先のブログでもご紹介しましたが
1年前に福岡から上京し
首都圏のマジだみんちに居候している
大学4年の姪だみは
お陰様で、彼女の目標である
WEBデザイナーに近い部門での
A社の内定を頂きまして
またA社は
アルバイトも募集しているので
「インターン」を兼ねて
来月からA社へ
バイトに行くことになりました。
ただ、姪だみは
A社以外の求人にも応募しており
選考が残っているところが
数社あるので
選択肢をいくつか持つためにも
知見を広げるためにも
A社の内定を保持しつつ
まだしばらくは就活を
続けることにしたようです。
その選考が残っている中の
ベンチャー企業のB社から
「面接をする前に、若手社員と学生の
ZOOMでの座談会を設けるので
参加してほしい」という連絡があり
年が近い社員のリアルな話が聞ける
貴重な機会ということで
姪だみはワクワクしながら
参加しました。
しかしその座談会の後
姪だみはゲッソリした顔で
マジだみおばちゃ〜ん。。。と
ヨロヨロしながら倒れ込んできまして
普段からあまり喜怒哀楽を見せない
姪だみのその姿に
マジだみは驚いてしまいました。
どうやら
座談会が始まってからすぐ
ミニだみはいきなり
顔面パンチを食らったような
衝撃を受けたようです。
。。。え?
9:00〜20:00の勤務時間は
シフトじゃなくて固定なの?
履歴書を送る前に確認した
B社求人の資料にも
勤務時間は9:00~20︰00と
明記されていましたが
カラオケのバイトをしている姪だみは
その勤務時間がまさか固定だとは思わず
てっきりシフト制なのだとばかり
思い込んでいたです。
しかし、座談会に出席した
2人の社員の話から
それはシフトではなく固定だと判明し
20:00まで働くのが当たり前と
言わんばかりの社員の態度に
姪だみは唖然としました。
クリエイティブ系の企業は
その仕事の特性上残業が多く
そのためお給料に
「みなし残業40h分含む」
という条件が書かれてあることは
珍しくないのですが
それでも既定の終業時間
=拘束される時間は
どこも18:00前後で
それ以降残業するしないの決定権は
従業員にあり
残業するにしても
プライベートの用事があれば
一旦会社を抜けることができますし
たまに定時で上がれた時は
友達とアフター5を楽しんだり
さっさと帰宅して
溜まった録画を観たりと
平日でもリフレッシュ出来ます。
しかし、定時が20時だと
プライベートで抜けることはおろか
歯医者など病院へ行くことすら
ままなりません。
社員全員の定時が20時と聞いて
ドン引きしたのは
姪だみだけではなかったようで
他の学生から
「定時が20時だと疲れませんか?」
という質問が飛んだようですが
社員からは
いえ、全然疲れません!!の
即答にプラスして
むしろ足りないくらいですよ、
当然その後も残業しますし
社員によっては
7時に出社して仕事してますから、と
昔でいうモーレツ社員を
アピールしています。
そして彼らは長時間働く意義として
「成長したい」「自己実現をしたい」
という意味合いの話を展開し
意識高い系の本にでも
出てきそうなビジネス理想郷の住人に
己の姿を見い出し
陶酔しているようでした。
。。。。。
。。。。。
マジだみも若い頃は
毎日終電で帰宅し
翌日9時に出社する、という
狂ったブラック企業に勤めていたので
若者が仕事に熱中する気持ちは
分からなくもないですが
それは
翌日のプレゼンに間に合わせる為だとか
お客様の急な仕様変更に要望に
応える為だとか
そんな感じで
お客様の要求に合わせることが
自分の責務であり
それを完遂するために行った結果が
ブラック残業なわけで
仕事に追われている時に
「成長するため」
「自己実現するため」なぞ
1ミリも考えた事はありません。
。。。で、
そんな生活を7,8年くらいやってたら
いつの間にか知識や実務経験が付いて
転職が楽になり
50代の今、当時を振り返って
「あの時が一番成長したな」と
感じられるようになりました。
つまり、
本質的に自分の成長を実感出来るのは
10年以上の長いキャリアを
積み上げた後の話であって
成長過程においては
「成長した」ではなく
「まだまだ自分には足りない」と
感じるのが普通です。
ましてや
他人のふんどし(資金)でやる仕事で
「自己実現したい」なぞ
おこがましいにも程があるというか
そんなに自己実現したいんだったら
お前のカネでやれや、というのが
マジだみの率直な感想です。
それに、
長時間労働こそ
意識高いビジネスパーソンのあるべき姿
という考え方について
実業家が
クソ忙しいのは仕方ないにしても
サラリーマンが毎日
9時5時で仕事が終わらせられないのは
効率が悪い仕事のやり方をしているか、
あるいは
会社組織が未熟だからのどちらかであり
他人への自慢にもならない話
なのであります。
姪だみから座談会の話を聞いた瞬間
上記の内容が走馬灯のように
マジだみの頭の中を駆け巡ったのですが
そんな話を
今の姪だみに聞かせても
馬の耳に念仏なので
余計な口を挟まず
姪だみの話を最後まで聞いておりました。
姪だみは話の途中
顔をくしゃっと歪ませて
このB社の座談会に参加した
最後の方は
苦しくてしかたなかった、
B社の面接に進むためには
自分に嘘をついて、
演技してでも
B社の考え方に賛成です!って
目をキラキラさせなきゃ
いけないんだけど、
自分がその演技を続けられるか
自信がない、と
こぼしています。
普段はおっとりしている
姪だみのその考えに
マジだみは驚きまして
いや、そんなドン引き状態で
面接に進むなんて
精神衛生上よくないから
止めた方がいいよ。
B社に魅力を感じる人なら
全然進んで良いと思うけど
違和感ばかり感じるなら
辞退することが
姪だみのにとってもB社にとっても
時間が無駄にならなくて済むんだよ、と
姪だみを説得し
その上で
B社に対してドン引きしたり
違和感を感じることは
姪だみの心が弱いから、
というのではなくて
姪だみの心が正常な証なんだよ。
私が姪だみなら
たとえ給料が良くても
このB社は
労基法の目をくぐり抜けたりと
色々問題が多そうだから
関わり合いにならないようにするわ。
そんな話をすると
姪だみはホッとした表情になり
落ち着いてきました。
それにしても
B社はWEBデザイナーの募集をしている
企業なんだよね?
