日常に小さな幸せを。
こんにちは。
宝塚 片づけ整理収納作業・子育てサポート→HP
暮らし整えサポーターよこたちひろです。
最近、図書館で借りた本が面白かったです。
【15歳のコーヒー屋さん~発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ~】
岩田響著 KADOKAWA 2017年
響くんのご両親は群馬県桐生市で「RIPPLE YōHINTIN」という一点ものの洋服ブランドを主催されていて
私がそれを知ったのは、暮しに関する本か雑誌だったと思います。
お父さんの開人さんが染色をし、お母さんの久美子さんがデザインと縫製をされていて
お店は月一回しかオープンしないのだけれど、行列が出来る程。
お仕事の充実さながら、暮しぶりもすごく素敵で、センスがよくてお洒落で。
自家製の野菜やら、手作りの季節のジュースや、せっけんまでお手製。
三人お子さんがいらっしゃるけど、親は子どものサポート役で、
家族は”個”と”個”の関係性。
家事は家族それぞれ得意で、出来る人がやればいい。
長男は片づけ、次男三男はお菓子作りが得意と、そのインタビュー記事には書いてあり、
長男の響君の焙煎したコーヒーを店の敷地の一部を店にし、販売している。
というような事も書かれていました。
お母さんの久美子さんは、本上まなみ似の美人さんで、ご自身の服のモデルもされており、素敵だなー。すごいなー。憧れるなー。
とそれからインスタをフォローさせて貰って拝見してました。
私より随分若いようなのに、なんとも地に足ついてる感じがして、すごく優しい雰囲気の中に芯のしっかりさ。が見えていて。
それから、他のテレビだったか雑誌だったかで、響君が発達障害で中学校の時不登校になり、高校に進学せずに、コーヒー屋さんの道を選んだ事を知りました。
へえ。
そのとき、
でも家の敷地にお店まで構えて子どもを応援でき、それが成功しているのは、その恵まれた環境とか、両親の商売が軌道にのっていたからこその事だし、
みんながみんなこんな風に「家族は”個”と”個”。あなたの個性を生かして好きなことやりなさい」と言える程、出来た親じゃないよね。
などと、ちょっといじわるな視点も持ちました。
この本を読むまでは、、、。
本には、
久美子さんが、小さい頃から響君の成長に違和感を感じていた事。
でも今程、発達の個性について知られている時代でもなく、自分が若いママで「愛情不足」「しつけがなってない」と
自分の子育てを否定されている気がして、自分を責め続けて、保育士さんにも、就学前にも相談出来なかった事。
小学3年生で教室を飛び出すようになり、発達障害と診断(アスペルガー傾向)。
専門医の先生や小学校でもいい先生に出会えたけれど、中学では何度丁寧に話しても、響君の特性の事が周りに理解してもらえず、
本人も出来ない事を克服しよう。と頑張って、でもできなくて。苦しんでどんどん元気が無くなっている姿を見ながら、
自分の価値観とのせめぎあいがあって、もう学校にいかなくていいよ。とは言えなかった事。などなど。
親としてその時々の気持ちの葛藤や悩み、そして家族の様子が赤裸々に書かれていました。
響くんが家事をしていたのも、
出来ない事より、出来る事を増やしたかったから。だという事も。
この本は響くん、お父さん、お母さんのリレー方式で、それぞれの価値観と立場から、どうして響くんがコーヒー店をする事に至ったか。が書かれています。
(お父さんが書かれている事も、お母さんとはまた目線が違っていていい。)
こうやって私達成功しましたよ。
というのではなく、それぞれ"個"としての集合体の家族という小さな社会を回していくために
親自身が自分の価値観に向き合い、子どもとのそれとは違う事を認め、
自分も子どもも、出来ない事より、出来る事に目を向け、
試行錯誤する様子や、正直な言葉が、すっと心に入ってくる感じがします。
「そっか、みんなそれぞれ悩んでますよね。。」
親子のはぐくみ会 に来られた方が、口々におっしゃるのが、この言葉です。
そう。悩まない家族なんて無いと思う。
でも、悩むのはそこに愛情があるからで、
できる事を一つ一つ積み重ねていくと、見えてくる景色は必ずある。
そんな勇気がもらえる、おススメの一冊だと思います。