チャンミンの日記より
○月△日
今日は僕の三者面談があった。
僕が通うのは私立の某有名大学付属の学校で、いつも面談は本人と保護者、先生の3人で行われる。
僕の担任の先生は、教師になって6年目の若いウーズン先生だ。
オーストラリアの大学を卒業した先生は英語を教えている。
学生時代はバスケットの選手として活躍したらしく、バスケットをする姿は僕達がみてもカッコいい。
ウーズン先生はルックスもいい。(まあ、僕にはまけるかも知れないけれど・・・)
今日は母さんが朝からやけに念入りにメイクをしていた。
もともと土台がいいんだからそんなに力いれなくてもいいのに・・・・と僕は思った。
さすがに両親そろっての面談なんて恥ずかしいから、ヒョンたちのような馬鹿な
真似はしない。ウーズン先生のことは父さんに黙っていた。
母さんがクラスに入ってきた瞬間、友達のお母さんたちの視線が一斉に向けられた。
それだけじゃない。僕の友達も口をあけたままぼーっとみていた。
母さんのところだけ空気がキラキラ輝いていて、ほのかにいい匂いが漂ってくる。
クラスのあちらこちらで聞こえたため息と「きれい」という言葉・・・・。
僕はちょっと鼻が高かった。
まずいことにウーズン先生もころりといってしまったようで、母さんから視線を外せないでいた。
『5人の子持ちになってなお、いや益々、フェロモン垂れ流しに拍車がかかっているみたい。
父さんも苦労するよね。』
三者面談のときもウーズン先生の思考が停止したみたいで気の毒だった。
顔をまっかにして母さんがまともに見られなかったみたい。
『母さん、あんなに胸の開いた服をきたら駄目ですよ。
(父さんの○○マークはあっても)シミ一つない白い肌をこれみよがしに出して・・・まったく困ったものです。』
以下は先生と母さんのやりとき(ときどき僕の心の声)
「チャンミン君はどの教科も成績優秀でクラスでもトップです。
このまま頑張ってほしいと思います。」
「うちでは誰も勉強しなさいとは言わないのに、自発的にいつも机に向かっている努力家なんです。うふ。」
(父さんと母さんのいちゃいちゃ見ているのも暑苦しいですし、2人のヒョンに付き合うのも疲れますから・・・・
自然とそうなるのです。)
「学級委員としてもリーダーシップを発揮し、クラスの子をうまくまとめています。
泣く子も黙るチャンミンの一声といわれるくらい絶大な力を持っています。」
「家からも兄達を兄だと思っていないようなところがありますから・・・」
「ただ少し子どもらしさがないと言うか、もう少し年相応の素直さやくったくのなさがあっても
いいと思うのですが・・・やけに達観していたり、大人の発言が目立ちます。」
「少し前まではとてもかわいい素直な子fでした。親にも2人の兄にも逆らわない・・・
本当でとってもとってもかわいかったんです。どうして、最近、こんなに生意気になったのか、
う~ん、反抗期なのでしょうか?悲しいです。」
「お母さん、そんなに心配されなくても・・・」
母さんが泣き出したものだから、ウーズン先生がおどおどしている。
「先生、僕にも言い分があります。
何年たっても恋愛中のような熱の覚めやらぬ(決して、年中盛っているなどと言うつもりはありません。)
両親と
ぴーちくぱーちく言っている2人の兄
誰かがしっかりしないと僕の家は放し飼い状態の無法地帯になってしまいます。
誰も好きでかわいさを手放した訳ではありません。
僕だって、僕だって・・・・甘えていられるなら・・・・・」
母さんが「わかったから、チャンミン、母さんたちが悪かったわ。」と言いながら
慌てて僕の口を塞いだ。それからやさしく頭を撫でてくれた。
最後に母さんがウーズン先生にニコッと笑いかけると先生も僕達には見せたことのないような
笑顔を見せた。
母さん人妻だってこと忘れていませんか~?また1人餌食に・・・
「先生、この間ね僕妹が2人できたんだよ。母さんに似たかわいい妹なの。」
って話したら、先生が驚いていた。現実を直視しないとね~。
母さんがいつまでも綺麗なことは嬉しいけれど、東方家の末永い幸せのため
母さんにはもう少し5人の母だってことを自覚してもらう必要がありそうです。
ということで携帯で映したウーズン先生の写真を何気に父さんの目のつく
ところにおいておきました。
結果は・・・・
母さん一人での外出禁止令が出されました。
騒々しくて時々疲れることもあるけれど・・・・
愛情表現が大袈裟で、時々ひとりよがりで、変わっているところあるけれど・・・
でも家族大好きな愛にあふれる、愛すべき僕の家族です。