ベスとトミニャガさんと早起き | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


jinjin0758


またまた昨日の事なんだけど


朝早くに・・


「ベスぅー! エリザベスーーーー!!! 

                    ベェスぅ~~~!!」


魔女 「朝早くからうるさいなぁ、誰が叫んでるんだ?」


僕  「トミニャガさんに決まってるじゃない」


魔女 「うるさくて眠れないよぉ」


水玉 「トミニャガさんのおかげで早起き出来たじゃん」


魔女 「いったい、いつから叫んでるの?」


僕  「けっこう前からだよ」



そんなこんなでお化け屋敷の方から聞こえるトミニャガさんの大声のおかげで、魔女は早起きが出来た

半開きの目つきでぶお~っとしている魔女に、僕らはビャ~ビャ~鳴いて朝ごはんを請求した



「ちょお~っとぉ、魔女さん!!」


魔女 「誰だよこんな早朝に・・」


僕  「だから、トミニャガさんに決まってるじゃん!」


魔女 「なぁんでひょうふぁ~」


トミニャガさん 「んまあ! まだ寝てらしたの? 信じられない!」


魔女 「なんも信じなくていいです・・」


トミニャガさん 「バカな事言ってないで、ちょっといらしてくださいよ!」


魔女 「・・・ いら・・す・・」


トミニャガさん 「魔女さん、目を覚まして!! お化け屋敷に来て下さいっ、《ベス》 が私に反抗的ですのよ!」



トミニャガさんに引っ張られて魔女はお化け屋敷に連れてかれ、僕らも後を追った


お化け屋敷の庭のビワの木の下に 《涼子》 と 《ベス》 がいた


ビワの木から少し離れた所に硬い(鉄)柵があり、トミニャガさんはそこからお化け屋敷の庭にいる 《ベス》 を呼んでいたらしい



魔女 「庭に入ればいいじゃないですか」


トミニャガさん 「だって、誰のだかは知らないけれど、人様の土地じゃないですか」


魔女 「この前は入ったじゃありませんか」


トミニャガさん 「あれは夜でしたでしょ!」


魔女 「トミニャガさん・・ その発想・・変ですよ」



それで、トミニャガさんは渋々お化け屋敷の庭に入って行ったんだけど

その姿は世間の目を気にする余り、こそ泥みたいになってしまって

余計に怪しかった


トミニャガさんが 《ベス》 のいる方に近づいて行った

すると、先ず 《涼子》 が逃げて、それに続くように 《ベス》 も逃げた

柵の向こうで必死に呼んでも飼い主の方に寄って来なかった挙句

近寄ったら逃げられた事にショックを受けたトミニャがさんは・・

すっかり平家蟹になってしまい・・


アパートの鉄の階段のいくつかを

そんなつもりじゃないのに崩し

お尻をブリブリさせてお化け屋敷から出て行ってしまった



水玉 「諦めたのかなぁ・・」


魔女 「わからん・・」


ユリぼうず 「 《もりやさん》 がいない・・」


伐  「おまえ・・ この場の空気読め!」



置いてかれた僕たちは途方に暮れ

《涼子》 と 《ベス》 は戻って来て遊び出した

この時ぞとばかり魔女がカメラを出して 《ベス》 を撮ろうとしたら

すぐにそれを察知した 《ベス》 は、魂でも取られかねないとばかりに鼻に恐ろしいシワを寄せ、真っ赤な口をから 「シャ~!!」 と警戒の声を出し、すばやく走り去った

《ベス》 はじきに戻って来たけれど、カメラを向けると逃げ出す、の繰り返しで魔女は諦めた


トミニャガさんがまた現れた

手に刺身を持って・・


トミニャガさん 「 《ベス》! お刺身よ、大好きでしょ!」


我が家の安いご飯をたべさせられていた 《ベス》 は刺身に反応し、トミニャガさんに、いや・・刺身に近づいて行った


その時、《涼子》 が小さく鳴いた


《ベス》 は立ち止まり、後ろを振り返った


《涼子》 の淋しそうな顔があった

《涼子》 の目はすごく細くなって・・ どう言ったらいいのかな・・

とにかく、細い形の悲しい目で 《ベス》 を見ていた

そして《涼子》は、声を出さずに何度も口を小さく開いた


《ベス》 の中で、少しの間時間が止まったようにみえた


それから・・ 《ベス》 は 《涼子》 の方に戻って行った



「どっちゃー!!」


トミニャガさんが訳の分からない言葉を発して 《ベス》 を追いかけだした


2匹は一緒に走った

走って、走ってアパートの部屋に逃げ込んだ


トミニャガさんは悔しそうな顔をして破けた窓から中を覗くしかなかった



トミニャガさん 「魔女さん!どうしたらいいの?!」


魔女 「後で、話合いをしますから・・」


トミニャガさん 「誰と!?」


魔女 「 《ベス》 と」


トミニャガさん 「どうやって!」


魔女 「猫語で」


トミニャガさん 「・・・」


魔女 「ちゃんと、帰るように言いますから」


トミニャガさん 「・・お、お願いしますぅぅ、帰って来てもらわないと・・私たち淋しいんです、本当に淋しい・・んっ、んっ、ううぅぅぅ」


魔女 「分かりました、明日必ずつれて行きますから」


トミニャガさん 「へっ? 明日なんですか?!」


魔女 「説得には時間がかかるんです!」



トミニャガさんはとぼとぼと帰って行った

まぁるい後姿がすごく淋しそうにみえた



夜になって魔女の様子がおかしくなった

めまいと吐き気で動けなくなっちゃったんだ


元気しか取り得がないのに・・



僕  「魔女、大丈夫?」


水玉  顔色がひどいよ・・」


魔女 「・・・」


ジョン ブリアン 「まじょ、しっかりして・・ ぅ、うぇ~ん、うぃぇ~んあせる


魔女 「・・・」


伐  「ヤバいぞ・・ ぐったりしている」


インジゴ 「どうしよう・・ どうしよう・・」


ユリぼうず 「みゅ~、みゅ~! みゅ~みゅ~!!」


魔女 「・・ユリ・ぼうず、静かに・・して ぐ、具合が悪いか・ら・・」


僕  「どうしてそんなになっちゃったの汗


魔女 「慣れ・・ない事をしたから・・」


水玉 「慣れない事って?」


魔女 「は・・早起き・・」


僕ら 「この・・ バカヤロー!!」