使用効果の実績が大事(感染防止洗剤の歴史)
感染防止清掃をする際には、感染防止洗剤が必要だと強調してきましたが、既に効果に実績を持っている作業を行う事が大切です。ここでの自前主義は感心しません。新たに失敗を重ねて覚えていくという行為よりも、既に実績のある作業をすべきなのです。
感染防止の実績は欧米では古く、2人の偉人がきっかけになっています。一人がゼンメルワイス、もう一人がナイチンゲールです。どちらも19世紀半ばの人です。
ウィーン病院の産科医であったゼンメルワイスは当時非常に致死率の高かった産褥熱は医師の手指消毒で防げる事例を多く示し、彼自身は医学会から反発を食らって失意のまま亡くなったものの、リスターがその功績を主張し、感染防止の父と言われています。ネットでも簡単に業績が調べられるでしょう。
ナイチンゲールは1854年に起こったクリミア戦争の際に従軍看護師として派遣され、衛生性の悪いその病院の整理整頓と石炭酸による洗浄を徹底し、それまで致死率が50%だったものを2%(今、ネットで調べると42%→5%になっていますね=私が昔勉強した資料とチョット違いますが)にしたのです。これも興味があればネットでも調べられます。
それまで、病院が、どちらかと言うと、行きたくない場所、行くとなかなか出られない怖い場所から、病気やけがが治る素晴らしい場所へと劇的に変化したのです。
その後、パスツールによって微生物が発見され、一気に医療が進みますが、欧米の人は感染によるひどい被害(14世紀末のペストの大流行もあります)と衛生性向上と感染防止の手段をとる事で、病気を防ぐことが出来るという原体験を持っています。
そこから環境に対する衛生性向上と環境消毒の技術が進むことになります。清掃と消毒を同時にすることが、医療関係では当たり前の事になったのです。医療だけではありません。学校や軍隊、刑務所など、人が多く集まり、自由が利かない場所での感染防止清掃は先進国では当たり前の事になっているのです。
消毒と言う言葉は日本には一つしかありませんが、英語では2種類に分け割れています。
Antiseptic(アンティセプティック)と
Disinfectant(ディスインフェクタント)
です。Septicは膿むという意味ですので、Antiseptic(アンティセプティック)は膿まない=人体や動物に対する消毒を指します。
Infectionは感染をさしますので、Disinfectant(ディスインフェクタント)は環境消毒を指します。
環境消毒用の感染防止洗剤は従って、長い歴史を持っています。かつてはかなり強いものが使われていましたが、環境やそこに居る人にとって負担が掛からず、効果的に対象微生物を除去する事が長い間の経験と実績で積み上げられているのが、現在の環境消毒洗剤です。私がくどい程これを使えと言っているのがこうした意味があるからです。
我が日本は安倍首相も国民の協力を訴えていますが、私達、建物の衛生性に関与するものは今こそ、協力して、私たちの関連する建物を衛生的にすべきです。清掃する際に、水ではなく出来れば環境防止洗剤を使用しましょう。また、感染防止清掃の技術を今こそ覚えてしまいましょう。
私もなるべく多くこのブログを更新するつもりです。
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