■人工授精


○2012年12月~2013年4月



卵管の原因が一旦なくなったので、さっそく人工授精に挑戦し始めた。



卵管の検査や術後1~3ヶ月はゴールデンタイムといって、妊娠しやすい時期だからチャンスを逃してはいけないらしい。

ゴールデンタイムのためにわざわざ検査を受けたいという人も多いらしいし、たしかにグラフを見ると検査後や術後の1~2ヶ月以内に妊娠率が圧倒的に多くて、5~6ヶ月はかなりダウンしている。




そもそも人工授精は一回の挑戦での妊娠率がそれほど高い治療ではないのね。

自然妊娠 20~25%
人工授精 10~15%
体外授精 30~50%

このデータを見てもかなりの低確率。
ま、年齢によっても違うけどさ。




これを理解してから挑んだからか、さほど期待していなくて。

値段も一回につき15,000円くらいで体外授精に比べたらお手軽やし、何回か挑戦して一回当たればラッキーくらいに考えてた。


しばらく検査とかにバタバタして忙しかったし、ゆっくりする期間やと思って気楽に構えて開始した(*´ー`*)






しかし一回目の挑戦が終わり、 人工授精の大変さと妊娠率が低い理由がなんとなくわかってきた(。-∀-)


これ、大変なのは女性ではなく男性の方ですな(笑)


人工授精の方法とは、精子を病院に提出して遠心分離させ上澄みから強い子だけを集めて、直接女性の卵管入口に注入する方法なんやけど。

精子くんが子宮内の過酷な環境のなか滝登りしなくても卵子と出会えちゃうという、お得なラクチンコースみたいに思うんやけど。

それがまあ簡単でもない(笑)




まず、精子を病院に提出すること。
これ男性にとってかなり嫌な作業だとあちこちから聞くよね。

女性からすると普段から婦人科で行われる内診や検査でいちいち恥ずかしいとか言ってられない状況にあるので、それくらい全然たいしたことないやん、と思うんやけど。
女性と違って男性はとても繊細なんやと思う。


まず、治療にあたってそこを理解したうえで協力を求めることが大切なんよね。




うちの場合は恥ずかしいとか嫌だとか言わずに素直に協力してくれたからそこはすごく助かったんやけどさ。

ただ、素直だから簡単ってわけでもないというか(笑)




検査と違って人工授精の場合はいつ持っていってもいいわけじゃないんよね。

何月何日の何時から何時までの間に採取したものを何時に持ってきて下さいと細かな指定がある(笑)

何月何日とは、もちろん月に一度の貴重な排卵日当日または前日のこと。

しかもその一日のうち1時間以内の時間に限定されたりしちゃうわけ。
精子が生きてて新鮮なうちじゃなきゃダメやし、診療枠もあるしね。



うまく受精するか、着床して妊娠成立するか以前に男性にとっては「時間内に無事提出できるかどうか」という根本的な問題がのしかかるわけ。。



しかも初回は私が手術を受けた直後のゴールデンタイム、そのうえ運よく土曜日に排卵しそうな絶好のチャンスでもあり、先生ともども皆が期待して準備して待っていた。


自分のせいで大切な時期の卵子が無駄になり、さらには手術したことも無駄になってしまうのでは…というプレッシャーはかなり大変だったようで。

なんかカワイソウ(・ω・)
40超えてる相方には過酷なミッション過ぎないか?





実際、当日の朝から体調が万全じゃなく自信ないと言っていた(笑)


だから無理ならまた来月でいいやん、と器が大きいフリをして責めないように寛大に対応して放置していたらほんとに時間が迫ってきた。


ゴールデンタイムっ
ゴールデンタイムっ
ゴールデンタイムっ


頭のなかに 焦りが充満してくる。
しかし急かしてはいけない、イライラしてはならない、落ち着け落ち着けドードー。



私はこっそり病院に電話「もう間に合わないかもしれません、、何分までに持っていけばやってもらえます??」


結局、ものすごいギリギリに間に合って車走らせながら「今駐車場に到着しました!もうちょっと待ってて下さいねっ」とケータイで連絡しながら病院に滑り込み、ゼーハー言いながらスラ
イディングで提出した。

予約1分前。


ミッションクリア!ばんざーい!!
と叫びたくなった(笑)



提出したあと、相方と二人で「間に合った…!よくやった!」と思わず達成感を分かち合ってしまう。

今日は焼き肉やな!と盛り上がる。



もう結果なんてどうでもよかった。





一時間ほどで処理が終わりますから時間つぶしてまた来てくださいと言われ、そういえばこれから私人工授精するんやと思い出した。



人工授精自体は、あっちゅうま。

痛くもかゆくもないし5秒で終わり。
5分だけ休憩してすぐに帰宅。

ほんとに女性はラクやなと思った。





相方の苦労は報われず、一回目は失敗。
まあ想定内やから私は落ち込むこともないけど、相方はさすがに「なんであかんかったんやろ」とちょっと不満げ。

うん、頑張ったもんね、よしよし。
まあ次があるさ。





しかしこれから毎月これかよ…と先が思いやられたね。

土曜でこんなバタバタしたんやから、平日朝なんか絶対無理やろうし会社休むわけにもいかないし、実際相方に平日は無理やとハッキリ言われたし(笑) そりゃそうだわ。


だから毎月排卵しそうな週の土曜にすべてを賭けて、それに向けて誘発注射などで排卵コントロールというスタイルでいった。
金曜に排卵が終わってしまえばもちろんその月は残念ということで了承。






てか最初の時点で、もう人工授精で妊娠できる気はほとんどしていなかった(  ̄▽ ̄)


だって夫婦そろって排卵日に突然有休使える人なんて今の世の中いないよね。

科学的確率ではなく、環境的な部分で確率が下がってるんやなと。

本気で人工授精を成功させるなら、生活のすべてを排卵日に合わせなきゃと思ったね。




だから目的の位置づけとしては、 体外授精に入るための心の準備期間、そしてすべての方法を試したという納得のために挑戦しようという感覚でいた。


これは正解だったなと後になっても本当に思った。よかった(*´ー`*)






結局、納得のために5回の人工授精を行なってすべて失敗に終わり、そのあとに転機が訪れることとなった。