようと勝手じゃん。猫たちは魚食べて幸せ、魔女は食べなくて済んで幸せ。それのどこがいけないのよ」
家族① 「そこに私の幸せがないじゃないか! 私の幸せはどこに行った! こんなの貧乏な人のやる事じゃないでしょう!」
魔女 「こんなのって・・ どんなの?」
家族① 「もうっ!!」
家族② 「ただいまぁ~、 今日の夕食は何?」
また一人、幸せと縁が無い人が帰って来たよ げっぷっ・・