郊外のファーストフード店で、
コーヒーを飲みながらゆっくりしていた朝。
外はまだ少し曇り空。
静かな店内で、
隣の席に制服姿の女子高生が座っていました。
彼女はノートを開いて、
静かに勉強していました。
特に騒ぐわけでもなく、
真面目で落ち着いた雰囲気。
ところがしばらくすると、
店員さんがやってきて、
こう声をかけたのです。
「この時間帯は高校生に商品を提供できません。
フードはお出しできないので返金します。
ドリンクだけお飲みになったら退店をお願いします。」
その子は少し驚いた様子で、
「私、別の地域の学校なんですけど」と言いました。
でも店員さんは、
静かにこう答えました。
「地域は関係ありません。」
そのやり取りを見ていて、
なんとも言えない気持ちになりました。
たぶん近くに、
ちょっと荒れ気味の高校が2校あるんです。
朝の時間にたむろしたり、
トラブルになったことがあったのかもしれません。
それでお店全体が、
「午前中の制服来店は一律NG」になったのだと思います。
でも、その子の制服は全く違うものでした。
静かに勉強していただけ。
それでも“制服”というだけで、
一括で処理されてしまう。
ルールの目的は、
きっと「秩序」と「安全」を守るため。
でもその裏で、
「何も悪くない誰か」が
そっと弾かれてしまうこともあるんですね。
フードは返金され、ドリンクだけが許されたその朝。
ルールはたしかに必要だけど、
ほんの少しの“想像力”で、
もっとやさしい社会になる気がします。
制服で区切られる朝を見ながら、
私は思いました。
本当に見るべきなのは、
「制服の中にいる人」なんじゃないかな、と。

