我がマンション『BREEZE勝山』(ブリーズカツヤマ:仮名)の理事は、輪番制だ。
戸数26戸の小さいマンションで、5年に一度、理事の順番が回ってくるのだ。
先月の役員会で、僕が理事長と決まった。
定期総会だが、参加者は8名。
5年前も同じような顔ぶれだけだった。
私が理事長になることが承認されて、簡単に挨拶をした。
そして会計報告などがなされ、会が進んだ。
この日、議論となったのは以下の5点。
1.側溝の修繕費用が高すぎる
2.エントランスドアの修繕見積もりが高すぎる
3.雨漏りが発生している
4.共用部の損害保険が高いのではないか
5.大規模修繕委員会の発足
1.側溝の修繕費用が高すぎる、については、管理会社が歯切れの悪い答弁を繰り返した。
コンクリート製のフタの交換と、その下に土嚢袋を置いた【応急処置】に4万円。
側溝のコンクリートを修繕したのに15万円。
僕も高いと思う。応急処置に1万円。修繕工事に5万円くらいが相場ではないか。
相見積もりも、ただただ「無理」「むずかしい」という。
内訳の公開もしないと言う。
座間さんが、ゆずらずに主張する。
「相見積もりをとらないのは、納得できない」
「高すぎる」
座間さんは、このマンションを新築で購入した組合員だ。
誠実な人柄で、自然と皆から一目置かれている感じだ。
総会にも、なるべく参加しようという感じで、よく顔を見かける。
そんな座間さんに追及されて、ついに追いつめられた森さんが「弊社の利益がわかってしまうので、公開できないんです」と言った。
苦渋の表情だ。
空気が、(これ以上の追及は気の毒かなぁ)という感じになり、この話は流れた。