やっと観れた『君たちはどう生きるか』
宮崎駿の最後の作品になると思うと、哀しくてずっと観に行けなかった。
でも都内でも上映してる映画館も僅かになり、意を決して観に行った。
難解だと言う評判だったけど、ジブリファンにとっては、ジブリ作品の総集編!?と思うほど、今までの作品のシーンが織り交ぜられていて、眼福&胸アツすぎた❣
階段が壊れるシーン→千と千尋の神隠し
扉を開けると違う場所にいける→ハウルの動く城
中に浮かぶ島(石?岩?)→天空の城ラピュタ
木のトンネルをくぐる→となりのトトロ
矢が動く→魔女の宅急便
飛行機の窓→風の谷のナウシカ
産まれる前の命たち→崖の上のポニョ
等など…
最後の石の積み木は、三途の川の石を連想させるから生と死の境の世界。
そこにいるおおおじはこの世界の主だけど、血のつながった後継者が受け継ぐことはなく、世界はなくなる。
海が割れるシーンは、モーゼの神話を思わせるし、洪水が起きるシーンは、ノアの方舟を思わせ、創世記というか神話的な要素も感じさせる。
ラストは地球や宇宙を感じさせるシーンも。
義母を救う事が出来き、東京へ戻るところでこの映画は終わる。
実の母を救うことが出来なかった幼い少年が、自分の力で前へ進み、義母を救い、自立していく。
まさに『君たちはどう生きるか』、引退する宮崎駿が私たちに問う物語であった。
現代を生きる私たちは、自分の足で立たずだらだらと生きてしまうのかもしれない。
眞人君の、胸を張って前に進む姿が印象的だった。
そしてエンドロールで流れる米津玄師の『地球儀』が終わるまで、席を立つ観客がいなかった。
こんな素晴らしい作品を観ることができ本当に良かった。