近々、ネットメディアにも出る予定の私の記事ですが掲載日がまだ決まっていなく、飲食店の時短営業が決まってしまってコロナ禍の不安を抱えていらっしゃる方々が多いと思いますので、このタイミングで先にFBにあげます。


【PCR検査のからくり、Ct値が低い国が新型コロナ撲滅できている!?】

昨今、新型コロナ第三波感染拡大のニュースが世界中を震撼させている。
我が国でも東京都・日本全体の感染者数は過去最大だが、80%は無症状で重傷者の増加傾向は見られない。
「無症状の人も高齢者や基礎疾患ある方に移すと重傷化しやすい。再度、緊急事態宣言も考えた方が良い。」
という医師会や感染症学者達の意見も出ているが、果たして無症状の人々からの「感染力」はどれくらいなのだろうか。
再び、緊急事態宣言を出せば経済への打撃ははかり知れず、年末年始は飲食店や旅行会社をはじめコロナ禍で打撃を受けた業者達の倒産ラッシュになりかねないだろう。
日本の自殺者数も7月から4か月連続増加していて、10月は去年に比べ4割も増加している。

そもそも、
「日本のPCR検査Ct(カットオフ)値が高すぎて感染力のほぼ無い人も患者扱いるのではないか」
という議論がある。
新型コロナのPCR検査の陽性の判断基準のCt値は各国で異なる。

PCR検査(新型コロナの場合はRT-PCR検査)とは、検体に含まれている極めて微量なウイルスの遺伝子を、2本から4本へ、4本から8本へと
複製させるサイクルを繰り返して検出可能な数にまで増幅させて陽性判定を行うものだ。
ウイルスの量が多ければ、少ないサイクル数で検出出来るがき、逆にウイルスの量が少なければ、多くのサイクル数が必要になる。
何回目のサイクルで陽性と陰性を区別するかという基準がCt値である。

現在、新型コロナウイルスの判定方法について公開されている、国立感染症研究所の「病原体検出マニュアル(令和2年3月19日)」では、判定するのに必要なサイクル数を45サイクル。45サイクルとは、1本の遺伝子が理論上は35兆本となる計算である。

京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授、宮沢孝幸准教授は自身のYouTubeやTwitterで、日本のPCR検査のサククル数に関して疑問を投げ掛けている。

「45サイクルは過剰であり、死んだウイルスの断片など、感染力とは関係のないウイルス遺伝子の検出につながる可能性が高く、Ct値は32程度が妥当なのではないか」
https://m.youtube.com/watch?t=171s&v=tNrXTqkgl_E
https://youtu.be/C0bnglYKUR8

筆者の知人の工学博士で(株)脳力開発研究所相談役でもある脳波研究の第一人者、志賀一雅氏も
「新型コロナのPCR検査のCT値を世界共通にしなければ意味がありません。日本も台湾波に35以下にしたらこれほどの騒ぎにならないのではないでしょうか。」
と主張。

本誌にて幾度かインタビューした日本根本療法協会会長・杉田歯科医院院長、杉田穂高氏も

「検査における増幅回数が世界各国で統一性もなく、増幅回数を増やせば、陽性が増え、少なければ減る。そんないい加減な検査をもって、感染押さえ込みに成功した国、失敗した国などと語る事自体、茶番でしかない。絶えずエビデンスと声高の医療者や学者が、PCR検査を止めさせるべきだ。
世の中の流れに反対して、窮地に立たされるのを心配し、医療者はPCRを否定出来ず、政治家は有権者の顔色を伺って異論を唱える事が出来ない。」

と現在のPCR検査の意義を否定。

確かに、コロナを撲滅できたという台湾・ニュージーランドは35以下である。
逆に感染爆発しているイギリス・フランスなどCT値は高い。最大の感染国だったスペインは9月にCT値を40→35に下げたら感染者は半減した。

11月12日の医学誌JAMAにてイタリアのフローラ・マルツィア・リオッティ博士・ジュリア・メンキネッリ博士・シモーナ・マルケッテイ博士が発表した研究によると
「Ct値35以上の陽性陽性者の体内における新型コロナウィルス培養不可能」
という。つまり、Ct値35以上の陽性者は97%は他人にうつさないことになる。
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2773053?fbclid=IwAR06CYlsU_q3qv_6zCUqT9-WEECzJrc05Oj-os5-JnXDaYGviq-jnZIjBR4

では、日本もCt値を下げた方が良いのだろうか?

この議論に関しては、多くの感染症学者・医療関係者から慎重な反論がある。
ナビダスクリニックの院長、久住英二氏も
「PCR 自体は nested PCR ですから、偽陽性ではなく、少量のウイルス遺伝子を検出していることになります。
では、ウイルス量が少ないから、他者への感染性がない、と言えるか?
いいえ、言えません。
ウイルス採取の手技などの問題で、とれたウイルス量が少なければ、サイクル数を増やさなければ検出できません。
CT値の閾値を下げることで、感染性のある人を「陰性」と判定してしまうリスクが増加します。
なので、感染者が多いか少ないか、国の状況に応じて決めれば良いでしょう。」
慎重論だ。

厳格なCt値を定めることで、国民の感染リスクも減り世界からみても日本は安全安心な国である、と見られるというメリットはあるだろう。

しかし、大きなデメリットもあり、97%は感染リスクがない無症状者を感染者としてカウントすることで、医療崩壊が起きやすくなる。
そして、新型コロナ患者が優先され、他の病気の患者が病院に行きつらく病気が重傷化・死亡するケースもある。
勿論、新型コロナに感染しないようにという自粛モードは経済への打撃も大きいし、社会全体もギスギスしてしまう。

また、Ct値は見直すメリットとして、本当に他者への感染リスクがある新型コロナ患者に集中出来る、というメリットもあるだろう。
現状、PCR検査は数も制限されていて検査を待機している人達が重傷化するケースもある。

民主主義社会はあらゆるリスクとベネフィットの可能性を天秤にかけて、リスクが高い方を回避し最小限のリスクで多くの人々にベネフィットが大きい方を選ぶ、という最大多数の最大幸福の元に成り立つものだ。
3%の感染リスクを考えたら、新型コロナ以外にも、自然界には無数のウィルスが存在する。

先に述べたように、Ct値は国によって異なるが、政府は11月1日より海外11か国(香港、マカオ、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、豪州、ニュージーランド)より訪日する外国人を日本国内でのPCR検査なしで受け入れ入国緩和している。中には日本よりCt値が低い国も含まれている。
国民が不安に駆られているが国民を安心にさせるのが政府の任務だが、政府の新型コロナ政策はどうも一貫していなく、これでは国民が混乱するばかりだ。

また、Ct値の他にもPCR検査そのものにも様々な問題点が指摘されている。
国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)の特別研究員であった小早川智氏は
「PCR検査器は色んな要素が絡みますが、Ct値以上にプライマーの塩基配列が重要です。ゲノム配列の一ヶ所にのみ張り付くプライマーだと、ターゲット領域のみが増幅され新型コロナウィルスを捉えますが、ゲノム配列の複数箇所に張り付くプライマーだと、ターゲット領域以外も増幅され新型コロナウィルスのウィルスも捉えてしまいます。今使われているプライマーの配列は様々なウィルスを検出してしまっているので、プライマーの設計からやり直した方が良いです。http://togodb.biosciencedbc.jp/togodb/show/stga_howto/5」
と指摘。

これ以上のコロナ禍の深刻な問題が起きないよう、政府はCt値やプライマー設計をはじめPCR検査の体制を見直す必要があるのではないだろうか。