ルガルバンダとは?
- 古代メソポタミア(5000年前以上前)の人物。
- ルガルバンダ叙事詩の主人公。ギルガメシュ叙事詩にも登場する。
- ウルク第1王朝、第3代目の王。在位は1200年間(←!?)。
- 父はウルク第王朝、第2代目の王「エンメルカル」。
- 牧人。
- 妻は知恵と夢解きの女神「ニンスン」。父のエンメルカルは神と人間のハーフだったため、ルガルバンダは神の血を引いていると思われる。
- 人間の王だったが、のちに神格化された。神々のリストにも載っている。
- 8人兄弟の末弟。
- 息子は「ギルガメシュ」。これは定説だが、そうではない意見もなくはない。
目次
<①遠征と洞窟での祈り>
<②末っ子王子の冒険>
<③女神イシュタルからの伝言>
<④伊波伊織の意見・感想>
<①遠征と洞窟での祈り>
ウルクとは古代メソポタミアの都。当時の都市の中でも特に重要な都市だった。
そのウルクから山向こうに「アラッタ」という都市があった。
アラッタには石山があった。そしてその石を刻む職人がいた。
アラッタには金、銀の細工師がいた。また、貴金属、瑠璃などの宝石があった。
それらはウルクにはないモノだった。ウルクのエンメルカル王はそのアラッタを征服しにアラッタと戦争をする準備をはじめた。
ウルクに兵士達が集まり、大軍隊がアラッタへと進軍した。エンメルカル王には8人の子供がいた。7人の息子達は七つの隊の指揮をしていたが、ルガルバンダはまだ子供だったので父と兄達についていくだけだった。
大軍隊が何日も歩き続けていくと、ルガルバンダが病気になってしまった。その病気は誰も治すことはできなった。今から引き返すことはできない。ルガルバンダは洞窟に運び込まれた。兄たちは寝る場所を作り、食べ物や飲み物をそばの置いた。
「古代メソポタミアの物語 ルガルバンダ王子の冒険」によると、以下のものが置かれた。
塩漬けの肉の大きな塊。羊の乳のチーズ、パン、バター、ゆで卵。食欲がわくようにシロップ、ナツメヤシの籠、干した果物。水袋にビールと葡萄酒を入れた。ルガルバンダの頭の上には、良い匂いの香料が入っている壺を提げた。脇には錫の斧、鉄の短剣を置いた。
結局、父と兄たちは遠征のためルガルバンダを洞窟に残して、悲しみに暮れながらアラッタへ向かった。
ここで寝かせておけば目を覚まし、ここの食べ物を食べて元気になるかもしれない。そして太陽神シャマシュ(シュメール語ではウトゥ)が見守ってくれるはずだ。もし事切れても、戦いが終わったら亡骸をウルクへ連れていこうと思った。
ルガルバンダが洞窟に置き去りにされてから三日目が経った。その三日目の夕方に目を覚ました。そしてルガルバンダは泣きじゃくりながら、沈みゆく太陽(太陽神シャマシュ)に祈った。
「あなたは、ぼくを、兄たちとともに、この山のなかへこさせました。どうか、ひとりぼっちのぼくを、ほら穴におきざりにしないでください。ぼくをなぐさめてくれるひとは、だれもいない。母もいない、父もいない、兄たちもいない、友だちもいない。どうか、糸杉の森におおわれたザブー山脈で、ひとり、死なせないでください。太陽の神ウトゥよ、ぼくを死なせないで!」↓出典「古代メソポタミアの物語 ルガルバンダ王子の冒険」 初版2007年7月6日再話:キャシー・ヘンダソン 絵:ジェイン・レイ 訳:百々裕利子岩波書店
太陽は沈み、宵の明星が現れた。今度は女神イシュタル(またはイナンナ)に祈りをささげた。
月が登ると、最後に月神シンへ祈りをささげた。
