弐話 後編 | SUNRISE☆ミ

弐話 後編

全て、ひらがなで書かれた、幼い頃の僕の日記。


文法がたまにおかしいのは、気にしないで欲しい。






さんがつ にじゅうななにち にちようび はれ




 きょうは、あたらしいかぞくができました。あたらしいおとうさんと、おとうとです。


でも、ぼくはのけものです。


 だってぼくだけいえで、おるすばんです。さびしいです。


きっと、あたらしいおとうとの『りゅうが』くんは、ぼくなんかより、いいこだから、


かしこいから、つれていってもらってるんだろうなぁ・・・




 ぼくってどうしていきてるんだろう。


 ぼくがいきてて、いみなんてあるのかな。








さんがつ にじゅうはちにち げつようび くもり




 きょうは、おかあさんと、あたらしいおとうさんに おこられました。


「どうして、あなたはりゅうがくんよりとしうえなのに」


「それでもおとこか!!この、のろまが!!!」




僕は、むねがギュゥ、といたくなりました。


ぼくにはもうだれも、やさしくしてくれません。もうだれもぼくのあたまをなでてくれません。


だれも、ぼくのことをだきしめてくれません。


だれもぼくのことを、ほれてくれません。


ぼくにとっては、すごく、すごくくるしいです。




だから、もうすぐ、しのうとおもいます。








さんがつ にじゅうきゅうにち かようび おおあめ




 きょうはぼくがしぬひです。ぼくはつらいです。こわいです。だから


これが、いしょになるんだろうなぁ。ぼくがしんだあと、これをみるひとがいるなら、


おとうさんも、おかあさんにもこのにっきは、みせないでください。


きっと、つぎはなぐられてしまうからです。






さよなら。








・・・僕はこの後、マンションの6階から飛び降りた。でも、死ねなかった。


飛び降りる寸前、流我君が部屋に入ってきて、言われたんだ。


「死なないで!!お兄ちゃん!!」  


馬鹿な僕は、その一言で死にたくない。生きたい。と思った。


 一番僕を邪魔だと思っていそうなあの子が、


僕を必要としている。


僕を、お兄ちゃんと呼んでくれた。それだけで、嬉しかった。




まだ、生きたい。神様、僕にチャンスを下さい。もう一度だけ。




その願いが叶ったのか・・・僕の身体は下にあった花壇の上に落ちて、一命を取り留めた。






それから、なぜか母さんも父さんも優しくなった・・・気がする。


余所余所しいような・・・




流我君は、僕に話しかけてくれるようになった。一緒に遊ぶようにもなった。


命の恩人だ、大切にしなくちゃいけない。






世界にはいろんな人がいる。


 僕より、つらい思いをした人もたくさんいるけど、僕にはこの三日間が今までで


僕の経験した、どんな事よりも思い出したくないこと。


そして変わろう・・・


過去にいつまでも囚われてはいけない。




さて、明日から寮生活だ。頑張らないと。と気合をいれてみた。