ねぇ、翔ちゃん。
あなたは今も幸せですか?
遠いあの空のどこかで
見守ってくれてますか?
私の声は届いてますか?
またね、私が泣いてたら
「べっぴんが台無しやで?」と優しく笑う
あなたの声が聞こえてきそうだよ。
今でもね、振り返えれば
思い出と変わらないあなたが
私に手を振る。
ねぇ、翔ちゃん。
あれから世界は何一つ変わらない。
あの時、止まれと願った時間は
簡単に今を過去にしてしまうよ。
あの日、私はいつも通りあなたのお見舞いに行くと
ベッドに座る翔ちゃんは
ずっと窓の外を見てて
私に気付き、力なく笑った。
どうしてだろう。
その時私は何かを察して
駆け寄り、突然大泣きした。
翔ちゃんは私の頭を撫でながら
小さく囁く様に言った
「なぁ、俺思うねん。
お前は神様からのプレゼントやってんて。
俺めっちゃ幸せ者やわっ!…」
“ありがとう。”の声は
もう消えかけてて。
喋れなくなるほど泣いてる私の手を
細くなった手で優しく包んで
最後の力で、祈るように…
強く握ってくれた。
力尽きる翔ちゃんが
「べっぴんが台無しやで」と言った気がして
私は泣きじゃくった顔で笑った。
翔ちゃん…
どんな夢を見てたかな?
穏やかな顔で眠る翔ちゃんの頬に
私の涙がつたった。
あの日から
四度目の春が来るよ。
会いに来るのは久しぶりだね。
ねぇ、翔ちゃん。
あなたは私に宝物を遺してくれたよ。
「ママー!!」
あなたは今も幸せですか?
『こっちだよ。おいで。』
遠いあの空のどこかで
見守ってくれてますか?
「ここにパパが眠ってるの?」
『そうよ。ほら挨拶して美羽』
私の声は届いてますか?
ねぇ、翔ちゃん。
「はじめまして、パパ!
美羽です!
美羽とママはとっても幸せです!」