■体外受精(採卵までの準備)
○2013年7月中旬○
生理が始まったので、いよいよ治療がスタート。
この時期は、2週間後の採卵に向けてとにかく卵子を育てる・育てる・育てる。
普段、卵子は左右どちらかの卵巣のなかにひとつだけ育ち、排卵されるもの。
しかし体外受精では、ひと月で卵巣に卵子をできるだけたくさん育てて一度にガサ~っと回収してたくさん受精卵を作ってあわよくば在庫しちゃいましょう。という目的があるからね。
こういう合理的な方法は私好み(´▽`)
たくさんの卵子を育てるにあたって必要なのが、排卵誘発の注射。
そして同時に、たくさんの卵子たちが採卵前にうっかり排卵しちゃわないように抑制コントロールするための点鼻薬を服用する。
この注射と点鼻薬をひたすら続けるのが採卵までのメイン。
まず生理1日目から点鼻薬スタート!
風邪や花粉症のときに鼻にシュッてする鼻スプレーみたいなやつを一日3回やるだけ。楽勝やん?
しかし楽勝と思ってナメてたら、けっこうな問題が…
この点鼻薬、ボトルを常に冷蔵保存しとかなきゃならなくて使用時以外は冷蔵庫にいれとくんやけど。
お昼にするために毎日会社に持っていく必要があって。
するとまあ、ミス連発。
会社に持っていき忘れた、せっかく持っていったのに冷蔵庫に入ってて存在を忘れて服用しないままだった、みたいな失敗を3~4回は繰り返し、うっかり者の私には何気にかなりの試練やった。
ちゃんとふせんに書いて机に貼ったり手の平に書いたりしてるのに、忘れるような病的なうっかり者なのです。
一番ひどいのは金曜に会社から家に帰ってる途中、会社の冷蔵庫に置き去りにしてきたことを思い出し、東大阪まで来てたのに会社まで戻るはめになったこと。
金曜に忘れてきたら土日含む丸3日服用なしになってしまうやん、その時点で治療終了って話。
なんとしても取りにいかねば(;゜Д゜)
これには何気に苦労したわ。。
3日日からは自己注射がスタート。
さすがに初日は、一人でやる準備に戸惑った。
薬剤吸入用の針と注入用の針をまちがえたり、空気を注射針から抜くときに薬剤が勢いよく飛び出したりして、大丈夫かいなコレ!?と、朝から病院にくだらない電話問合せをした(笑)
刺すのは楽しいんやけど、準備がなかなか難しい。
けど2日目からは順調になり、慣れるとどんどん上達するもので。
空気抜きで注射針を上に向けてシャキーン!てやるのに昔から憧れてたから、そこだけ無駄に張り切ってやってた(笑)
白衣着てやりたかった~!
注射は毎日バッチリやけど点鼻薬はたまに忘れてしまうという状況のまま数日が過ぎ、排卵誘発が優勢になって抑制きかずに排卵してもたらどうしよ、と多少不安を抱えながら中間日に経過をみるために病院を訪れた。
その日は検卵といって、卵の出来具合をエコーで卵巣を確認する。
見たところ、6個~8個くらい出来てた。こんな光景も普段お目にかかることはできない。
おお!私の分身がいっぱい居る、ぶどうみたいで可愛い(*´∇`*)
まだまだ大きさが不揃いで、完成形に育つかどうか怪しいやつもいるみたいやけど、この調子だとまあ複数は採卵できそう。
ついでに点鼻薬の服用忘れを先生に告白してみる。
「実は2~3回、点鼻薬忘れてしまってたりしたんですけどなんか影響出てます…?」
2~3回とかいって実は4~5回は余裕で忘れてたんやけど、怒られそうやから少なめに告白してみる(笑)
するとそれくらい大丈夫ですよとの返事があった。
安心した反面、危機感を覚える。
「この程度なら大丈夫なんやーん!」
ってこれが原因で私はさらにうっかりが加速するんよね。。
(あくまで私の例です。よい子はマネしないでください!)
そして卵子の成長具合により、採卵の日がほぼ決定した。
後半も引き続き、点鼻薬をたまに忘れながら注射を頑張る。
(再:良いこはマネしないでください)
自己注射の手さばきもだんだんプロってくる。あとちょっとでおしまいかぁ。けっこう楽しかったよな~
しかしまあ、こんな風に呑気かつ不謹慎にも注射が楽しいとか言ってられるのも、たった2週間だけだからかもしれない。
不育症や持病でずっと続けていかなければならない人にとっては辛い作業やと思うし、繰り返し針を打った場所には内出血の跡が痛々しい姿をTVで見たこともある。
呑気な自分をちょっとだけ恥じる。
そして、いよいよ採卵の前日。
もう排卵してもいいよ!って合図の特別な注射を病院で打ってもらう。
この注射は翌日の採卵時間から逆算して行うため、夜の9時半きっかりに打たなければならず。
夜の病院に行くと、昼間とは違ってひっそりしていて。
私のためだけに病院を空けていた、そんな雰囲気。
看護師さんが一人、受付から注射まで担当してくれた。
「いよいよ明日、採卵やね!今まで注射もよく頑張ったね~(*^^*)採卵、緊張する?」と声をかけてくれた。
ひっそりした病院が、パッと明るくなるような笑顔で声かけしてもらえて、うれしくて。
意外に全然緊張しないこと、注射がけっこう楽しかったこと、自分変態ちゃうかと思ったこと、思わずいっぱい喋ってしまった。
一緒に笑ってくれて、採血室で楽しい時間を過ごした。
こんな遅い時間まで一人のために残業(?)してくれて、こんなに暖かい対応。なんか感動しちゃった。
すごい元気が湧いていて、明日頑張ろうって気持ちに自然となれた。
この病院で治療できてよかった、と思う瞬間でした(*´ー`*)