投資に慣れた方からすると

当たり前なアクション過ぎて

お恥ずかしいのですが

 

個人投資家のブロガーさんに触発され

マジだみとタヌキ亭主は

50代になって初めて「株」を買ってみました。

 

 

と言っても

ベテラン投資家さんには絶対敵わないので

株の売買で利ザヤを稼ぐようなことはせず

配当金が落ちてくるのを口を開けて待ったり

株主優待でちょっとお得感を得る

ゆるーい投資です。

 

 

で、届いた優待券は

投資に興味ある方は皆さまご存じ

東急不動産の「ホテルハーベスト」の宿泊券。

 

無料宿泊券ではなく有料宿泊券で

平日素泊まりでも

結構な金額が取られるので

使いづらいという批判もあるようですが

 

居心地の良いホテルには

トンと縁のないマジだみ夫婦、

こういうモノでも持たないと

キャンプ至上主義のタヌキは

素敵ホテルへの旅行に応じてくれないので

 

優待の期限切れとなる1ヶ月前の12月上旬

マジだみはタヌキの首根っこを掴んで

ホテルハーベストがある観光地のひとつ

軽井沢に行ってきました。

 

 

 

。。。で、

新幹線で軽井沢駅に降り立って

今更なことを思い知りました。

 

冬の軽井沢では

寒がりのマジだみは

スキー以外何もすることが出来ない。。。。

 

 

 

 

夏の軽井沢だと

旧軽井沢銀座やプリンスアウトレットで

ウィンドウショッピングを楽しんだり

ドライブやサイクリングで

景色を楽しんだりと

楽しいことが沢山出来るので

ミニだみがまだ小学生のころは

毎年夏になると軽井沢へ行っていました。

 

しかし

冬の軽井沢にはスキー以外で訪れたのは

今回が初めてです。

 

空気がとても澄んでいて

白樺の木立が群青色の空に映えて

めちゃくちゃ綺麗なんですが

とにかく寒い!!!

 

 

一応、街中での移動は

レンタカーを使う予定なので

そのついでに

鬼押し出しなど自然豊かな観光スポットへの

ドライブも考えましたが

 

軽井沢は浅間山や妙義山など

雪被る標高の高い山々に囲まれていて

スリップ事故のことを考えると

好き好んで危ない場所に行くことはない、と

ドライブ案はすぐ却下することに。

 

もっとタヌキのお尻を叩いて

紅葉の季節までに来ておけばよかった。。。

 

 

こうなると

美術館など室内で温かく過ごせるところを

はしごして

なるべく早くホテルにチェックインするしか

頭に思い描くことが出来ません。

 

だけど、せっかく見どころ満載な

軽井沢にやってきたのにな。。。。

 

 

 

ふと、JR軽井沢駅の壁に取り付けてある

レリーフに目が留まります。

そこには「ショー記念礼拝堂」の姿がありました。

 

 

「ショー記念礼拝堂」は

軽井沢で最も古い教会でして

「軽井沢の父」と呼ばれる、カナダ人の

アレキサンダー・クロフト・ショー氏が

宣教師をしていた教会です。

 

↑ショー記念礼拝堂 1895年~

 

1895(明治28)年に

軽井沢最初の教会建造物として建立され、

1922(大正11)年までに増改築を行い

ほぼ現在の形になりました。

 

 

そんな歴史ある建物ですが

マジだみにもちょっとだけ縁があります。

 

この教会は

マジだみの母と親戚が入信している

キリスト教の一派「日本聖公会」の

中部教区の教会のひとつでして

今でも担当の司祭さんにより

礼拝、管理運営されています。

 

※「日本聖公会」は

全国に教区教会があり

総本山は立教大学チャペルです。

 

 

その「日本聖公会」のように

全国展開しているキリスト教界隈は

不思議な世界でして

 

たとえその地に縁もゆかりもなくても

同じ宗派の教会が建っているだけで

信者さんは勝手に親近感が湧いてきます。

 

