ゆっくり時間をかけて答えを出す、それは現代に生きる私たちにとってとても難しいことです。朝は目覚ましで起き、電車に乗る時間、約束の時間、ランチは何時から何時までにとらないと、あのお店は夜何時までやっていて…など、何から何まで時間で管理する日々の中で、削れるものはなんでも削っていきたい。「悩むこと」はその主たるもののひとつなのではないか、と思います。答えを出すために必要であろう情報はネットで検索すれば簡単に出て来て、悩み始めた瞬間に即座に答えを出すことを突きつけられるような気がして焦ってしまったり、早々に答えを出す人たちを眺めては、自分が劣っているように思えてしまったり。なんでみんなそんなに早く白か黒かに分かれていけるのだろう?と思っている方もいるのではないかなと思います。


もちろん、簡単に答えを出せる時もあるし、何年経ってもわからないことも。心の整理がついているかいないかでそのスピードは変わります。頭も心も、ネットの情報のように整然としているわけではないので、マインドを整理したり、フィーリングを受け入れていく作業が必要です。



個人的には悩むことはあまり悪いことだと思っていなくて、もちろん悩みなんてない方がいいけれど

生きている限り正しい答えなんてあってないようなもので、わかりようがないことの方が多かったり、本当にこれでよかったのかと自問自答する日々の方がよっぽど健全だと思っているのです。


これでいい、なんて一生思えないかもしれないし、これでいいと「決めて」しまうことはとても怖い。でも私たちは自分で決めた選択を一生信じていかなければなりません。


だから考えて、迷って、悩んで、苦しんで

しけから穏やかな広いところに一瞬でも出られたなら

私たちはこの人生を、愛しい誰かを、愛していると言えるのではないか、と。