マジだみが昔

インテリアデザイナーのお仕事を

していた頃

 

お客様の心に刺さるような

素敵な空間づくりをするのに

欠かせないアイテムの一つが

観葉植物なのだと

デザイナーになって

ずいぶん時間が経ってから気づきました。

 

都会育ちの方には

そんなの当たり前じゃないかと

思われるかもしれませんが

 

田舎の山育ちのマジだみには

植物があまりにも身近すぎて

とげとげの葉っぱで怪我をしたり

葉の裏に隠れている毛虫に刺されたりと

植物やその仲間たちから

痛い目にあわされた記憶の方が強く

 

植物は近づくもんじゃない

遠くから眺めるもんだ

という意識から

美術系の大学でデザインの勉強をしていた時も

内装設計事務所の新人として

連日徹夜で図面を書いていた時も

 

植物のしの字も

考えたことはございませんでした。

 

 

しかし、デザイナーとして

そこそこの実務経験を積んできた頃

 

先輩デザイナーの手伝いで

億ションのモデルルームを設営するために

現場に入り、

運送業者さんの手で次々と搬入される

高そうな食器や大型の絵画など

高級インテリアアイテムの中に

立派な観葉植物を見た時

 

マジだみはその植物の放つ存在感に圧倒され

呆然とつっ立って眺めていたことを

今でも覚えています。

 

※↑モデルルームのイメージです

 

そのことがきっかけで

マジだみは自分ちにも

オシャレな観葉植物を置きたいと

考えるようになりました。

 

 

当時は富裕層相手に

仕事をしておりましたので

 

オシャレな観葉植物には

どんな種類があるのか

どこで入手できるのか

そんな知識だけは持っていたのですが

 

実際に自分ちに置いてみると

次から次へと枯らしてしまいます。

 

その殆どは根腐れが原因でして

水を与えすぎないように

気を遣っているつもりなのですが

ついにサボテンを枯らしてしまった時には

マジだみは植物に近づくなという

神様の思し召しなんだと思い

 

それから一切

観葉植物に手を出さなくなりました。

 

 

そんなマジだみの小さな決心を

いとも簡単にぶっ壊しに来るのが

認知症を患い始めたマジだみの母です。

 

 

去年の母の日あたりに

何を思ったのか

母が娘のマジだみに対して

「母の日のプレゼント」と称して

鉢植えの胡蝶蘭を贈ってきました。

 

うげぇ。。。。

また手入れが面倒くさそうなヤツ

贈ってきやがって。。。。

 

つか、母の日に

母が娘へプレゼントって

なんだよ。。。。

 

マジだみ自身が

母へ何も贈り物をしていなかったので

罪悪感も相まって

ガックリ項垂れてしまいましたが

 

「ほめて!ほめて!」と待ち構えている

母を目の前に文句は言えません。

 

仕方なく

「ありがとう、すごくきれいね~」と

笑顔で母に感謝を伝え

満足そうに頷く母に背を向けたマジだみは

この胡蝶蘭をどこに置こうか迷い

 

とりあえず

マジだみんちの中で一番明るい

天窓の下に置いておきました。

(家の隅の目立たない棚の上です)

 

 

それから約1か月間

マジだみは仕事やなんやかやで

バタバタと忙しくしておりまして

胡蝶蘭の存在を

すっかり忘れておりました。

 

そしてある日

トイレで用を足した後

ふと胡蝶蘭のことを思い出したマジだみは

しまった!と焦り

枯れているであろう胡蝶蘭の姿を想像して

げんなりしながら

胡蝶蘭を見に行きました。

 

 

ところが胡蝶蘭は

なんてことない顔をして

贈られた来た時と同様

立派な花を咲き誇らせています。

 

。。。あれ?

