水玉
僕 「ああ、こんな散らかったお部屋はうんざりだよ」
魔女 「なに言ってるの!自分たちが散らかしまくったり、騒ぎすぎてゲロを吐いたり、くしゃみの鼻汁を撒き散らしたりしたんじゃないか!」
ユリぼうず 「それを始末するのが飼い主の義務!」
魔女 「たわけた事を・・ 昨日おまえがカーテンにおしっこをかけたのの始末までも魔女の義務か?そうなのか!!」
インジゴ 「それは確かに余計だわ」
魔女 「まったく・・ 部屋掃除の前におしっこカーテンの洗濯だ・・」
ユリぼうず 「よろしくお願いしますぅ~」
魔女 「げっ! カーテン、かなり汚れてる・・ 仕方ない、全部のカーテンを洗うか・・」
ジンジン 「ただいまあ~! ・・なんかよその家みたい」
ジョン ブリアン 「カーテン全部取ったの、洗濯だって」
ユリぼうず 「僕のおかげでお部屋ががきれいになるねえ」
僕 「《ユリぼうず》って、自分に都合のいい性格してるよね・・」
魔女 「洗濯終わった!」
インジゴ 「次はこの散々散らかったお部屋を片付けないとね」
ジンジン 「ひどいお部屋になったものだね」
魔女 「だから・・ 自分たちがやったんだろうが」
ユリぼうず 「だからって僕たちにどうしろって言うんだ」
魔女 「憎たらしい・・」
魔女 「・・・」
インジゴ 「魔女、何見てるの?」
魔女 「カーテン取ったら・・ カーテンレールが汚い・・」
インジゴ 「どうするの?」
魔女 「全部拭く・・」
僕 「お部屋の掃除は?」
魔女 「・・」
僕 「無視か・・」
インジゴ 「やっと終わったね!」
魔女 「・・カーテンレールがきれいになったら」
僕 「今度は何!」
魔女 「カーテンポールの汚れが目立つ・・」
インジゴ 「洗うの?」
魔女 「洗うね・・」
僕 「お部屋はどうするんだよ!」
魔女 「・・」
僕 「無視か!」
インジゴ 「魔女、終わった? わあ、白くなったね!」
魔女 「ポールが白くなったら・・ ポールに掛ける輪っかが・・」
インジゴ 「また洗うの?!」
魔女 「洗うね・・」
僕 「もうお日様がてっぺんを過ぎて行っちゃってるよ!」
ジンジン 「魔女、このお部屋はどうするの!」
インジゴ 「やぁ~っと終わった」
魔女 「ちょっと出てくる」
僕 「どこへ!」
魔女 「・・」
僕 「また無視かよっ!」
魔女 「ただいま~」
インジゴ 「魔女、もう夕方になっちゃうよ!お部屋の掃除をしてよ」
魔女 「あら、ちょっと待って・・ カーテン取ったら・・」
僕 「今度は何っ!!」
魔女 「ブラインドが・・ 薄汚い・・」
ジンジン 「まさか今からブラインドの掃除じゃないよね!」
魔女 「ブラインドの掃除だな・・」
僕 「もお~!! 魔女っ!!」
ジンジン 「もう暗くなって来たよ・・
それが終わったら今度こそお部屋ね!」
魔女 「分かったよっ!」
水玉 「もうすっかり夜だよ・・」
魔女 「あれ・・? ブラインド洗ったらガラスの汚れが・・」
インジゴ 「魔女、お部屋はっ!」
僕 「今日中にお部屋の掃除するって言ったよね!」
魔女 「今、ガラス拭いてるから・・」
それでガラス拭きが終わって・・
やっとお部屋をそうじするのかと思いきや
何を思ったか
突然隣の部屋の紙の戸(障子っていうの!)を窓から取った
それでその紙をびりびりと破きだし
どこかをあさって新しい紙を出して来て、それを貼り付け出した
気味悪いよ
ニタニタ笑って・・
きっとそれが思いのほか面白かったんだろうね
次から次へと戸を外し、バリバリと紙を破きまくって
片っ端から新しい紙を貼り始めた
全部貼っちゃったら
物足りないのか、すっかりそれにハマっちゃったのか
今度は家族①の部屋まで行き、障子を外して
また紙をばんばん破き、新しい紙を張っている・・
こうなったらもうダメだ・・
僕らは、すべてを諦めて散らかったお部屋に横になってしまった
僕らと同じ事を思ったんだろうね
家族②が立ち上がり、夕食の支度を始めた
夜遅くなって
やっと魔女が静かになった
ぴっかぴっかになった窓まわりたちが
お部屋の散らかり具合をより一層引き立てている