■不妊の発覚



○2012年11月後半○


骨盤MRIを受けた結果、筋腫が多発性であることが判明。


6センチのやつだけと思っていたら、まだ1~2センチ程度の小さい筋腫がゴロゴロたくさんあると言われる。

6センチのは場所的に妊娠には影響がないとされ、むしろ小さいやつがどう育つかで影響が出るかどうかはまだ分からないらしい。


とにかく今出来ることは早く妊娠してさっさと一人産んじゃうこと。
流産を繰り返すようなことがあればそこから対策を考えようとの事。



筋腫の扱いってなかなか微妙なもので、それが原因で良くないことが起きるか分からないのに摘出手術を受けるってのは躊躇われるものがあるんよね。


手術をするなら何週間も入院で仕事できないし、子宮の傷が治るまで何ヵ月か妊娠しちゃいけないし、せっかく手術してもすぐ再発してくる可能性もある。

あと妊娠したら100%帝王切開になるのが一番気になった。出来るものなら自然な痛みの方を味わいたいって昔からの夢みたいなのがあって。
だから手術より先に一人産んでおきたかった。




そして一刻も時間を無駄にしないために不妊の検査を一式受けることになった。



○ホルモン検査(黄体機能、プロラクチン、アンチミュラー等)

○精子の検査

○卵管造影検査





まずは精子の検査結果が最初に出た。


かな~り運動率が悪く、自然妊娠はほぼ難しいとのこと。
人工授精のレベルと言われる。



原因はこれか~!
と思った。


原因が分かりホッとしたと同時に相方に伝えるのが気の毒な気がした。
これ男性にとってキツイ宣告じゃない?なんか妙に哀れな気がして、なぜか私が非常に困った(笑)


そして相方に対面し、無駄に気を遣って明るく伝えた。

検査のたびに数値は変わるしその時のストレス状態にもよるし、一回悪かったからって気にしないでいいらしいよ~何回か受けて様子みてみよう!って言った。


そうかそうか気にせんでいいんやな~
まあ原因分かってよかったやんか!

と呑気な相方。


気にせーへんのんかい!
無駄な気遣いを返しやがれ(笑)


とまあこんな具合に最初の原因は男性不妊と発覚したので、マカと亜鉛を買いに行くことで対策は完了。
次回に期待することにして景気づけにウナギを食べに行った。





翌週、卵管造影検査の当日。


先に診察で血液検査の結果が出ていたらしく、高プロラクチンを指摘された。

この値が高いと排卵や着床の妨げになるとのこと。またあまりにも高い数値だと脳下垂体に良性腫瘍がある場合もあるがこれくらいの値だとまあ無いでしょう。
これは内服薬で数値を下げられるので問題ないですよ、と。

やっぱり病院に来てよかったと実感する。なにか原因が見つかってもすぐに対策できる。




しかしいろいろ出てくるもんやな~と思いながら、着替えて卵管造影の準備に入る。




この検査、卵管が通っているかを確認するため造影剤を注入するので、卵管が細いとか詰まってると激痛なことがあるらしい。一応覚悟してた。


しかし…全然痛くなかった。

大丈夫?痛くない?痛かったら言ってね、と何度も先生が声をかけてくるけど、何の感覚もない。


詰まってないなら痛くないって噂やし、異常がない証拠やと思った。




痛くない?
あれ?通ってこないな…
ん?おかしいな…

先生が疑問符を連発してブツブツ言ってる。




突然、疑問符が確定口調に変わった。

「通ってませんね」





なんと両方の卵管が閉塞しているとの事。

まったく想像してなかったのでネットで下調べもしてなくて、ショックとかもなく「(・◇・)へ?」て感じやった。

口ぽかんのまま着替えて診察室に戻り先生と今後の話をすることに(笑)




「精子と卵子は卵管の中で出会い受精するんですが、残念ながら○○さんの卵管は両方とも閉塞していました。つまり今の状態では自然妊娠の可能性は0%です」




ちょ ww


0%て

すがすがしい数字にぶわっと笑いが込み上げてきた。


これを知らずに今までタイミングに奮闘して想像妊娠を繰り返してはバカみたいに基礎体温で一喜一憂してたのか。 わははー!