枯れてなかったんだ。。。。

 

驚いたマジだみは

改めて胡蝶蘭の育て方をネットで調べますと

胡蝶蘭は熱帯の植物であり

多湿を好むが水やりはあまりしなくて良い

とあります。

 

そうなんだ。。。

最近は梅雨で空気が湿ってるから

もし根っこに水がなくて困ってても

胡蝶蘭なら空気から

水を吸収してたのかもしれないな。

 

マジだみはそんな風に

勝手に解釈しました。

 

 

ですが、さすがにこれ以上

水やりをしないのはまずいと思い

 

胡蝶蘭の足元に敷かれた水苔

(土の代わりになる保湿材)が

カピカピに乾いていることを確認して

 

胡蝶蘭をキッチンへ移動し

シンクで水をじゃぶじゃぶと掛けてから

しっかり水切りをして

また元の天窓の下へ戻しました。

 

 

そんな感じで

だいたい3週間おきに水苔を確認して

水苔がカピカピに乾いてたら水をやり

あとは放置プレイ、という

大雑把なやり方で

胡蝶蘭の様子を見ておりました。

 

 

その結果

9月上旬くらいまで花を咲かせ続けるほど

胡蝶蘭はロングランを達成したのでした。

 

 

そして10月、

丸ハゲになった胡蝶蘭をどうしようか

マジだみは悩んでいました。

※写真をお借りしました

 

 

ネットには

胡蝶蘭が翌年も花を付けられるように

保管する方法が書かれています。

 

とはいえ

なんといってもマジだみは

植物枯らし女王ですから

 

せっかく保管していても

また枯らしてしまう気がして、

そう思った途端マジだみの本性である

面倒くさがりが顔を出しました。

 

あー。。。もう、いっそのこと

捨ててしまおうか。。。

 

しかし、胡蝶蘭の葉っぱは

みずみずしく青く輝き

「オイラ、まだまだ生きてますぜ」と

マジだみに

主張しているような気がします。

 

 

無言で葉っぱと

にらめっこしていたマジだみは

葉っぱの主張に負けまして

 

捨てない代わりに

そんなに面倒みないからね!と

心の中で啖呵を切ると

マジだみはまた胡蝶蘭を天窓の下に置いて

今までと同じように

そのまま放置していました。

 

そして迎えた冬。。。。

お日様の光が降り注ぐとはいえ

2月の夜の天窓の下は5℃にも届きません。

 

胡蝶蘭の天敵は寒さなので

一瞬、防寒のために真綿みたいなもので

くるんであげようかと思いましたが

 

少々黄ばんだところはあるものの

葉っぱは元気そうに青々しています。

 

 

マジだみは葉っぱに

面倒みないからね、と

伝えていますので

 

根っこがカラカラに乾燥したら

少し水を掛ける程度にとどめ

心の中で「とりあえず頑張れ」と言って

また天窓の下に放っておきました。

 

 

そして今年の春、

 

葉っぱの1枚は

お陀仏になってしまいましたが

何とか自力で越冬を成功させたらしい

胡蝶蘭は

丸ハゲになった茎の脇から

にょきにょきと

新しい腕を生やしてきました。

 

その腕は他の場所からも

にょきにょき生えてきまして

 

時間が経つと、それらの腕には

次から次へと

丸い膨らみがポコポコと出てきます。

 

 

そして

ゴールデンウィークを過ぎたあたりで

その丸い膨らみが弾けて

いくつもの花を咲かせました。

 

 

 
 
丸ハゲとなった茎の先端にも
花が付いています。
 
 
前の年みたいに新しい腕(茎)を
支柱に留めていないので
胡蝶蘭の花たちは好きな方向へ
てんでバラバラに咲き散らかしています。
 
なので
胡蝶蘭の定型的な美しさは
見られないのですが
これはこれで迫力があって
綺麗だなと思いました。
 
 
それにしても、
ほとんど手を掛けてないのに
よくぞ枯れずに越冬出来たな。。。
しかもこんなに立派な花までつけて。
 
瞠目するマジだみを
胡蝶蘭の葉っぱはニヤニヤしながら
見上げているような気がしました。
 
というワケで
植物枯らし女王と丸ハゲ胡蝶蘭の対決は
丸ハゲ胡蝶蘭の圧倒的勝利に終わったのでした。
 
 
今回の一連の出来事で思い知ったのは
 
マジだみは何かに執着すると
相手を身近なところに置いて
相手を枯らしてしまうという事
 
それとは逆に
家の中で一番明るいところに放置して
死なない程度に水やりをすると
元気いっぱい育つという事、で
 

今日も元気に無断外泊&朝帰りで

いつの間にか自室の布団にもぐり込み

いびきをかいて寝ている

筋肉スタミナ娘ミニだみのあぶら顏が

あのつやつやした葉っぱに見えまして

 

ほったらかして正解だったなと思う

マジだみなのでした。

 

今日もくさくてゴメンなさい。イヒ