色んな話をしてきたね
 
好きな音楽
好きな人
 
誰かの過去
私の過去
 
これからの未来
 
 
 
失っては
得てきた
 
別れては
出会った
 
同じ日は一度も無かったね
 
 
 
色んな物を見てきた
 
綺麗な景色
残酷な景色
 
誰かの笑顔
誰かの涙
 
 
 
壊しては
作ってきた
 
生れては
死んでいった
 
 
忘れていい日なんて
一度も無かった
 
 
 
変化は止まらない
誰にも止められない
 
 
愛しくて止まなかった
あの頃を映した写真は
 
今では何も感じない
 
 
 
喜んでは
悲しんだ
 
笑っては
泣いていた
 
 
望んでは
手放し
 
欲をかいては
冷めていた
 
 
『あの頃』はもう無い
『今』にはいない
 
 
今は何も感じない
 
今では何も感じない。
 
 


世界はこんなにも残酷で

美しくて

色んな色で輝いてる



迎えに来たように
扉が開いて

『入っておいで』

そう
言われたわけじゃないけど


嬉しいよキミだけ

キミだけ。

キミだけ。



色んな形と色で出来てる

感触も匂いも感じる事も

それぞれの幸せが

取り巻くこのセカイ。



同じ気持ちになれたなれるなんて

分かり合えない“感覚”だけの繋がり



セカイはこんなにも残酷で

美しくて

色んな色で輝いてる

私の中で。



キミだけが。


ねぇ、翔ちゃん。


あなたは今も幸せですか?

遠いあの空のどこかで
見守ってくれてますか?


私の声は届いてますか?




またね、私が泣いてたら

「べっぴんが台無しやで?」と優しく笑う

あなたの声が聞こえてきそうだよ。



今でもね、振り返えれば

思い出と変わらないあなたが
私に手を振る。



ねぇ、翔ちゃん。

あれから世界は何一つ変わらない。

あの時、止まれと願った時間は
簡単に今を過去にしてしまうよ。




あの日、私はいつも通りあなたのお見舞いに行くと


ベッドに座る翔ちゃんは
ずっと窓の外を見てて

私に気付き、力なく笑った。



どうしてだろう。

その時私は何かを察して
駆け寄り、突然大泣きした。




翔ちゃんは私の頭を撫でながら
小さく囁く様に言った


「なぁ、俺思うねん。
お前は神様からのプレゼントやってんて。

俺めっちゃ幸せ者やわっ!…」


“ありがとう。”の声は
もう消えかけてて。



喋れなくなるほど泣いてる私の手を
細くなった手で優しく包んで


最後の力で、祈るように…
強く握ってくれた。



力尽きる翔ちゃんが
「べっぴんが台無しやで」と言った気がして

私は泣きじゃくった顔で笑った。



翔ちゃん…
どんな夢を見てたかな?



穏やかな顔で眠る翔ちゃんの頬に
私の涙がつたった。



あの日から
四度目の春が来るよ。


会いに来るのは久しぶりだね。


ねぇ、翔ちゃん。
あなたは私に宝物を遺してくれたよ。


「ママー!!」


あなたは今も幸せですか?


『こっちだよ。おいで。』


遠いあの空のどこかで
見守ってくれてますか?


「ここにパパが眠ってるの?」

『そうよ。ほら挨拶して美羽』


私の声は届いてますか?

ねぇ、翔ちゃん。


「はじめまして、パパ!
美羽です!

美羽とママはとっても幸せです!」