古い映画を見る15「怪談おとし穴」成田三樹夫 渚まゆみ 船越英二 三条魔子 早川雄三 | ふらふら埋蔵さん日録

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息抜きで駄文綴ってマスよ?


 あの、成田三樹夫の主演作。というだけでDVDを購入した記憶がある。広い額に大きな鼻、一度見たら忘れられない風貌で、悪役しかイメージに残っていない。TVシリーズの「探偵物語」の刑事役も全く善人の香りがしない。
 で、この作品でも悪役。社長令嬢との結婚という餌の前に、自分の出世のために散々利用した同じ会社に勤務する恋人に、「出世のために愛のない結婚はするが、愛人関係は続けたい」などと弁明。この恋人役は「仁義なき戦い」第一作で亭主が殺害された後、ちゃっかりと「坂井の鉄ちゃん」こと松方弘樹の愛人になっていた渚まゆみ。
 妊娠三ヶ月の身で、もちろん納得するはずもなく、夜間に会社に呼び出されストッキングで絞殺される。ちなみに、このストッキングは会社のデスクの引き出しにしまってあったりする。
 成田さんは社長秘書をつとめるだけあって緻密な方で、
1.屋上から突き落とす方法 
2.絞殺して貯水槽に放り込む方法
・・・と、あれこれ模索する。
 貯水槽に放り込んで冷たさで蘇生した際には頭を押さえて溺死させるとか、いろいろシュミレーションをするが、これらのシーンはすべて映像化されている。渚さんを何度殺せば気が済むんだといった感じである。ちなみに予告編ではベッドの上で絞殺されるという本編にないシーンもある。
 「死体が腐乱した際に水道水が汚染され、ポンプに髪の毛が巻き付いて故障し修理時に発見される・・・」など、いろいろ考えた末、会社のビルのパイプシャフトの縦坑に死体を投げ捨てれば誰にも見つからないという結論に至る。・・・え、自分の勤務先で殺して死体を遺棄すんの?と、猛烈に突っ込みたくなったが、会社人間で、それ以外の発想がなかったということか?
 2ヶ月間の新婚旅行を兼ねた世界一週旅行を終えて、平然とその会社に業務部長として出勤する成田さん。並の神経でないと思わせながら、その後に続く幽霊騒ぎにさすがに神経をすり減らしていく。この騒ぎに渚まゆみの兄の船越さんが絡んでいたような描写はあるが説明がなくて全く不明。
 ついでと言っては何だが、ビルの警備員に早川雄三さんが出ていて、大映映画だと再認識。この人が鳥人戦隊ジェットマンに「じいや」役で準レギュラー出演した際には、まだ名も知らぬ人だったけど。
 そしてラスト、金槌で船越さんを殴り殺した成田さんが、唐突に開いたパイプシャフトに続く扉に引きずり込まれて縦坑に落下して「終」マーク。
 所蔵スチール0枚。

監督 島耕二 脚本 舟橋和郎 1968年大映作品 モノクロ78分
発売 株式会社KADOKAWA 角川書店 DABAー90972 2014年

 成田さんはその昔、秦野市が主催する「秦野たばこ祭」に「ミスターたばこ」として招かれ、「ミスたばこ」とともにパレードをしている。だが、「ミスターたばこ」は、人気がない企画で数年で中止。当然残っているパレード写真も「ミスたばこ」が中心で、その遙か後方に豆粒のように成田さんの顔が確認できるものしかない。どなたか成田さんの「ミスターたばこ」写真を持っていませんか?