桜が咲いている。
いつになく満開に咲き誇っている。
一つの小さな花が大きな一つのまとまりになって、見事なぼんぼり様になっている。
ここ数年、満開になるときまって季節雨と嵐が吹き荒れた。
しっかりと咲きつけた花びらも耐えられずに散っていった。
三分咲きや五分咲きの桜に安心して、満開の桜は期待しないように過ごしてきた。
今年は柔らかく暖かい春風をうけて穏やかに光を浴びた薄紅色の桜の花びらが揺れている。
何度も立ち止まって眺めると、幸せな気持ちが溢れてくる。
今、ここにこうして生きていることを感謝したくなる。
私は幸せだ。
桜は人の人生に例えられたりする。
春に始まり、若々しく爽やかな新緑の季節、眩しいほどに深く青々と茂った夏の季節、そして黄金色に輝き眩くもノスタルジーを感じる紅葉の季節、そして全ての役目を終えた冬枯れの季節。
そしてまた、寒く厳しい時期に小さな芽を付け、新しい季節を心待ちにする。
日々をひたすらに自分の生を生きる。
私も一日一日を一生懸命に生きていきたい。
うららかな春の日に改めて自身の生を見つめることが出来た。
今日のよき日に感謝。