水玉
[ 水玉先生、教室の椅子で寝るのはやめてください! ]
昨日のこと
僕と魔女は朝から一日中仕事だった
しかし、僕は午後の後半、仕事をサボった
魔女は朝からずっと生徒たちに責められていた
生徒① 「魔女先生、展覧会の絵描いた?」
魔女 「・・」
生徒② 「まだ描いてないんだ・・」
生徒③ 「ええ~!! まだ描いてないの!」
生徒④ 「マズいじゃない・・」
生徒⑤ 「どうするつもりなの?」
生徒⑥ 「間に合わないんじゃない?」
生徒⑦ 「私たちには 『早く描きなよ!』 とか言うよね」
生徒たち 「うん、言う言う!」
魔女 「・・」
生徒たち 「ちゃんとやることやりなよ!」
魔女 「うるさいな! やるよ!」
生徒⑧ 「ほんとだね!」
生徒たち 「考えつかないんだったら何かヒントあげようか?」
魔女 (いらね~よ)
生徒たち 「じゃあ、来週出来上がった絵を見るから」
魔女 (先生気取りかよ・・)
こうして生徒たちからの絶大なプレッシャーと遅ればせのバレンタインプレゼントをたっぷり貰って
魔女の仕事が終わった
そして今朝
魔女は起きてしばらくボ~っとしていたが・・
お日様がてっぺん近くになって
突然立ち上がった
やる気だ・・
しかし、お部屋を行ったり来たり・・ 行ったり来たり・・
ジョン ブリアン 「何やってるんだろう・・」
インジゴ 「わかんない・・」
魔女 「あなたたち、シャレコウベ知らない?」
僕 「知らないよ」
魔女 「おかしいわね・・」
家族② 「魔女、この前抱えて歩いてたじゃん」
間族① 「そうだよ、両脇に1個ずつ抱えていたよ」
魔女 「そうだよね・・」
ジョン ブリアン 「このお部屋にはないよ」
魔女 「ちょっとお~!《ジンジン》、下にいる?」
ジンジン 「玄関にいるよ~!」
魔女 「じゃあ、アトリエにシャレコウベがないか見て!」
ジンジン 「シャレコウベって?」
魔女 「頭蓋骨だよ、大きいのが2個と小さいのが1個あるはずなんだけど」
ジンジン 「魔女ぉ・・」
魔女 「あった?」
ジンジン 「誰か来てるよ・・」
魔女 「誰だろ・・」
それで魔女は玄関に下りて行った
魔女 「はい、何か?」
近所の人 「・・・ 」
魔女 「なんでしょう」
近所の人 「あ、あの・・ 町内会費を 」
魔女 「おいくらです?」
近所の人 「せ、千二百円・・」
近所の人の子供 「お、お母さん・・ 帰ろうよ・・」
魔女 「すぐに持ってきますね」
近所の人の子供 「お母さん、帰ろうよ!」
近所の人 「ちょ、ちょっと待ってなさい 」
近所の人の子供 「帰りたい! 帰りたいよ!!」
魔女 「はい、千二百円」
近所の人&子供 「ダダダダダッ~!!」
魔女 「あの親子、やけに急いでるわね・・」
ジンジン 「凄い勢いで走って行ったよ・・」
魔女 「ところで頭蓋骨は?」
ジンジン 「ごめん、いつの間にかあの親子がいたから、まだ・・」
魔女 「アトリエにもないな・・ もういいや」
ジンジン 「いつもシャレコウベ描いてるしね」
魔女 「憂いを含んだ横顔にしよっと、みんな入室禁止ね!」
僕 「憂いを含んだしゃれこうべって、どんなんだよ・・」
夕方・・
《ユリぼうず》がアトリエのドアに体当たり
魔女 「何よっ、うるさいなぁ」
ユリぼうず 「魔女、ご飯!」
魔女 「あらら、もうこんな時間!」
僕 「わあ!もう描けたの?!」
ジンジン 「早っ!」
魔女 「まだちゃんと終わってないよ」
ユリぼうず 「ふん、ふん・・ この空がもうちょっと・・
う~む、シャレコウベの位置が・・」
魔女 「うるさいよ・・」
ジョン ブリアン 「魔女、出来上がったらこの日記を読んでくれる人たちに見てもらわない?!」
ユリぼうず 「魔女、そうさせていただけ!」
魔女 「・・じゃあ、真っ先に見て貰うかな」
ユリぼうず 「みなさんに嫌われたりして・・」
魔女 「どうしたらいいんだよ・・」
ジョン ブリアン 「見て貰おうよ!」
僕 「そういう事で、皆様、お苦しみに!
間違えた・・ お楽しみに!」