黄金の髪に深緑の瞳の歌姫。

冰國の二人の王から託された
ひとつの生命体。
腕の中の小さな温もりが
彼女の全てだった。

歌姫は小さな王の守護者だった。

竜の血を引く白銀の髪。
王者の血を引く蒼い瞳。

人間と竜の間に揺れる不安定な力。

歌姫は二つの力を封印した。

受け継いだ奇異なる力を封じられ
眠る赤子の髪は銀糸に
二対の瞳は蒼と銀の斑となった。

歌姫の死が訪れるその瞬間まで
封印は守られた。