全国転勤する司祭さんや

信者さんの親戚を経由して

人脈は全国に広がるので

 

初めて会う信者さん同士でも

誰か共通の知人がいたりして

一気に距離が縮まり

初めて出会って30分後には

まるで旧知の仲のように

お茶していたりします。

 

そんな感じで

教会のある場所は信者さんにとって

安心感と親しみを感じさせるのです。

 

 

 

マジだみは信者ではありませんが

幼い頃、頻繁に礼拝に参加させられ

「天にまします我らの父よ~」の

祈りの定型文を今でも暗唱できる

宗教3世なので

 

軽井沢に来たからには

いくら寒くても

まずは「ショー記念礼拝堂」に行かねば、と

タヌキに頼んで礼拝堂散策に

付き合ってもらいました。

 

 

 

 

 

平日の「ショー記念礼拝堂」は

オフシーズンという事もあり

誰もおらずシンと静まり返っていて

古い木造の建物ですが

その周囲はとても清らかな空気で

満たされているように感じられます。

 

いつ来ても素敵な建物だな。。。

。。。そういやこの建物は

誰が設計したんだろう?

 

 

日本で教会建築と言えば

チェコ出身のアントニン・レーモンド氏が

有名です。

 

↑アントニン・レーモンド(1888年 - 1976年)

 

 

彼は、世界的に有名な建築家

フランク・ロイド・ライトの元で学び

1919年に帝国ホテル設計施工の助手として

ライトと共に来日しました。

 

その後、レーモンドは

多くの日本人建築家に影響を与えまして

また日本に多くの建築物を遺しました。

今現在でも

レーモンドに師事した建築家の方々が

「レーモンド設計事務所」という名前で

渋谷に事務所を構えています。

 

 

軽井沢にもレーモンドが設計した建物が

残っており

有名なのはショー記念礼拝堂の近くにある

「聖パウロカトリック教会」です。

※日本聖公会とは違う宗派の教会。

 

↑聖パウロカトリック教会 1935年~

 設計:アントニン・レーモンド

 

おとぎ話に出てきそうな

可愛らしい建物ですよね。

 

レーモンドが設計した教会は全国にあり

わりと知られている教会としては

早稲アカ生にはおなじみのこちら。

 

↑立教新座キャンパス 聖パウロ礼拝堂 

 1963年~

 設計:アントニン・レーモンド

 

軽井沢の聖パウロ教会と名前が似ていて

ややこしいですが

こちらは軽井沢ショー記念礼拝堂と同じ

日本聖公会の北関東教区の教会です。

 

だったら、中部教区のショー記念礼拝堂も

レーモンド設計だったらよかったのに、と

レーモンド好きなマジだみは

ちょっぴり思ってしまいました。

(結局ショー記念礼拝堂が誰の設計なのか

わかりませんでした。。。。)

 

 

 

軽井沢に話を戻しまして

 

レーモンド設計の建物で

他に有名なのは

観光スポット「軽井沢タリアセン」の中に佇む

レーモンド自身の別荘「夏の家」です。

 

これまで何度か軽井沢に来ている

マジだみ夫婦ですが

 

軽井沢タリアセンは

軽井沢駅から少し離れていることもあり

まだ来たことがありませんでした。

 

↑夏の家(ペイネ美術館) 1933年~

 設計:アントニン・レーモンド

 

同じ木造でも

日本家屋とは違う作りを見ることが出来て

建築家を目指す学生には

良い見本だなと感じます。

 

 

そんなワケで

無計画に軽井沢にやってきたマジだみは

ショー記念礼拝堂を皮切りに

寒い寒いと言いながら

レーモンドの建築を見て回っていました。

 

 

ちなみに

マジだみにリードを付けられて

連れてこられた状態のタヌキは

と言いますと

 

本人が仕事で

大型木造建築の設計をしているせいか

マジだみ以上に

熱心にレーモンド建築を眺めていまして

マジだみ相手にあーだこーだと

建築に対する熱弁をふるっています。

 

おお、なんかタヌキが

元気になっているぞ。

 

