マジだみは時々

思い出したように
高1娘ミニだみの通うMARCH付属高校の
ホームページをチェックしています。イヒ


その目的は
高校がホームページで発信する
「お知らせ」を確認することでして

別段
ホームページを見なくても
保護者向けの重要なお知らせは
クラスで配られるプリントで
把握出来ますし

また
年間行事のスケジュール表も頂いているので
学校から発信される情報を
取りこぼすことはほとんど無いと
思うのですが真顔


半年ほど前の
成績不振が続く受験生だった
深海魚ミニだみのために

ちょっとでも有益な情報が
新たに掲載されているのではないかと
マジだみはストーカーのごとく
このホームページに張り付いておりまして

そんな
藁にもすがる思いで見続けていたせいか
いつの間にか高校のホームページが
マジだみの精神安定剤と変化し

ミニだみが入学して
随分経つのにも関わらず

マジだみは無意識に
スマホの画面をこのホームページへと
滑らせてしまいます。もぐもぐ



そんなワケで

マジだみが通勤電車の中で
久しぶりに高校のホームページを
覗いてみますと

今年度の受験生とその親御さんに向けた
学校見学会のイベント情報が
掲載されておりました。うーん


。。。ああ、そうか

もうそんな時期なんだ。。。

ミニだみの受験はとっくに
終わったんだよなぁ。。。。。もぐもぐ



受験生のミニだみが
「受かる気がしない」と泣きべそをかくのを

親が子どもと一緒に不安がってどうする!と
必死に平静さを装い
ミニだみに接していたマジだみの体験は
思いのほか強烈でぼけー

ふいに直射日光が目に飛び込み
太陽の残像がまぶたから消えないのと
同じように

ミニだみの学力が
この高校に届かないのではないか、
という不安の残像が
マジだみの心に焼き付いておりゲホゲホ

数ヶ月経った今

ホームページのお知らせから
未来のミニだみの後輩達の姿を
思い浮かべたことで

ぎゅうぎゅうの満員電車の中でしたが

マジだみはようやく
我が子の高校受験というくびきから
解き放たれた
安らかな気持ちになりました。にやり



お知らせに掲載されている
学校見学の開催日は

偶然、マジだみがお役目を担っている
クラス代表委員の会合の日と
被っています。うーん


去年
ここの学校見学に
行かずじまいだったマジだみは
それがどんな雰囲気なのか興味が湧き

会合が始まる時間より少し早めに
学校に行って
その様子を見てみようと思いました。もぐもぐ



そして学校見学会の日

朝の10時を過ぎる頃
マジだみが学校に到着すると

いつもはシンと静まり返える
正面玄関には
色々なデザインの制服を着た中学生と
キレイめファッションで身を整えた
親御さんがひしめいています。ぶー


うひゃー。。。
見学の皆さん気合い入ってるなぁ。


去年の今頃は
この高校の存在さえ知らず

受験の事も自分の未来もお預けで
バレーに明け暮れていた
部活脳ミニだみとは比較にならないくらい

今日集まった中学生の子達は
皆さん既にエンジンが掛かっていて
受験に対する意識が高いように感じます。キラキラ


玄関先の受付に並ぶ見学者の行列の脇を
通り抜けたマジだみは

見学者の誘導にあたる先生に
在校生保護者カードを提示して
受付台の横を通してもらい

ミニだみがいる1年生の教室が並ぶ
廊下に出ると

そこにも沢山の見学者の方々が
興味深そうに教室を覗き込んだり
廊下に張り出された掲示物を
眺めたりしています。うーん



大学入試制度の改革や
私立大学合格者の絞り込みの影響を受けて

数年前から
首都圏では早慶MARCH付属高校、
関西では関関同立付属高校の人気が
メディアで取り沙汰されておりまして

ミニだみが受験した2019年度も
多くの付属高校は
軒並み倍率を上げたようでしたが

この人の多さを見ると
教育業界に疎いマジだみでも
今年も付属高校の人気は
続くだろうなぁ、と感じますが

この人気ぶりに一番驚いたのは
他でもない
付属高校の先生方だったようです。真顔



ミニだみの通う高校の先生方は
その人気ぶりをある程度考慮して

一般受験では例年より少し高めの
ボーダー(合格最低ライン)で
合否判定を下したようですが

その合格者の中で
いつもなら公立高校に逃げるだろうと
思われる優秀な層の生徒さん達が
まさかの入学という事態となり

先生方の予想を上回る数の生徒さんが
ミニだみの同級生となりました。アセアセ


付属高校を付属高校たらしめるよう
学校運営を行わなければいけない
先生方は

付属の大学への内部進学希望者の数と
大学から与えられる推薦権の数との
バランスや
教員の配置などを考える責務があり


優秀な生徒さんが入ってくれるのは
有り難いことなのでしょうが

入学者の歩留まりの見極めが
難しくなった。。。と
頭を抱えているのが正直なところで

高校の偏差値が上がるぞ!と
喜んでばかりもいられないようです。もぐもぐ


この「歩留まり」とは
募集定員に対して
なるだけ入学者の数を合わせるための
ロジックのことで

基本的に
合格辞退の出来ない公立高校では
定員の数だけ合格者を出せば良いので
歩留まりを考慮する必要はありませんが

(※合格辞退の法的拘束力はなく
東京都の都立トップの日比谷高校では
今年は合格辞退者が出て
二次募集をかけることとなり
メディアでちょっとした騒ぎに
なったようです)

