話を聞いてくれるんなら話し合いに応じますと伝えたのに「うん」と言えない西川さん。
残念な、かわいそうな人だなとひたすら思ってた、その日の夜。いつもなら西川さんは寝るくらいの時間にLINEが来た。
ベッドに入ってスマホをいじってたので気づいたが、すぐ既読にするのもなと思い(とはいえ西川さんはそういうのは全く気にしないが)、通知の小窓から読んでいたが、長い………。全部表示されない。渋々開いて読む。
とてもとても長い。
スクロールしてもしても、まだある。
話は聞いている。
聞いてても忘れてしまうのは申し訳ないが許して欲しい。
話を聞いて欲しいの?
希望を全部通したいの?
そう言っているように聞こえちゃう。
という内容から始まった。
ニュアンスがやっぱり伝わってないなとイライラする。別に議論したい訳じゃないから、西川さんも不満ならもう手っ取り早く別れるで良いのに。このあとも延々と不満を綴るつもりかとムカつきながら読み進める。
この3ヶ月の思い出。
小さい不満はなくはないけど(テレビ見てないでラジオ聞いてたいとか、お風呂2時間入りたいとか)それを我慢してても幸せだったこと。
ニコニコしてる私も、
ツンツンしてる私も、
怒ってる私も、
全部まとめて好きだと。
今の自分が情けないこと。
誕生日のことを後悔してること。
この一週間、私を失う不安で押し潰されそうだったこと。
飲みにいくのを控えようと言った理由も書いてあった。
飲むと気分が大きくなって、周りもうるさいからつい自分も大きい声になり、日頃の不満をぶつけちゃう。当たり散らしてサイテーだったよね、と。
そのあとまたこの三ヶ月の思い出がたくさん綴ってあった。
じわじわ来てしまった……
泣きながら続きを読む。
「私を好きだ」ということが一貫して書いてあるのだけど、「でも疲れちゃった」という結末になる予感がして、スクロールする手がはやる。
意識の半分は西川さんに対峙していて、もう半分はケータイ小説を読む読者の気分。西川さん、意外と文才あるな…。
締め括りは、
オレ、話を聞かない人なんだね。
そう思われてたの、ショックです。
ココロが疲れているのでもう寝ます。
と。
あぁ、やっぱりナシの方か。
と思ったら、最後の一文は
「愛してます。
おやすみなさい。」
なんだよー、そっちかよー!!
(完全、小説の読者目線。)
途中から、こんなに思ってくれてるんだなとわかって嬉しかった。話聞かないのは本当に悪気はなく、もう病気だと思おうと思った。
「おやすみ」と言ってるので明日ゴメンの返事をしようと思って寝ようとしたら、日付が変わるくらいの時間にLINE。何やねん、寝てないんか。
「何で靴を要らないと言ったのですか。どうしてもこの点がわからなくて寝られません。
付き合ってはじめての誕生日だし、あおいさんが欲しいものをあげたかった。買い物の途中から冷たい態度だったよね。何でか理解できなくて腹が立ったのです。」云々かんぬん。
まだ言ってる!!!もう寝ろよ。