朝になると、ルガルバンダは立ち上がれるようになるまで力を取り戻し、兄たちと合流するために洞窟を発った。
<②末っ子王子の冒険>
洞窟を発ったルガルバンダは、岩ばかりで糸杉が生えていないルルブ山脈を通った。
ルガルバンダはそこで巨木を見つけた。その巨木には「アンズー」という頭が獅子の強大な鷲が巣を作っていた。
ルガルバンダは、あの巨鳥ならどこに向かえばウルク軍と合流できるか分かるはずだ。ならば、まずあの巨鳥が喜ぶことをしたら教えてくれると考えた。
ルガルバンダは、アンズーが巣を留守にしました。そこをルガルバンダは巣へと登った。そして御馳走食べさせてやり、目元に墨の化粧をしてやった。それからルガルバンダは巣を離れた。
母鳥が戻ると雛達が化粧をされ、食べ物を食べていた。それに大いに喜んだ母鳥は大声で「もし神々の行いであるならば友になる。もし人間の行いであるならばその運命を定めてやる」と言った。ルガルバンダは恐ろしいと同時に嬉しがりながら名乗った。
隠れていたルガルバンダはアンズーを称える歌を歌った。アンズーは更に喜んだ。アンズーはルガルバンダにあらゆるものを捧げると言った。ルガルバンダはそれに対して「要りません」と断った。アンズーがいったい何が欲しいのか尋ねた。
ルガルバンダは「比類なき脚力と腕力が欲しい」と言った。それを貰えるのなら、ウルクに戻れた際にアンズーの像を作らせると言った。そして神々にも劣らない名声を国の隅々に轟かせると言った。
アンズー納得してルガルバンダは比類なき脚力と腕力を授けた。
このことは秘密するようにと口止めをした後、アンズーはルガルバンダを案内し、ルガルバンダはウルク軍と合流することができた。
兄たちはルガルバンダが生きていたことに喜んだ。色々と聞かれたが、アンズーとの約束を守り全ては話さなかった。
次の日、ウルク軍は行軍も再び進み始める。ウルク軍はアラッタの見張り塔に気付かれ、弓や投石の攻撃にあった。エンメルカル側の軍は防戦一方となり、宿営地を張って様子を見るも、攻防は1日が1週間に、1週間が1月に、果てには1年が巡ってしまった。
<③女神イシュタルの伝言>
ウルク軍はアラッタの反撃に苦戦し続け、女神イシュタルに助言を聞くことにした。
父のエンメルカル王はウルクにいる女神イシュタルの元に向かい、女神イシュタルへの伝言をさせるため呼び抱えた。そして唯一申し出たのがルガルバンダだった。
一人で行くと言うルガルバンダに兄達は心配をするが、兄達を振りほどきルガルバンダはウルクへ向かった。
ルガルバンダは山々を駆け抜け、火が暮れる前に女神イシュタルの下に着いた。
女神イシュタルはどうしたのかと聞いてきた。ルガルバンダは王の伝言を女神イシュタルに言う。
すると女神イシュタルは助言を授けた。
ルガルバンダは長い助言を全て覚え、女神イシュタルの言った通りした。そして女神イシュタルの言った通りに事が進んだ。
<④伊波伊織の意見・感想>
某作品に登場するウルクの四代目の王ギルガメシュを知り、それがルガルバンダを知るきっかけでした。調べていくうちに「古代メソポタミアの物語 ルガルバンダ王子の冒険」という絵本を図書館で見つけました。何千年も前の世界を蘇らせた絵本はとても興味深く、ルガルバンダの賢さや、兄のルガルバンダに対する愛情が伝わってくる作品でした。
まだ書きたりないので、後日に加筆するかもしれません。
↓参考にした本とwebページ。
「古代メソポタミアの物語 ルガルバンダ王子の冒険」 初版2007年7月6日
再話:キャシー・ヘンダソン 絵:ジェイン・レイ 訳:百々裕利子
岩波書店