私立高校。。。特に
併願優遇(滑り止めの制度)を設ける高校では
大量の合格辞退者が出るので

定員に対して
何倍もの合格を出さざるをえず

従って
歩留まりの見極めは非常に困難で
毎年入学者のバラツキがあり

正規の教職員だけでは回せず
臨時職員を雇っているところも
あるようです。うーん


そういえば
長く続いた不景気が
若者の安定志向を生み

ミニだみが通う高校の付属の大学では
希望する就職先の上位に
いつも公務員がランクインしていて

その中の教職のお仕事も
やはり人気の職種となっているようですが


少子化の一途をたどる昨今

公立の学校でも私立の学校でも
正規の教職員の空きがなかなか出ないことで
競争が激化し

正規職員になることが出来ず
長く臨時職員に甘んじたり

教職員の道を諦めて
塾の講師に己の道を見出だす方もいる、と
メディアは伝えています。



そんな臨時職員の方々で
先に述べた併願優遇を設ける私立高校に
勤めている人もいらっしゃるかと
思われますが

それに対して
ミニだみが通う高校の先生方は
皆さん正規の教職員のようで

私立高校ですから、公務員ほどの
安定感はないかもしれませんが

MARCH大学という大企業が
バックにあることで
そうそう経営難に陥ることも
なさそうですし

公立高校に勤める
公務員の先生ならではの
転任の煩わしさもないですし

職場の環境と自分の性格や嗜好が
マッチングすれば

ミニだみの通う付属高校ほど
教職員を目指す方々にとって
長く楽しく勤められるのではないかと

マジだみには感じられます。もぐもぐ


と言いますのも

ミニだみ曰く
「ウチの学校の先生は変わった人が多い」
という話から察するに

先生方はその専門分野において
当たり前ではありますが
結構なオタク率のようで

大学受験の指導という足枷がない分

定められた学習指導要項に沿っていれば
ある程度は自由にカリキュラムを
組み立てられるからか

ある昆虫に博学の知識を持つ
生物の先生は

授業中、その昆虫を話を
軽く2、3限は潰せるほどに
嬉々として語り続けるとのことで

昆虫嫌いな生徒には
たまったもんじゃなかろうショック、と
マジだみは同情する一方

自分の大好きな話を
誰に邪魔されもせず延々と語れる環境は
先生にとって楽園なのだろうと
思われます。キラキラ


また、マジだみは
クラス代表委員の企画のために
何度か職員室に行く機会があるのですが

先生方は一様に穏やかな雰囲気で
過ごされていて

少し前に開催された
保護者と先生達との懇親会でも
ブラックな職場にありがちな
ギスギスした様子もなく

保護者の手前、ということも
あるとは思いますが
終始にこやかに歓談されている
先生方を見て

職場の人間関係で苦労したマジだみは
少し羨ましく感じました。もぐもぐ



そんなことをつらつら考えながら
マジだみは校舎の奥にある
大会議室に向かい

クラス代表委員の会合に出席して

PTA会長さんから
高校や大学における耳慣れないイベントの
報告を聞いておりました。にやり


会合が終わり
マジだみが帰り仕度をしていると

先生達との連絡役として出席されていた
体育の先生が
近くに座る代表委員のメンバー達と
何かの話で盛り上がっていたので

ちょっと興味をひかれたマジだみは
その輪の隅に移動して
先生とメンバー達のお話に
耳を傾けていました。



その体育の先生は
とある球技の部活顧問の先生で

どうやら部活の大会の結果報告を
披露されているようです。うーん


今年度は
惜しくもインターハイ出場とはならず

しかし念願のベスト8達成と
去年よりもかなり良い成績で
終えることが出来た、とのことで

訳知り顔のメンバーのひとりが

「先生も学生時代はそのスポーツで
結構有名な選手だったんですよね?」
と話を振ると

ええ、僕は学生の時
全国の代表に選ばれていました、と
先生は照れ笑いを浮かべています。にやり


へぇー!凄いですねぇ!と
メンバー達の喝采に

いやいや
僕の周りにはもっと凄い奴らが
いましたから、僕は全然。。。と
謙遜しつつも