なんでB社はハードモードな
雰囲気なんだろう?
デザイナーは
そんな気合い入った連中じゃなくて
もっとクールというか
大人しい感じの人間が多いんだけどね。
マジだみが率直な疑問を呈すると
あ、と姪だみは思い出したように
WEBデザイナー含めて
総合職採用での募集だから
座談会に出席した社員は
営業の人だった、と説明します。
少数精鋭のベンチャーで
WEBデザイナーを
総合職で採用。。。。??
マジだみはそのうさん臭さに
鼻が曲がりそうになりました。
あー、そりゃ釣りだよ、釣り。
WEBデザイナーこそ
ジョブ型雇用な職務なのに
なにが総合職採用だっつーの!
普通に募集しても
人材が集まらないから
WEBデザイナーとか
なんちゃらクリエイターとか
専門職性を匂わせて
就職後に人事的考察で
あなたは営業職になりました!
ってオチで終わるよ。
マジだみが
ちょっと怒ったように言うと
姪だみは自信のない自分の直感が
あながち間違っていなかったんだと
元気が出てきたようでした。
それにしても
なんで意識高い系ではない姪だみが
B社への面接を
無理してでも受けようと考えたのか
ちょっと不思議だったのですが
後日、その理由が判明しました。
実は、A社の内定が出た後
姪だみは意気揚々と
マジだみの妹夫婦(姪だみの両親)に
内定の報告すると
義弟(姪だみの父)がA社へのダメ出しを
色々出したらしく
まだ選考が残っている企業も
最後まで就活するように、と
言い含められていたようです。
。。。。。。。。
。。。。。。。。
ったく、こんな時に
余計な口出ししやがって。
義弟のダメ出しは
営業や販売などの一般的な就活なら
外せないポイントではあるものの
クリエイティブ系は
特殊な職業であり
一般的な就活でのチェックポイントとは
異なる考察をしなくてはいけないので
デザイナーだったマジだみからすると
義弟のダメ出しは
明後日の方向ばかりなのです。
。。。まぁ、
空想の世界に生きる姪だみに
公務員の仕事を進めてくる義弟だから
あさってのダメ出しも仕方ないか。。。
義弟はコミュ力が非常に高いのですが
子どもを見る目は
全然高くないようです。
姪だみの就活に話を戻しまして
こういっちゃアレですが
WEBデザイナーという狭い範囲でしか
就活していない
就活弱者の姪だみですので
意識高い系のベンチャーに
引っかかるとは
思っていなかったのですが
姪だみですら
今回の事態に遭遇したという事は
普通の文系学生が就活をしていると
B社みたいな
変なベンチャーに当たることが
とても多いだろうと予想できます。
最近は一部の学生を除いて
律儀で頑張り屋の学生が
増えているので
学生によっては
変なベンチャーばかり当たってしまい
それが「社会人として当たり前」と
言われてしまったら、
就活からずいぶん苦しい目に遭うことは
火を見るよりも明らかで
当然、そんなベンチャーに入社しても
時間を置かず適応障害を起こしてしまい
退職を余儀なくされるでしょう。
少し前に
退職代行サービスが話題になっていましたが
一部のゆるい人間を除いて
多くは適応障害を起こした人だというのは
想像に難くありません。
若い人は日本の宝物なのに
潰されていくのを見聞きするのは
何ともやりきれない
気持ちになります。
令和なのにもかかわらず
ネットでも動画でも
昭和のモーレツ社員みたいな
意識高い系思考の学生が
礼賛される風潮が
マジだみには不思議で仕方ないのですが
マジだみの娘ミニだみのように
ブラックだとわかっていて
国家公務員一般職に邁進する
頭のおかしい
筋肉スタミナ女子はともかく
多くの学生さんには
親御さんや信頼できる大人の後方支援
(誘導ではなく支援です)は
あった方がいいと
マジだみは改めて実感しました。
今日もくさくてゴメンなさい。