メンテナンスのプロ②
前回は「素人と圧倒的に差がある事」と書きました。今回はその続きです。
メンテナンスのプロである以上以下の事が必要でしょう。
まず始めに
「汚れの種類と素材の特徴が分かり、汚れの除去が出来、防ぐ方法も提示できる」
必要があります。
付いた汚れが何の汚れで、どういう原因で起きるかが当然分かっている必要があります。また、対象の素材の特性も掴んでいる必要があります。大石は酸がダメですし、木材は水に弱く、アルミはアルカリが使えません。素材から受ける制約を踏まえ、洗剤を選ぶ必要があります。その(素材を知った)うえで、汚れの種類から洗剤が決まります。起因から、その汚れを防いだり、軽減したりする方法が提示できるのです。
次に
「メンテナンスについて説明出来、実施出来、人に教える事が出来る」
事です。
説明能力(Accountability=アカウンタビリティ)が重要な昨今、説明出来ることは必須ですし、実際に出来る事、教えれる事も当然出来て然るべきです。
もう一つ(三番目ですが)は洗剤についてです。以下のことが分かり、説明出来るようになっている必要があります。
① 洗剤の役割、pHについて、酸とアルカリ
② 臨界ミセル濃度、ファインミストの除去
③ 除菌洗剤、バイオ洗剤、環境対応洗剤
④ 溶剤、次亜塩素酸
上記の4つについて、特に①②④は必須でしょう。
洗剤の主成分の界面活性剤の働き(油を落とす役割)と表面張力を低下させる能力(無機の汚れ除去)、pH値による洗剤の選択と希釈によるpH値の移動、酸性・アルカリ性洗剤の選び方、あまり濃くしても働きがそれ程変わらないこと(臨界ミセル濃度)、美観と作業効率の同時向上(ファインミストの除去)、洗剤と溶剤や漂白剤(次亜塩素酸)の違い・・・
こうしたことがスラスラと説明出来て始めてプロの入り口と言ったところなのでしょう。
纏めましょう。目指すべきゴールです。
1.素人と行動においても結果においても圧倒的に差がある。
2.汚れの種類と特徴が分かり、汚れの除去が出来、防ぐ方法も提示できる。
3.メンテナンスについて説明出来、実施出来、人に教えることが出来る。
4.洗剤について説明出来る
①洗剤の役割、pH、酸とアルカリ
②臨界ミセル濃度、ファインミストの除去
③ 除菌洗剤、バイオ洗剤、環境対応洗剤
④ 溶剤、次亜塩素酸
来年一月の講習会はこれらを踏まえ、設定するつもりです。ただし、すべてやるには時間が足りませんので、メンター(導く人)養成として、日常清掃でトイレ、カーペット、ワックス管理について、そしてそれに必要な事項を絞ってやることになります。
皆さんとの設定とは違うかもしれませんが、世界的にはこんな感じがゴールと言えます。尤も「コンサル」クラスになればさらにゴールが遠くなることは言うまでもありません。