笑顔で語る先生の経験談から

先生はよほどそのスポーツが好きなのだと
マジだみには感じられました。ほっこり


ふと疑問を抱いたマジだみは

「そんなにご活躍だったのに
実業団には行かれなかったのですか?」と
先生に問いかけると

少し面を正した先生は

「ああ、
お誘い下さったチームはありましたけれど
色々キツくてですねぇ、

もう、僕は選手ではなく
教える方が良いなぁと思いまして
教員の方に転向したんですよ」と

打ち明けられました。真顔


「でも、実業団でなくても
先生のお仕事でなら全国の経験を
部活で生かせますし

何より部活の子ども達に
良い刺激になりますよねぇ」と

誰かが合いの手を入れると

そう言ってくださると有り難いです、と
先生は頭を掻いています。うーん


ますます興味を持ったマジだみは

「じゃあ、こちらの学校には
どなたかのご縁で来られたんですか?」
と探りを入れると、


「いえ、
昔はそういうので来られた先生も
いらっしゃったようですけど

近年は
一般募集でのみ採用しているみたいで
僕もそれで採用されたんですよ」と

マジだみの面倒なツッコミに
先生は嫌な顔ひとつせず
爽やかな顔で答えてくださいます。キラキラ


この話がどこに向かうのか
他のメンバーは黙って
聞き耳を立てている様子なので

調子に乗ったマジだみは

「でもこの高校の教員募集だと
大学付属の高校ですし
先生は人気の職種だしで
競争率が高そうですよねぇ」と
少し持ち上げますと

先生は

ええ、僕の時は
100倍だったみたいですね、と
さらっと答えられました。



「。。。。100倍?!!」ガーンポーンびっくりびっくり
(メンバー全員唱和)


えー!ここの先生になるのって
そんなに倍率高いの?!と
ちょっと、先生って凄いですねぇ!と

メンバーは口々に驚きの声を
あげています。



顎が外れかけたマジだみでしたが
気を取り直し
週刊誌の記者さながらに

「因みにその勝因は何ですか?」と
先生にマイクを向けますと

うーん。。。何でしょうねぇ。。。と
頭を伏せた先生は
しばらくの後に少し顔を上げて

まぁ、多分
僕の学生時代の経験が買われたのと

面接官の方の
「あなたはスポーツでの上下関係を
どう思いますか?」って質問に

「上下関係は全く興味ありません」って
答えたのが
良かったのかも知れませんねぇ、と
呟いています。


「上下関係に全く興味ないんですか?」
とのマジだみのおうむ返しに

「ええ、
僕の現役時代は
上下関係がやたらと厳しくてね、
もうこんなのはイヤだと
心底思っていたんですよ」と

先生は苦笑いをしています。


「じゃあ
強いチームになるためには
上下関係は必要ないと?」
とのマジだみの取材に対し

全く関係ありませんね、と
先生はキッパリと答えられました。



なーるほど。。。。もぐもぐ


そういえば、この高校では
ミニだみの所属するバレー部を含めて
厳しい上下関係を持つ部活は
ほとんど見られず

誰が先輩で誰が後輩なのか
ほとんど見分けがつかないほど
学校全体が
和気あいあいとしています。


それは
「皆で知恵を分かち合い
皆で生み出していこう」と説く

この付属高校の建学精神に
ぴたりと寄り添ったモノで

またその精神は、生徒以上に
生徒を指導する先生方にも
強く求められるのでしょうし

人事採用においても
その人物の来歴に基づくものでなければ
ならないのだろうと
マジだみには思われました。もぐもぐ



それにしても100倍かぁ。。。

人気の職種とはいえ
付属高校に就職するなんざ
宝くじを当てるようなもんだよな。。。


この付属高校に
第一志望で入学出来た
ミニだみのような受験生以上に

この付属高校の採用試験で
合格をもぎ取った先生方も

その喜びはひとしおなんだろうなぁ。もぐもぐ



10年後
大学入試改革が終わり
業界全体が落ち着くのと平行して
付属高校の受験倍率も
落ち着いていくのでしょうが

付属高校への就職倍率は

少子化が止まない限り
もっと加速しそうな予感がします。



今日もくさくてゴメンなさい。イヒ