なんか、一向に成果の見られないタイミングの迷宮からゴールへの一筋の光が見えた気がして笑いが。

一応深刻な表情を保つのに必死になって演技していた(笑)




先生「方法は2つあります。ひとつは卵管を使わずに妊娠する体外受精。ふたつ目は閉塞した卵管を広げる卵管形成術(FT)という手術です。
ちなみにこの手術はこの病院で日帰りで受けられます。

どちらがいいかご主人と話し合って検討されてはと思います。」



私「手術って費用いくら位ですか?」

先生「保険適用外で、限度額申請を行えば実費で約8万円になりますね」

私「じゃ手術でお願いします。来週いつ空いてます?土曜?じゃ予約してください。」

先生「早い決断ですね(笑)ご主人はいいんですか?」

私「この件に関して男性に決定権はないんで(笑)でも帰ってから一応私なりに調べたいので予約してもらってもしキャンセルなら明日中に必ず連絡します」

先生「はい。お待ちしています(笑)」



そりゃとりあえず安くてお手軽な方から試すでしょって話(・∀・)





しかしまあ、一応リスクのお話も聞いたのでちょっと迷いはあったけど。


この手術の一番のリスクは子宮外妊娠の率が少し上がること。

閉じていた卵管をむりやり広げるわけやから、狭くなってる部分に受精卵が引っ掛かってそこに着床しちゃう可能性があるらしい。
あとはせっかくお金をかけても時間が経てばまた閉じてしまう可能性があること。



けどいきなり体外受精ってのも心の準備がないし、自然妊娠できるものならしたいやん。
だからやっぱり手術にしようと決めた。すべては自己責任。





そして気になるのが卵管が詰まった原因。

私の場合、卵管閉塞の一番多い原因とされるクラミジアも陰性、筋腫が卵管を圧迫してるわけでもない、手術の癒着もない、出産による癒着もない。

結局のところ原因不明とされた。


そういう体質の人もけっこうくらい居るらしい。なんだそりゃと、思た(笑)





迎えにきた相方に車で報告。

相方の第一声は「早く分かってよかったなぁー!!」
むしろ笑ってて私と同じ反応(笑)


タイミングを合わせるのにはいい加減二人とも疲れ果てていたので、出口をみつけて助かった~!という共通の思いがあったみたい。


それから「オレが勧めたから早く病院行って結果よかった訳やな」と自分の英断に酔いしれて始めた。ウザイ(笑)


で、結局お互いに原因をわけ合ったわけやし協力して治療頑張っていこうねって言い合った。


そのとき、この人と結婚してよかったなってすごい思った。


自分に大きな原因が発覚して申し訳ない、と小さくならなければならないような相手だときっとしんどいと思ったから。

気を遣わずに、堂々と協力をお願いして一緒に喜び合える相手でよかった。






この時期、数日間でいきなり何ひとつ想像していなかった多数の不妊リスクを突きつけられた。


男性不妊
高プロラクチン
両卵管閉塞
多発性筋腫

おまけにアンチミュラーホルモンという検査の数値によると、生涯で決まっている卵子の残数から計算される卵巣年齢が38歳レベルらしく(実年齢31歳)ちょっと急ぎましょうと言われる。

なんつー踏んだり蹴ったり(笑)



しかしこれだけ揃えば先を迷うヒマも選択肢はなく、やるべきことを急いで決めてとにかく前に踏み出そうという気持ちでいっぱいだった。




不妊の原因で一番難しいとされるのが「原因不明」。

私はとりあえずこれらの原因をつぶしていけばいい。簡単すぎる。





本当にすがすがしい気持ちで、逆に不思議な感じがした。