好きな本を聞かれる度に、どう答えたら良いかとても悩みます。

あと、おすすめ本を聞かれた時。何をおすすめしたらいいのか。。。


本に限らずですが、すべては必要あるところにしか届かないと思っています。

手に取った本の中にどれだけ大切なことが書かれていたとしても、今自分がそのメッセージを受け取れる段階になければ、きっと届いてこないのでしょう。

だから、どんな本を手に取るのか、どんな言葉が響いてくるのかで、今の自分の状態を知ることができる。本とはなんとも知的な鏡ですね!

なので、本棚を見れば人となりがわかるというのと同じように、私のバイブルを端から晒し出したら素っ裸を披露するようなものなのでそれは自粛して、チラ見せだけ。。。笑

ここで紹介してもしなくても、必要なものは、必要な時に、必要な人のところへ行くのだと思って、何を載せるべきかとかあまり気にせずに好き勝手にご紹介しちゃいます♪
どれもマーカーや付箋や書き込みだらけで帯やカバーもなかったりするような(手放すつもりがない)大切な本です。



「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」/村上春樹 著
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有名どころから♪ 村上春樹さんの本の中で一番好きな作品です。印象的なタイトルですよね。
とても細密に練られたお話で、何度読んでも楽しめます。
意識の話には非常に興味があり、高校時代から好きで読み続けていますが、未だにわからない。一生わからないかもしれない。笑
背伸びして読んでも仕方がないので、もっと自分らしく体で感じながら楽しむことにしています。冒頭から、決まりを無視したエレベーターの中で様々な感覚が損なわれているような体感だったり、一週間の内に金色でしかない金色の毛で体を覆う獣たちが世界を染めていくような季節感だったり、初めての体感を得ながら読み進めていけるところが結局は好きで、極めて現実的な中で非現実を楽しめるのが村上春樹さん作品の味わいのひとつですよね。
映画の「インセプション」を見るとこの作品を思い出します。死ぬまで(死んでも)わからないことかもしれないのに強く深く惹かれる世界です。何に引かれているのかそろそろ知りたい。



「壊れゆく景観-消えてゆく日本の名所」/川村晃生・浅見和彦 著
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愛しの教授の著書ですが、未だに大切に抱えています。
長野オリンピックに合わせて開通された高速道路の影響で、幼い頃父や犬とよく遊びに行った一面タンポポが覆い尽くす美しい野原を失った経験を持つ私にとって強く心を打たれるものがあり、環境日本学が大学の卒業論文の要にもなりました。
私たちは、美しい景観を愛でる心をどこかに置き忘れてきたというより、ただ、もう知らないだけなのではないかと感じます。あるがままの自然が、そこにないから。近代文明の中心で生まれた子供たちは、生活の側で触れる機会がないから。
日本人の本質は、今もなお、自然(環境)と調和し生きていると、私は思います。



「発声と身体のレッスン」/鴻上尚史 著
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肉体との対話はこれだけでも十分なのではないかと思えるような本です。
ここに書かれていることをひとつひとつ紐解いていけるだけのセンスが私にあれば、あれやこれやと手を出さずに済んだのじゃないかと悔しさすらあります。よくわからないことでもひとつのことを信用してやり続ければいつか道が切り開かれていくのでしょう。でも、色んなことに手を出したいのだからしようがない。笑
役者や歌手だけじゃなくすべての方にオススメです!



「天体少年。 さよならの軌道、さかさまの七夜」/渡来ななみ 著
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素敵です!こういう恋ならしたい!と思えるラブストーリーです。
美しい星空の上に描かれたようなロマンチックなお話で、宇宙や天体が好きならなおのこと、どこまでも深く広がるロイヤルブルーの世界に引き込まれていくと思います。
恋にも永遠があるとしたらこういうものかもしれない、とちょっと思ってみる。
私個人としては渡来さんの宇宙感にとても共感できて、拡大したら縮小するし、始まれば終わるし、終わればまた始まるのが当たり前のこと、くらいの感覚でいます。笑
メディアワークスの本ってイラストも素敵ですよね!
読みやすいですし、素敵なイラストが想像を補ってくれますし、可愛くて綺麗でとてもおすすめです^^