そんなマジだみも

夢中で歩き回っているせいで

体温が上がり

寒さが気にならなくなってきました。

 

ブラタモリじゃないけど

やっぱり

建築探訪はひとりじゃなく

建築好きのパートナーと一緒に回ると

楽しいんだよね。

 

 

 

 

さて、「夏の家」も満喫したし

そろそろホテルに行くか。。。。

 

偶然ですが

マジだみ達が株主優待で宿泊する

ホテルハーベストは

「夏の家」のあるタリアセンの

隣に建っています。

 

 

最後に、タリアセン内にある

1911年築の旧軽井沢郵便局舎を転用した

「深沢紅子 野の花美術館」に

軽く立ち寄ってから

ホテルへ向かうことにしました。

↑野の花美術館 1911年~

 

 

美術館の木製の扉開けると

室内右手にお土産コーナー、

室内の奥の方に1台のピアノが見えます。

 

何の気なしにピアノに近づいた

そのピアノが

展示物だという事に気付きました。

 

 

。。。。。。!!!!!!

 

ピアノ横に掲げられた説明文を読んだ

マジだみとタヌキはあまりの衝撃で

無言で叫んでいました。

 

このピアノ、

フランク・ロイド・ライトが

デザインしたピアノじゃん!!!

 

フランク・ロイド・ライトとは

先述した通り

レーモンドの師匠であり

帝国ホテルを設計した人物です。

 

↑フランク・ロイド・ライトのデザイン

 野の花美術館の展示

 

 

フランク・ロイド・ライトは

建築の巨匠ではありますが

建築以外にも

照明器具や陶器のデザインもしていて

帝国ホテルで使われています。

 

フランク・ロイド・ライトデザインの

照明と陶器↓

 

この照明や陶器については

建築を学ぶ学生なら

皆さん知っているモノですが

まさかピアノまでデザインしていたとは

知らなかった!!

 

このピアノは西洋建築史に掲載すべき

貴重なピアノだと思うのですが

なぜ掲載されていないのだろう。。。

とても残念!

 

 

マジだみとタヌキがふたりして

「すごい!すごい!」と興奮していると

何事かと美術館の管理をしている方が

マジだみ達の所にいらっしゃいました。

 

マジだみが口角泡飛ばして

興奮しているワケを話すと

管理人の方は

なるほど~と頷きながら

 

このピアノがオークションに出た際

美術館のオーナーが知人から

「良い品があるよ」と教えられて

このピアノを買い付けたらしいです

 

という由来を教えてくださいました。

 

 

フランク・ロイド・ライトのファンは

世界中にいるはずなので

中国のお金持ちなら

億を出しても欲しがるかも!

 

などと、マジだみとタヌキは

勝手に盛り上がってしまいましたが

 

建築好きのマジだみとタヌキは

レーモンドが設計した夏の家の近くに

その師匠である

フランク・ロイド・ライトの作品が

展示されている、という奇跡に

大満足したのでした。

 

※建築好きな人間は

建築家の師弟関係やルーツを

辿ることこそ

建築探訪の醍醐味だと感じています。

 

ちなみに

これらの建物がある「軽井沢タリアセン」の

タリアセンとは

フランク・ロイド・ライトが名付けた

創造的集落の名前です。

宮沢賢治のイーハトーブに

似ていますね。

 

 

 

 

タヌキ亭主と結婚して四半世紀。

 

タヌキの人ならざるふるまいに

マジだみは幻滅させられたり

ウンザリすることが多々あり

 

一時期は離婚の二文字が

頭をかすめたことがありました。

 

だけど、建築を眺める時

タヌキはマジだみにとって

手離せない存在です。

 

ミニだみの存在もありますが

建築もまた

マジだみ夫婦にとっての「かすがい」

なのだな。。。。。

 

 

 

軽井沢に来てよかった!!

 

今日もくさくてゴメンなさい。イヒ

 

 

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宿泊したホテルハーベストの風景です。

こちらも思い出に残る素敵なホテルでした。