うるるるるるるん。
前回までのあらすじ
ビビりのだいすけは、一人旅2日目にして、日本語恋しさにタイ人?夫婦に付いて行ってしまう。いつの間にか賭けトランプをやる羽目になり、その相手はマンガからそのまま出てきたような恐いおじさま。賭けの続きは後日ということになり、自分の全財産の半分である約35万円を含む、何百万円という大金が入ったアタッシュケースと携帯電話を持たされ、一人見知らぬホテルに泊まることに、、、。
大金の入ったアタッシュケースを外に持ち出すのも、部屋において外に出るのも恐い。結局その日は飯も食わず、部屋に置いてあったペットボトルの水を大事に大事に飲んで過ごした。映りの悪いテレビが更に不安を募らせ、空になったタバコの袋を握りつぶす。無理やり眠ろうとするけれど、羊の数は増える一方だ。
、、、なんてちょっと小説っぽく書いてみたけど、明かり点けたまんまサクッと寝たな、確か。繊細じゃなくて良かった。
朝早くに目が覚め、ひたすら電話待ち。自分の35万よりマフィアッチのお金を持っていることが恐すぎる。
あ~さっさと開放されて~
いつ電話がかかってくるか分からない自分は、あらゆる方法で時間を潰した。
筋トレをした。仲間にもらった手紙を読んだ。いつもより長く歯を磨いた。妄想で楽しい事を考えた。
、、、悲しすぎる。
pi pi pi pi pi ... 電話だ、、、「はろー?」
「オハヨゴザイマス、ヨクネタネ?カバンダイジョブ?」、、、日本語が一番うまい奥さんだ。
だいすけ:「うん、大丈夫。待ってればいい?」
奥さん:「オカネ デキナイネ マダ。モウスコシ マツネ。マタ デンワ スルネ。」
だいすけ:「え?何で?っつーかここで待つの?違う所行っていい?」
奥さん:「ン~、マァイイヨ。デンワモッテテネ。カバン ナクス キヲツケルネ。アシタ デンワスルネ。バイ」
はー?ふざけんなよ!?いつまでこんなの持ってなきゃいけねぇーんだよ!!!
あの、、、それ本人に言えばいいのに。この典型的チキンめ。
とか自分の中の二人でしばらく会話して、とりあえずホテルをチェックアウトした。初日に泊まったカオサン通りの宿に向かうことにしたんだ。あの宿に何人か日本人が居たことを思い出したから。
リュックを背負い、アタッシュケースを胸に抱え、絶対失くさないように、盗られないように気をつけてタクシーに乗り込んだ。その姿は「わたし今大金持ってます」ってアピールしてるとしか思えないほど、、、
誘拐された娘を助けるために身代金を一人で運ぶお父さんそのものだったことだろう。
無事カオサン通りに到着し、宿にチェックインすると、宿の踊り場では7~8人の日本人が楽しそうに話していた。
ここはどうやら日本人が集まる宿のようだ。
ああ、相談したい、めっちゃ話したい。でも、恥ずかしいし、後ろめたいし、こんな大金持ってるの他の人に知られるの恐いし、いつ電話かかってくるかわかんねーし、、、あーもうっ!!
結局ぎこちない挨拶をするのが精一杯だった。
外に出るときは必ずアタッシュケースを胸に抱え、誰とも目が合わないように気まずい感じで出て行く。
あの日、あの時、あの場所で、あの怪しさで君に逢わなくてよかった。
その後、誰とも話さない日が続き、電話はかかってくるたびに日にちが延ばされた。3~4日するとかかってくることすら無くなり、不安はでかくなるばっかりで、ストレスでおかしくなりそうだった。
5日目になると、携帯の電池も無くなり、どうしようもなくなった。
もう、どうにでもなれ。よし、飲みにいこう!!
荷物も全部部屋に置いたまま、初めて手ぶらで外に出た。開き直って顔が上がったのか、急に周りが見えるようになった。
改めてカオサン通りを歩いていると、本当に多くのお店がある。その中で本屋が目にとまった。店頭に日本語のガイドブック、地球の歩き方が置いてあったから。
実は、着いて行ってしまった彼らにガイドブックを貸してきてしまい、持ってなかったんだ。
わらにもすがる思いでそのガイドブックを購入し、近くに腰を下ろして読み始めた。
気になるのはもちろんトラブルのページ。 そこを読んで自分は目を疑った
、、、けど信じてあげた。
俺とおんなじ事がかいてあるじゃないか~!? まだ投稿してないのに、、、
少し違ったのは、最後に大負けするってところ。自分は負けてない。事実、お金は今自分の部屋にあるし。
ってゆーか俺の方がタチ悪くね?どっからどう見てもマフィアのおじさまのお金を預かってしまったんですけど~(泣)
殺される~。誰か~。助けて~!!!
ガイドブック:「なにかトラブルに巻き込まれたら、現地のツーリストポリスへ」
はい、すぐにそうさせていただきま~す。
つづく